TC017:TaskChuteが威力を発揮する日

カテゴリー: TaskChute2活用法

By: Ted Van PeltCC BY 2.0


長年TaskChuteを使っていると、TaskChuteがあってもなくてもそう違いはなかったであろう1日というのも当然あります。その反対にTaskChuteがあることによって大いに助けられる1日というのもまたあるわけです。

直近では2012年の5月8日(火)がそうでした。

起きたら8時だった



これがまずなんといってもこの日を緊急事態にしたほぼ全ての原因でした。朝6時に起きるつもりだったのです。起きた時点ですでに2時間がないわけです。

この日はもともと運営が難しくなるとは思っていました。妻が娘を連れて「リトミック」なるものに行く日(毎週火曜日)だからです。そのお手伝いを朝からやるために仕事の時間が最初から乏しいわけです。

頭にパッパッと巡ったのはその日中に必ず次のタスクを全てやる必要があるということでした。

これらはいずれにしてもすぐ頭に浮かぶほどの懸案なので、TaskChuteにあるに決まっているのですが、それでも紙に書き出しておきました。そしてとにかくiPhoneに記録を残し続け、一刻も早くTaskChuteで「現在の事態」がどうなっているかを確認したいと思っていました。

その日には「予定」(壁)が4つあった

上記の3つのタスクだけなら、一気に片付けてしまえばいいと思われるでしょう。実際プラゴミはさっさと捨てました。

しかし最初からメールに走ったり原稿を書き出したりするわけにはいきません。原稿を取りに来ている編集さんが家に来ているというならともかく、娘をリトミックへ送り出すということのほか予定が3つもあったからです。

10:00~スカイプミーティング
11:30~テニス
18:00~ミーティング


TaskChuteが「やってくれる」のこういう時なのです。頭の中でシミュレートしながらまずゴミ出しし、スカイプとテニスの間にメールして、ミーティングまでに原稿を書く、と検討することくらいは容易です。問題は本当にそれができるかどうかにあるのです。

また他にもやることがあるはずです。思い出せないだけで「プラゴミ」よりもさらに優先するべきことがあるかもしれません。優先順位だけで言えば筆頭にメールが来ていたはずですが、プラゴミの収集が9時までであることを考えれば、8時に起きた時点での優先順位はメールが筆頭ではありません。

それに1日の全アクションが8時から18時までの10時間で終わるわけがありません。仕事時間の総和ではなく私の場合ここに食事やテニスまで入っているのですから。

もともと火曜日は「半休」というあいまいな位置づけであるため多くの仕事を詰めてはいないのです。このようにいろいろな要素をあわせればけっこう複雑になっている1日のデザインは、とても頭ではできません。TaskChuteに任せるのがベストなのです。

スカイプもテニスもできる。原稿は電車で書く。これが「答え」



ようやくスカイプ後、ひととおり記録を整理し終えたとき、TaskChuteは上図のような結論を出してくれました。これによると終わるわけです。しかもメールはテニスの前ではなくテニスのあとに出すべきであり、原稿は電車の中で書く。

もちろんこのようなオプションを私の頭の中で考えつかないというわけではありません。電車の中で原稿を書くのも1つの選択肢ではありました。しかしこの日は忙しいわけですから電車の中でやりたいこともたくさんあります。中から「電車では原稿」を選ぶのは自明ではないのです。

それにこういうシミュレートができなければ、不安になってテニスかスカイプを「なし」にしようとしていたでしょう。感覚的に「そうすべきだ」という人はとても多いものですが、計算するとそうではないことが見えるのです。

むろんこの日に外したルーチンワークはいくつかあります。晴れていたのに朝の散歩もできませんでした。2時間分はたしかに失われているのです。TaskChuteはもちろん時間を製造してくれるわけではありません。

それにこの日の電車の中で原稿が仮に書けなかったとしても、金曜か土曜にでも何とかできた可能性はあります。ただそれもTaskChuteで私なら検討します。「土曜に」と思うのはとても簡単なことですが、できもしないほどたくさんのことを「土曜に」と安易に考えがちですが、それだけに何かしら大ごとがすでに予約している恐れが大きいのです。

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▼編集後記:




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先日出版社よりご連絡いただき、第13刷で99000部となりました。お手にとっていただいた方には感謝の気持ちでいっぱいです。

この本は最初はそう思わなかったのですが、今改めてみると、ポケットサイズにぴったりだなと思います。「ふん。なるほどね」という感覚を抱いていただければ、その後何かの時にお役に立てるでしょう。

「先送り」が全ていけないわけではありませんが、どうも部屋がどんどん乱雑になるといったときには「先送り」が必ず介在しています。で、それは絶対に避けられないこと、ということはありません。世の中には片づいた部屋で暮らしている人もたくさんいます。

掃除に限らずこうしたことは往々にしてあります。本書は「夢を叶える」系の話というよりも「ちょっとだけ良くする」に類する本です。「少しでいいからベターにしたい」と思ったときに思い出していただければと思います。


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