TC016:レビューでやる気を思い起こす

カテゴリー: TaskChute2活用法

By: Tim GreenCC BY 2.0


レビューというのはGTDによってよく知られるようになった言葉だと思いますが、TaskChuteはログを残すタスク管理ツールですから、やろうと思えばかなり詳細にレビューできます。

中でも私がレビューする目的は、やはり「やる気がないとき対策」です。年中やる気が全然ない私にとっては大事なことなのです。

やる気がない時にやる気を出すための込み入った作業はできません。目が半分閉じていてもできるくらいのことしかやりません。そのうち1つは「先週の今日」をレビューすること。もう1つが「大変な作業前後」のレビューをすることです。

先週の今日はどうやった?

「ファーストタスク」といって私は毎朝起きがけに、その日の中で一番大変な作業をやることに決めています。とりあえずそれさえやれば残り70前後のアクションが1つもできなくても「よくやった!」と思うことにしています。

今やっているのは新しくスタートした書籍原稿ですが、毎朝同じように全くやる気が起こりません。肩は痛いし頭は曇っているし気分は最悪だし「朝のはじめにこんなことをやろうとする自分が信じられない」状態です。

しばしぼーっとしながら考えます。「いつやっても気分はよくない」。そして次のタスクに逃避しようとしたときに「先週の今日のタスクシュートをレビュー」という「タスク」が目に入るのです。

頭がどんなにぼーっとしていても「先週の今日」くらいはレビューできます。先週のその瞬間と同じように「朝早く頭も肩も痛くてげんなりしている自分」は何をやったのか? 実に興味深いものです。先週の私が今の私とそんなに違うわけがありません。しかし次のような「事実」(ねつ造していなければ)が残っているのです!



非常に驚きます。これはまるで自分ではないようです。シャワーを浴びてスケジュールを組んで1分後には読書を始めているではないですか。その後わずか12分後に原稿を書き出しています。しかしこれは2012年4月17日(木)の私の行動記録なのです。(ねつ造でなければ)。

その大変な作業をどうやった?

こういう記録は非常に大事です。これは他の人による「モチベーションを上げるためのおまじない」に類する話ではないのです。実際に私がやったことなのです。それもそんなに大昔の自分ではないのです。

どう考えてもこの肩こりぶり、このやる気のなさ、この眠気、その他の理由から鑑みて「今から原稿を書くなど正気の沙汰ではない」のですが、先週の私にしても今の1.01倍も元気だったとは思えません。私のことですからむしろ0.999倍くらいしか元気でなかったのです。

それなのに30分も本を読んで25分も原稿を書いている。何かしら方法はあるのです。

とは言っても「たまたま先週の自分は調子がよかった」のかもしれません。私に限ってあまりなさそうではありますが、そういうことも300日に1日くらいなら、ないとは言えません。

そこで「他の日」をチェックします。今度は全部のログの中から同じタスクに該当する周辺だけを見ていきます。これは簡単です。「検索」をかけていけばいいだけです。



するとやはり驚きます。「朝の5時30分から30分も原稿を書いている自分」がすぐに見つかるのです。

こういった「証拠」が次から次にへと見つかっていくうちに分かってきます。
きっと今日もやれるのだろう、と。

タスク管理とは「行動に関する思考」の整理

アタマを使う限り、これからやる未来の行動には想像力を、過去にやったことを思い出すときには記憶力を用います。計画とは想像ですし、達成感とは記憶から来るものです。

やったことが増え、とるべき行動が増えていくにしたがって、記憶内容は膨大になり、想像するべき事象は複雑になります。GTDのデイヴィッド・アレン氏が「やらなければいけないことを真夜中に思い出す」という例を挙げているのはよく引用されますが、その種の思考の混乱が常態と化すのです。

記憶力が優れているか否かにかかわらず、記録が記憶よりも安心できるのは「勝手に変化できない」からです。やった・やらないに関する記憶は変化する可能性が常にあります。実際に変質するかしないかにかかわらず、変化の可能性が記憶の信頼を下げてしまうのです。

TaskChuteのシミュレーション機能とはいえ完璧ではありません。が、見通しを想像するより信頼できるのは、その動きが「機械的」だからです。「これらの仕事を全部終えたら終電に乗れません」とTaskChuteは平然と告げます。「そんなに遅くならないだろう・・・」という「見通し」は「そんなに遅くなりたくない」という欲望に影響を受けているがゆえについている脳のウソです。

TaskChuteはいかなる欲望ももっていないので「ウソをつく必要がない」のです。

脳内のコンテンツは時々刻々変化するし、「欲望の影響」とも無縁ではいられません。だから思考内容の整理を脳内で行うのは都合が悪いのです。

「タスク管理が行動に関する思考の整理であり、思考の整理が目的だというのならTaskChuteでなくてもいいはずだ」という意見もあるでしょう。もちろん使うツールは何でもかまいません。

ただ「行動に関する思考」とは先に挙げたとおり「記憶」と「想像」であることがほとんどです。TaskChuteはログ(外部化された記憶)とタスク(外部化された想像)の両方ををいっぺんに「自動整理できる」デザインになっているので、タスク管理にはもっとも向いていると私は思うのです。

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