私自身、最近身の回りがバタバタしてきたものの、半分はこの本のおかげもあって、何とか仕事は回っています。困ったときに頼りになるというのは、やはり優れた仕事術と言えると思います。
重版をきっかけに、もういちど読み直しました。そうすると当然のことながら、よくわかっていなかったところや、誤読していたところ、読み落としていたところなどが、より明確に見えてきます。
シゴタノ!の読者さん多くにとってもおなじみの「マニャーナ」ですので、ここでまとめ直しておくことはメリットがあるでしょう。
もちろん、まだ『マニャーナの法則』をお読みでない方にとっても、検討する価値は十分あると思います。
仕事と生活に余裕を持つために欠かせない3つのリスト
- タスク・ダイアリー
- デイリー・タスク・リスト
- WILL DOリスト
タスク・ダイアリー
まずは、「タスク・ダイアリー」を用意します。紙でも、オンラインカレンダーでもかまいませんが、目的は「今日まとめてやることと、明日まとめてやること」を書いておくことです。
このリストには、「ダイアリー」とあるように、日付が必要です。ただし、特定の日付にやるすべてのことを書くリストではありません。毎日発生するメール処理などのタスクを、ここに書く必要はないのです。あくまでも、「その日」または「次の日」に処理するつもりのタスクだけにとどめます。
そうしておかないと、書くことがいくらでも出てきて、一枚の紙では書ききれなくなってしまいます。それはよくありません。なぜなら、一日にできもしないことをやろうとしても、終わりはしないからです。その意味で、タスク・ダイアリーは記述できる量のリミットがあって、そのことが、処理すべきタスクの量に制限を付けるのです。
今日、明日がいっぱいなら、明後日に記述すればいいのです。著者はこの目的のために、日めくりカレンダーを使っているようです。
デイリー・タスク・リスト
第二のリストは「デイリー・タスク・リスト」です。これは、いわゆる「チェックリスト」で、毎日繰り返す、あるいは週一で繰り返す、ルーチンタスクでやるべきことをチェックするためのリストです。
他の多くの仕事術でも指摘されていることではありますが、仕事を進める1つのコツは、「少しずつ、頻繁に」やっていくことです。毎日、少しずつ、同じ事を繰り返せば、メンテナンスも楽になり、大きなプロジェクトであっても、少しずつ前に進みます。
その手順を確認するためのリストが、「デイリー・タスク・リスト」です。これは基本的に、当分「終わる」ことのない、あるいはほぼ永遠に終わることのないタスクのためのリストですから、一日あたりの分量は、回る限り少なくするのもコツです。
WILL DOリスト
そして、「タスク・ダイアリー」にある「今日にやること」と、「デイリー・タスク・リスト」でメンテナンスすることと、その他メール処理やその日の予定などをすべて加えたものが、「WILL DOリスト」です。「その日」にやるすべてのことがまとめられているリストですので、このリストは必然的に、日付が入った大判のものとなります。
ちなみに私自身にとって、WILL DOリストはタスクシュートです。加えて言えば、デイリー・タスク・リストはタスクシュートの「コメント機能」(エクセルの機能)を利用しています。また、「タスク・ダイアリー」はとりあえず、紙で管理することも少なくありません。
『マニャーナの法則』において、リストは基本的にWILL DOリストをつくるためのものです。つまり、他のリストはサブリストとして機能するのです。
その他の「マニャーナ」のためのライフハックス
ファースト・タスク
少し誤解を招く名前ですが、これは「しばらくの間、危機を乗り切るために何はともあれ最初に取り組むことにするタスク」です。「最も大事だから、半永久的に朝一番で取り組むタスク」ではありません。私自身、少し誤解をしていました。
この定義から、「ファースト・タスク」はルーチンに当てるより、ゴールがあるものに当てた方がよく、しょっちゅう入れ替えるべきなのです。「遅れがちなプロジェクト」などに当てるといいと、著者はアドバイスしています。
プロジェクト
長期にわたるプロジェクトです。これを「マニャーナ」では次のように処理します。
まず、プロジェクトを著者は「継続プロジェクト」と「複数要素のプロジェクト」に分けてとらえています。
「継続プロジェクト」は同じ行動の繰り返しになるプロジェクト。英語の勉強などがこれに当たると思いますが、行動そのものがプロジェクトの実行とほぼイコールになるので、「デイリー・タスク・リスト」を用意するか、毎日「タスク・ダイアリー」に書いていくというやり方も考えられます。
もうひとつの、「複数要素のプロジェクト」は、いくつかのタスクによって、構造的に「プロジェクト」になっている、典型的なプロジェクトです。「引っ越し」などは典型的でしょう。いくつもの「タスク」が組み合わさってプロジェクトが成り立っているからです。
この「複数要素のプロジェクト」を「やっつける」には、小さな一つ一つのタスクを、いくつかの日にちりばめていくことです。そのためには、「タスクー・ダイアリー」の日付ごとに、ちりばめていくということになります。