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前回は倉下さんが時間の管理を行う意義やどういう記録を残せばいいかについて紹介されていました。
» 今日からはじめる手帳術 第15回 時間の使い方を管理する最初の一歩
今回は少し趣向をかえて紙の手帳ではない、もう一つの手帳「スマートフォン」と「クラウド」についてみていきましょう。
手帳の役割と環境の変化
「紙の手帳」か「クラウド&スマートフォン」か
一昔前であれば、セルフマネジメントを実践するためには紙の手帳が必須でした。
しかし、今日では紙の手帳に匹敵するか、もしくはそれを凌駕する存在として「クラウドツール」と「スマートフォン」が存在します。
勿論、紙の手帳だけでも機能的にはスケジュールやタスクを管理することはできることは間違いありません。ただ、全てのタスクを書き出した後、今日やるタスクだけを抽出したい場合などは、クラウドツールであればフィルタリングで表示内容をいじるだけで実現できるのに対して、紙の手帳では幾度か書き写すという作業が必要になってしまいます。また、紙の手帳では書きこめる量にも限界があります。
逆に、紙の手帳はアナログであるが故に多くの情報を残すことも可能です。手書きの図表を交える、文字の書き味で感情を表現する、ペーパーアイテムを貼り付けるなど・・デジタルでは成し得ない表現であったり物質そのものを手帳内に残すと言うことすら可能です。その代わり、クラウドツールであれば容易に出来る検索や、リマインドといった機能は手帳では実現出来ません。
新しく登場したクラウドツール
もはや、「新しい」という表現が相応しくないと感じるほど「クラウドツール」は一般的に使われています。
本記事をお読みの方であれば恐らくGoogleカレンダーやRemember The Milk、Toodledo、Dropbox、EVERNOTEなどのツールを使ったことがないという方の方が少ないのではないでしょうか。
クラウドツールは、ネットがつながる環境であればいつでもどこでも利用することができ、パソコン上で動作するアプリケーションにも勝るとも劣らない機能と操作性を備えています。ほとんどのクラウドツールがスマートフォンからの利用にも対応しています。
クラウドツール上で提供されるスケジュール管理アプリやタスク管理アプリは、デジタルツールですので保存できるデータ量に限りがなく、検索可能で、一度データを登録すれば様々な見せ方が可能です。例えば、Googleカレンダーであれば、何年先の予定でも登録することができますし、一度登録してしまえば、月・週・日と様々なビューでデータを見ることができます。
高機能なスマートフォンと多様なアプリ
「iPhoneがあれば手帳はいらない!」と言われるぐらい、今日のiPhoneをはじめとしたスマートフォンに於けるセルフマネージメントツールの充実ぶりには目を見張る物があります。
これらのツールは多くの場合GoogleカレンダーやRemember the milk、Toodledoといったクラウドツールとデータ連係の機能を持っています。
これまでの携帯電話では、クラウドツールにアクセス出来たとしても操作性が悪かったり、機能制限が掛けられていたりでフルにクラウドツールの機能を使うことが出来ませんでした。しかし、スマートフォンの登場で、クラウドツールの機能が上で管理していた予定やタスクと言った情報に対して、これらのiPhoneアプリがシームレスにアクセス出来るようになったことで、家やオフィス、出先といったロケーションに関わらず全く同じ様に予定やタスクを操作できるようになったのです。
最後に
紙の手帳でしかできないこととクラウドツールやスマホを使った方が便利なことの両方を享受するために、両者を同時に使う・棲み分けているという人は決して少なくはないでしょう。もしくは、クラウドツールが会社で使えないという制約があるために紙の手帳を使う必要があるという私の様な状況にある人もいるのではないかと思います。勿論、手帳を全く使わないというという選択もあり得るでしょう。
いずれにせよ、紙の手帳に加えてスマートフォンやクラウドといったツールが現実的に“使える”ものになったことで、今後ますます手帳を取り巻く環境は変化し、手帳自身の役割や使われ方にも変化が生じていくと考えられます。
これまで本連載の中では具体的な手帳の使い方よりも、スケジュールやタスク、更には時間の管理といったセルフマネジメントの概念や意義を中心に取りあげてきました。
次回からは具体的な手帳の使い方について取り上げて行きたいと思います。
参考図書:
▼倉下&北式の手帳の使い方を一冊の本に纏めています
▼北真也:
仕事術をもっとカジュアルに! わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。