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今回はこちら。
「でんでんコンバーター」
※現在β版です。
テキストや画像ファイルを準備すれば、小難しいことを抜きにしてepubファイルを吐き出してくれます。その点は、前回紹介した「かんたん電子書籍作成」と同じですね。
違いは
- 複数ファイルに対応
- 「でんでんマークダウン」を使用
- .kepub.epubファイルも出力可能(選択)
あたりです。
「でんでんマークダウン」とは聞き慣れない言葉ですが、ようはMarkdown記法をベースにしたオリジナルの記法です。なので、Markdownに慣れ親しんでいる人ならばすぐに使えるかと思います。
「そもそもマークダウンって何?」という方は、「シンタックス」のページで解説されていますので、ご覧ください。
では、さっそく「チュートリアル」を参考にしながら簡単なepubファイルを作成してみます。
単一ページバージョン
まず本文となるテキストファイルを準備しましょう。
今回はメルマガで連載していたエッセイを流用することにしました。Evernoteから適当に見繕って、新規のテキストファイルを作成し、そこにコピペします。
次に、このテキストに「でんでんマークダウン」を加えていきます。
でんでんマークダウン化
タイトルに当たる部分には、見出しを意味する「#」を付けます。#がひとつならH1、###と3つならH3となります。とりあえず##としておきました。
今回は細かい装飾を意図していないので、これで十分でしょう。必要ならばルビの指定なども可能です。
※詳しくは「シンタックス」のページを。
一点だけ注意点があるとすれば、段落の作り方です。
段落と段落の間には空行を挟みます。
つまり、段落Aと段落Bという二つの文章がある場合、
A
B
と、するわけですね。
たまたま、今回しようした原稿はメールで読むことを想定しており、段落と段落の間に改行を入れていたので、手を加える必要がありませんでした。
ファイル保存
後はファイルの保存です。とりあえず「Essay」というフォルダを新規作成し、そこに「01_page01.txt」で保存しました。
※ファイル名は日本語を避けた方が良いとのことです。
これで準備完了です。
epubファイル作成
あとは、「でんでんコンバーター」にアクセスし、ファイルとオプションを指定して、「変換」を押すだけ。
まずは横書きで試してみました。
作成されたファイルをiPadのiBooksで確認してみます。
若干タイトル文字が大きいですが、ちゃんと表示されていますね。
とりあえず一連の流れはこんな感じです。
複数ページバージョン
では、複数ページでやってみましょう。
同じような手順でテキストファイルを複数作成します。
epubでの順番はファイル名に準じるようです。「01_page01.txt」「02_page01.txt」「03_page01.txt」として順番を制御しておきます。
あとはそれぞれのテキストを「でんでんマークダウン」化します。##では文字が大きすぎたので###に書き換えておきましょう。
ついでにカバー画像も準備しました。iPadの手書きアプリによる自作です。
あとは同じようにサイトにアクセスするだけ。今度は複数のテキストファイルと画像ファイルを指定します。さらに今回は縦書きでいってみましょう。
では、作成されたファイルを確認してみます。
本棚(一番上左)で自作した表紙が確認できますね。では、中身を覗いてみましょう。
きちんと縦書きになっています。本文に付ける見出しは###ぐらいがちょうど良い感じです。
目次を覗いてみると、複数のファイルがまとまっていることがわかります。
ついでに、Kindleプレビューツールでも確認してみましょう。
こちらも表紙・本文とも問題ありません。
さいごに
マークダウンさえ問題なければ、簡単にepubファイルが作成可能です。
また、複数ページの指定ができるので、ページ数が多い電子書籍を作る場合には便利に使えるでしょう。
今回のようなエッセイや小説、あるいは技術書を作成する場合に選択肢にあがってきそうです。
▼今週の一冊:
Kindle本です。
実に電子書籍らしい一冊。ブログの単発記事以上、本未満、といった感じの内容。新書の2~3章分を本にしたようなイメージがぴったりかもしれません。
扱われているテーマは「新形態の出版」。読者にシンプルに届く、「紙の呪縛」から解放された電子書籍の形とはどのようなものであるべきかが考察されています。
こういう本が増えてくれるといいですね。
Follow @rashita2
ようやく執筆を進めていた本が一段落しました。まだゲラの確認などの作業は残っていますが気持ち的に「ふ~、やれやれ」という所までは到着です。ぼちぼち電子書籍についても手を染めていきたいと考えております。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。