集中力をいかんなく発揮するための5か条

1.集中力を途切れさせる要素を排除しておく
2.マルチタスクよりシングルタスク
3.雑務処理専用メモを持つ
4.Doingリストを使う
5.仕事のはかどる1時間を知る

情報ダイエット仕事術
堀 E. 正岳

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「集中力」というのは、簡単なようで面倒な概念です。注意力と同じようで同じではない。集中せよと言っても、そもそも「何を」集中するのか。

と、心理学的にはいろいろ考えるところがあるのですが、経験的には、「集中している状態」と「集中していない状態」とは全く違って感じられます。そして、どんな状況ならば集中できるか、あるいはできないかも、人によって違いはあるものの、だいたい共通の感覚というものはあるでしょう。

そのはっきりしているような、曖昧なような、難しい「集中の方法」を『情報ダイエット仕事術』ではよくまとめられ、紹介されています。

1.集中力を途切れさせる要素を排除しておく

集中力を途切れさせる要素というものは、確かにあります。人の声、人の視線、騒音、ちらつき、不安など。

もちろん、人によっては騒音などへっちゃらですし、逆に、静かすぎるとかえって集中できない、と訴える人もいます。

いずれにしても、それなりに神経科学的な要因があるようです。たとえば、無音の空間では、聴覚が処理すべき情報が全くないため、自分の心音だの呼吸の音だの、普段意識しない音に注意を向けてしまったりします。また、人の視線は社会的な意味を持つため、注意を奪われやすいわけです。

ありきたりですが、自分の集中力の条件を知るために、集中を発揮できた時空間と、できなかった時空間を比較してみましょう。いろいろなことが見えてきます。

2.マルチタスクよりシングルタスク

個人差はあります。しかし、これは多くの人について言えることのようです。複数の仕事を同時にこなすよりは、一つのタスクだけに集中した方が、集中力が発揮できます。

一つ最近の問題として、たくさんの仕事を分刻みで片付ける仕事の仕方が続くと、タスクに集中するための時間がやってこないまま、次のタスクに移ってしまいます。これで集中力を発揮したり維持したりするのは難しいのですが、似たような仕事を一つの仕事として、ある程度(30分以上)続けてみるのも一つの手です。

3.雑務処理専用メモを持つ

雑務に心を奪われるのは、集中力を乱す大きな要因になります。1の「集中を途切れさせる要因の排除」と似ていますが、雑務というか、新しいタスクが横やりを入れる可能性を、完全には排除できません。

そこで、そのようなタスクを専用のメモに記録しておきます。すぐにその場で対処してもいいし、後ほど処理することにしてもいいわけですが、とにかく心の引っかかりを取り除くわけです。

メモはどんなものでもいいでしょうが、いつでもどこにでも持ち運びができ、ある程度一冊にまとまるものがよいでしょう。そして、タスク以外は書き込まない方がいいと個人的には思います。

4.Doingリストを使う

タスク中にタスクが割り込んできたら、これは雑務処理用ノートで処理するとして、タスク処理中に、処理しているタスクの内容や手順について、いろいろと書いておきたいことが出てくることがあります。これが、Doingリストになると、私は理解しています。

たとえば、原稿執筆中、プリンタのインクを買っておく必要を思い出したら、これは、雑務処理専用メモに記録することになるでしょう。しかし、原稿執筆中、後の方で書き加えたいアイデアを思いついたら、これを書き込むのはDoingリストになるでしょう。

要は、今やっていることに、認知リソースを集中すること。それを記憶に回さないことです。しかし忘れてはいけないことが出てきたら、適切なところに書き落とすことでしょう。

5.仕事のはかどる1時間を知る

私にとっては最近では、午前10:30から11:30あたりになります。ここを逃してしまうと、夜中までタスクが押してしまうのです。

こういう1時間を知っておくと、そこを意味不明な活動でみすみす失うことのないように、気をつけるようになります。これはほぼ100%自分のためになることですから、ぜひ押さえておきたい知識です。

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