タイトルからもわかるとおり、テーマは仕事術です。
さっそく売れているようで、ランキングも好調なようです。ありがとうございます。
今回は、本書の概要についてと、企画の意図__デジタルボーンでの本作り__を紹介してみます。
概要
仕事術といってもいくつかのジャンルがありますが、今回扱ったのはタスクマネジメントについて。その基本的なやり方をまとめてみました。
目次は以下の通り。
SECTION1-<やる気エンジン>を始動する
SECTION2-<ワンデーリスト>を起こす
SECTION3-<セルフデータ>を駆使する
SECTION4-<タスクシステム>を育てる
SECTION5-<前>を見定める
5つのセクションで、合計23のテクニックを紹介しています。
おそらく「タスク管理」に詳しい人にとっては、お馴染みのテクニックばかりでしょう。さまざまな仕事術・整理術の本からエッセンスを抽出し、それらを一つにまとめ直しました。実際的なテクニックと、概念の理解を助けるような内容になっています。
ちなみに、本書の位置づけは入門編なので、高度な話は出てきません。それはBizArts2(仮)にご期待ください。
中身については、「はじめに」と「Art1」が以下のページから「立ち読み」できますので、ご興味ある方はご覧ください。
『BizArts ~仕事を前に進める23の技術~』(R-style)
本書の二つの特徴
ちなみに、本書はセルフパブリッシングなので、執筆だけではなく編集も私が行っています。内容だけではなく、コンテンツデザインも私なりの工夫があるわけです。
本書をご覧頂くとわかりますが、普段長々と(あるいは回りくどく)書く私にしては、それぞれのArtはかなり短い文章になっています。もちろん手を抜いたわけではなく、ある程度の文章を書いた後に、ざっくりと短く刈り取りました。スマートフォンなどの小さい画面で読まれることを想定したためです。
また、具体的な話に流れすぎないようにしました。
「私のタスク管理システムはこういうツールを、こう使っています」といった具体的な話は、興味深く読めるのですが、その分長くなりがちです。また、具体的すぎて応用しにくい問題もたまに発生します。使えないテクニックほど、意味のないものはありません。
本書では、その問題を考慮してテクニックの抽象度を少し上げて書いてあります。そうした方が、自分の環境に置き換えやすいかと判断したからです。
このジャッジメントが良かったのかどうかは、感想を頂くまでわかりません。もし良かったのならば、今後はそれを伸ばしていく方向に、悪かったのならば修正する方向に進んでいきたいと思います。
デジタルボーンの本作り
上にあげた二つの特徴は、紙の「仕事術」の書籍とは違った方向を目指しています。
100%言えることは、本書は__少なくともこのままでは__紙の本にはなりえません。まずもってボリューム不足ですし、きっと具体的な要素が少ないという指摘も頂くでしょう。
Kindle情報では、紙の本にして52ページという分量です。小冊子ぐらいしかありません。しかし、必要な情報を厳選し、記述を簡易化すれば、これぐらいのボリュームでもエッセンスは伝えられます。そして、伝わる情報が仮に同じならば(※)、文章が短い方が情報の伝達性という点では優れています。
※ただし、これを検証することは難しいです。
もちろん、(厳選された情報以外の)+αの要素__たとえばコラムや著者近況など__も、書籍の楽しみの一つではあります。そういったものがまったく必要ないと言いたいわけではありません。むしろ、私などはガンガン+αの要素を書きたい&読みたい方の人間です。
しかし、デジタルボーンですし、せっかくニッチな企画を作れる場なのですから、紙の本が目指す方向とは違った企画・フォーマットの書籍を作った方がよいでしょう。そうでなければ、単なる劣化版になってしまいます。
紙の本では作れない・追究できないコンテンツの形。それを模索することが、今のところ私のセルフパブリッシングの課題です。
この『BizArts: 仕事を前に進める23の技術』は、そのチャレンジの第一弾でもあります。チャレンジなので、うまくいっているかどうかは未知です(※)。なので、もしかしたらBizArts2(仮)やBizArts3(仮)は、本書とはまったく違ったコンテンツデザインになっているかもしれません。
※フィードバックをいただければ、大変ありがたいです。
なんにせよ、現状のセルフパブリッシングは皆手探り状態なのは確かです。
さいごに
「2014年度は毎月一冊電子書籍を発売する」
という猛々しい目標を掲げたのですが、スケジュール的にやはりいろいろ厳しいものはあります。が、とりあえずスタートだけは無事切れました。
今月もまた月末あたりに新刊が発売になる予定です。お楽しみに。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。