年初に立てた目標を「意志の力」以外で達成する方法

まだまだ暑い日は続きますが、あっという間に9月も終盤。早朝から活動していると、1ヶ月前よりもどんどん日の出が遅くなり、やっぱり秋だなあと感じます。

気付いたら既に9月も終わりに。2012年もあと3ヶ月しかないなんて信じられないくらい、時が過ぎるのが早い！すでにスケジュール帳には来年の予定も徐々に入ってきています。

今回は、2012年に立てた目標を振り返ってみるための、目標達成棚卸しのコツについて考えてみました。

習慣を「意志」や「やる気」だけで継続できる人は、たったの２％

何か目標を達成しよう！と決意したとき、今までの自分の行動習慣を何かしら変える必要がありますよね。でも、これが難しい。今まで長年続けてきた習慣をそんなに簡単に変えることができたら、きっと生活習慣病なんて言葉は世の中から消えてしまうでしょう。

でも、そうはなっていないのはどうしてでしょうか。

様々な業界に取材しているライターの友人が行動習慣の専門家に聞いた話によると、運動や勉強、または何かの習慣を「意志」や「やる気」だけで継続できる人は、たったの２％なのだそうです。

つまり、ほとんどの人は意思だけで習慣を変えられないということです。だから、せっかく立てた目標をなかなか達成できないと悩むとき、自分の意思の弱さを嘆く必要はないのです。

• 「ああ、私は意志薄弱だ」
• 「なんでいつも目標を立ててもうまくいかないんだろう」

と、自分自身のダメさ加減を嘆くのではなく、「私の仕組みの作り方がまずかったんだ」と仕組みに目を向けることができれば、心の負担もかなりラクになりますよね。

周囲を観察してみると、目標をきちんと達成している人は、確かに意志の力に頼り過ぎずに、上手に「仕組み化」しているなーと思います。しかも、自分で頑張って意志自体を仕組み化する（やらざるを得ないように環境を整備する、達成ポイントを細かく分ける）以外に、周囲の力をうまく借りているのです。

※自分で頑張るための意志の仕組み化については、以前記事にも書いた、ランニングを習慣化するために私が行った手法が参考になると思うのでご覧頂けると幸いです。

シゴタノ！ 早起きとランニングに共通する、最初辛い習慣を続ける３つのコツ

自分一人でがんばらない

では、自分以外の周囲の力を借りるためには何が必要か。

私は「優先順位設定力」「コミュニケーション力」だと考えています。

ここで言う「優先順位設定力」とは、自分ができること、できないことを見極め、できないことは潔く捨てて出来ることに集中する力。「コミュニケーション力」とは、自分ができないことを、協力できる人に上手にお願いする力のことです。

私が現在、4ヶ月コースで開催している、女性向けの企画プレゼン力アップ講座「私であるための企画力講座（通称iプラ）」には、ワーキングママにも多数参加いただいています。また、時間美人という連載で様々な方にインタビューする機会がありますが、彼女たちの「優先順位設定力」「コミュニケーション」には目を見張るものがあります。

• 今、この年齢の自分の子供に必要なことの優先順位は食事と睡眠、と判断したら、数日の間、少しくらい部屋が散らかっていたとしても目をつぶって、食事と睡眠だけは完璧にする、と決めて行動する
• 子供を預けるときに「寂しい思いをさせてごめんね」と子供に言って預けるのではなく、「いろんな人に遊んでもらって嬉しいね」と言って預けることで、子供や周囲に良いイメージを伝える

この２つの力は、自分ができること／できないこと、自分で頑張ること／相手にお願いしたほうが良いことを適切に把握できていないと発揮できない能力だと考えます。何でも自分で抱えてしまって、やることがありすぎる！と思った時点で思考停止してしまうと、そこまで判断ができる状態にはなりませんものね。

このように、目標達成には自分ひとりで頑張るほかにも様々な手段があります。

2012年も残り3ヶ月。自分で頑張るのはもちろんのこと、何を「やらない」と決めるか、「やる」と決めたことを、自分の力だけでなく周囲に助けてもらうにはどうしたら良いかという視点で一度、目標を棚卸ししてみてはいかがでしょうか。

きっと、きちんと棚卸しできれば、「もう3ヶ月しかない」という思考から「まだ3ヶ月もある」と前向きになれますよ！

▼池田千恵：
前向き早起きエバンジェリスト。朝を有効活用してビジネスの基礎体力をつける「Before 9（ビフォア・ナイン） プロジェクト」主宰。