Toodledoの使い方 第15回 管理におけるプロジェクトと実行におけるコンテキスト(後編)

カテゴリー: Toodledoの使い方

北さんの用語に従うなら、私は今のところ管理フェーズをOmnifocus、MindMeister、Evernoteのいずれかに任せてあり、Toodledoはもっぱら実行フェーズ専門です。そして北さんの言う「私のやり方」を一文で述べるなら、次のようになります。

1日というコンテクストを2時間ごとのセクションに分け、1セクションではルーチンを集中的にこなしていく

Toodledoの使い方 第14回 Toodledoのタスクはすべて完了させる

早速佐々木さんがご自身のやり方を書いてくださいました。(ありがとうございました!)コンテキストの使い方など佐々木さんのやり方を私がまねしているところもあるので、似ているところも多々あるかと思いますが、Folderの使い方であったりToodledoで実行を管理するタスクの粒度や管理する期間などには差異があるのではないかと思います。

私もまだまだタスク管理について試行錯誤しているところですので、佐々木さんのタスク管理の概念や手法について直接お話を伺ったり、上記の記事のように自分のやり方と比較して書いていただけるのは実に幸運なことであります。とはいえ、僕ばかりいい目を見るのも申し訳ないので、是非本連載をお読みの皆様も質問・疑問などをコメントするなりTwitterでつぶやいて頂ければと思います。

■WBS的にサブタスクを使う

サブタスクはPro版の機能なのですが、これがまたとても便利なのです。というのも、私はシステムエンジニアという職にあるため、タスクの洗い出しや細分化についてはWBS(Work Breakdown Structureの略)のアプローチによってしまうため、サブタスクという概念がとてもしっくりくるのです。

WBSでは、まずプロジェクトの成果物をできるだけ細かい単位に分解していく。その際、全体を大きな単位に分割してから、それぞれの部分についてより細かい単位に分割していき、階層的に構造化していく。成果物の細分化が終わったら、それぞれの部分を構成するのに必要な作業(一つとは限らない)を考え、最下層に配置していく。

WBSとは【Work Breakdown Structure】 – 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典

実際にToodledo上で行うタスク管理においては、本当のWBS程に細かく何度も細分化するわけではないのですが、おおよそタスクの粒度が文書なり資料なりのアウトプットに等しくなり、サブタスクはそのアウトプットができるまでの工程となります。

もちろん、工程に分けなくても実行可能なタスクも存在しますので、そういったタスクの場合は細分化を行いません。

■簡単にチュートリアル

簡単にタスクの洗い出し、細分化、実行計画、実行の流れを説明してみたいと思います。

洗い出し

まずはFolderビューでタスクを洗い出します。今回はサンプルなので1つだけですが、だいたいの場合「Add multiple tasks」から複数タスクを同時に登録します。



細分化

登録したタスクのうち、細分化できそうなものがあればAdd Subtaskからサブタスクを登録します。



実行計画

細分化したのち、各サブタスクの実行日を設定し・・・



カレンダービューでこの先1週間分のタスクリストの実行計画を立てます。先ほど登録したサブタスクは家に帰ってから夜やる作業ですが、すでに「e.夜1(18:00-21:00)」が3時間分のタスクで埋まっていますので「f.夜2(21:00-24:00)」に配置します。



実行

日次計画の際に今日実行するタスクにスターをつければ・・・



Staredリストが「次やることリスト(NextActionリスト)」になりますので、後はそこにあるタスクを実行あるのみ!



■シナリオの精度について

これはおまけですが、前回の佐々木さんの記事では次のようなくだりがありました

大事なことは、1日のシナリオの流れに必然性を持たせるためにも、各セクション内のシナリオに必然性を持たせ、セクションとセクションの区切りにも必然性を持たせることなのです。

Toodledoの使い方 第14回 Toodledoのタスクはすべて完了させる

実はこの部分に関して言えば、私のやり方は佐々木さんとは異なっているようです。

私は1日を3時間区切りの7セクションに分けているのですが、タスクをどのセクションで実行するかというシナリオを組むことはあっても、セクション内においてはシナリオを組むことはしません。タスクの粒度が佐々木さんに比べて荒いというのもありますが、日常の業務の中でその3時間の完全に自分のコントロール下におけなかったり(割り込まれる)、他人の都合で予定を左右されやすいため業務を定型化しづらいというのもあるかもしれません。



最後に

前回に引き続き「管理におけるプロジェクトと実行におけるコンテキスト」をお送りしました・・・が、今回は主にサブタスクの話になってしまいました。今回のチュートリアルの中で、プロジェクト(フォルダ)ごとにタスクを管理し、実行計画を練る中でコンテキストを設定し、実行に移すという大きな流れがあったことをご理解いただければ幸いです。

次回はこれまでもちょくちょくと記事中に登場した「GTD」について取り上げたいと思います。

▼今週の一冊

少し前ですが、以前シゴタノ!でも執筆されていたアライユウコさんが本を出版されました。タイトルは『いまの5倍楽しくなるEVERNOTEラクラク情報記録術』

本書を読んでいてまず感じたのが、EVERNOTEの初心者向けに「もっと気楽にEVERNOTEを使ってもいいんだよ」とアライさんがやさしく語りかけてくれている印象でした。

どうすれば情報を気軽に集め、活用できるかということが丁寧にわかりやすい言葉で書かれていますので、本書を読めば「EVERNOTEってなんだか難しそう・・・」と使うのを躊躇していた人も安心してEVERNOTEを使い始められるのではないかと思います。

今からEVERNOTEをはじめようと思っている方も、一度は挑戦してみたもののどう使っていいかわからずに使わず仕舞いになってしまった方にもお勧めの一冊です。


▼編集後記:




私の著書第2段のタイトルと発売日が決まりました。タイトルは『新時代のワークスタイル クラウド「超」活用術』。タイトルでピンときた人もいらっしゃるかと思いますが、出版社は倉下忠憲さんのEVERNOTE本2冊を出版したC&R研究所さんです。

今回の本は私の個人BLOG「Hacks for Creative Life!」をぎゅっと1冊の本にまとめた様な内容になっており、ビジネスパーソンがクラウドやiPhoneを使ってどう情報を集め、管理し、アウトプットにつなげていくかについてかなりガッツリ書いています。

あまりに書きすぎて、バッサリいくつかセクションが没になってしまったぐらいのガッツリ感なので、手に取るとずっしり来ること請け合いです。

クラウドやiPhoneをもっと仕事に生かしていきたいという方は是非一度本書を手に取っていただければ幸いです。



▼北真也:
仕事術をもっとカジュアルに! わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。

倉下忠憲、北真也
PDF: 226ページ


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