TaskChuteをただシミュレートのために使うという使い方です。
今日1日のシミュレーション
今日一日がどうなるかさっぱり見えない。そんな大変な日もあるでしょう。忙しいビジネスパーソンは毎日がそんな戦場かもしれません。
そんなとき「はたして今日やることを全部やったとしたら、いったい「何時」になるのだろう?」ということを知りたくなると思います。
知りたくなると言うよりも、おそらく想像しています。やることのいくつかは紙に書いたりしているでしょう。いくつかは頭に入っているでしょう。いくつかは食事だったり会議だったりするので予定でしょう。
「これは大変だ!今すぐやらないと!」という思いとともにガッと仕事に取り組むのは「今日一日のうちにやらなければならないことが山ほどある」ということを何らかの意味で知っているからです。シミュレーションはできないにせよ、知っているのです。
もちろん定時に帰れるはずはないし、ヘタをすると終電にすら間に合わないかもしれません。それでも全部の食事は抜けないでしょうし、休憩ゼロ秒というわけにもいきません。もちろんトイレで仕事はできないでしょう。
そんなときに「悠長に計画など立ててはいられない」と思うはずです。それはそうでしょう。しかしそんなときにこそTaskChuteに12分ほど時間を割くことでずっと見通しがよくなります。これはもうほとんど矛盾です。
見える危機と見えない危機の違い
たとえば私のTaskChuteでいえば上のようになったら「アウト」です。黄色はある意味最もエネルギーを費やす仕事であり、これがこんなふうに並んでいたら上から3つ目くらいで一日の気力を全部使い果たすでしょう。
だからこんなふうに並ぶことはあり得ません。またかけることになっている時間も長すぎます。
「たまに」TaskChuteを使うとなると「タスクにかかる時間など見積もれない」という人が多いのです。しかしこう考えてみて下さい。そもそもやらなければいけないことを全部並べたとき「終わるのが2日後」となっていたら人はそこで何か修正できないかと考えるはずなのです。
会社に泊まり込みするほどであっても、タスクのシミュレートはするべきだと私は考えます。むしろそんなときにこそするべきなのです。朝の段階から「泊まり込みが避けられない」と知るのと、「がんばれば終電に間に合うかもしれないがあやうい」のとは明らかに違います。泊まり込み確実なら、後者の判断は間違っています。
「今日中に終わらせなければならないタスク」を最短時間で見積もってずらりと並べてみることです。順番などはとりあえずでいいでしょう。優先順位などどうせないのと同じです。「今日中に全部」なのですから。
「最短時間」はそれなりに見当がつくはずです。「食事1分」「原稿2秒」というわけにはどうしたっていきません。どんなにがんばっても12分。どんなにがんばっても25分。こう、ひとつひとつのタスクについて時間を入力して、全体を並べてみましょう。当日やらなくてもいいようなものは片端から先送りです。
そこまでやっても「終電には間に合わない」と分かったら、家に連絡を入れたり毛布を用意したりといった対策を早いうちにとることができます。
この「直後の予定をいちおう整理された状態で把握すること」がストレスに対して有効なのです。絶対に間に合わないのに、ものすごく気力を費やしてがんばってみて、でも結局終電に間に合わなかった。しかもそれまでの倍の仕事をやらないといけないことを真夜中になって知るのは、誓って言いますが、朝のうちになにもかもを知るのの2倍強のストレスになります。
» Taskuma — TaskChute for iPhone
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上記エントリのような状態はしかしまったく「いただけない」ものです。このようなことになる前にやはりふだんから「タスクごとにかかる時間を見積もる」ということをしてみることを改めてオススメします。
7日や10日記録したくらいでは見積もりきれないという仕事もあるでしょう。それでも2ヶ月見積もると非常にいろいろなことが見えてきます。今は10年前よりずっと記録は楽にできるのです。「ちょっと面倒」というのは本当にそんな大事な問題でしょうか。
真夜中まで仕事をするのは「ちょっと面倒」などというものではないはずです。
記録するだけでうまくいく | |
佐々木 正悟 富 さやか
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2012-03-12 |