ストレスフリーの人間関係の作り方/今日からできる仕事術・第6回

カテゴリー: 人間関係の科学

By: 316th ESCCC BY 2.0


1.進化した脳の研究

大脳(大脳新皮質)の研究、つまり左脳と右脳の研究は、1970年代に画期的な進歩を遂げました。リジャー・スペリー(カリフォルニア工科大学教授・1981年ノーベル賞受賞)、ジョセフ・ボーゲンらの医者たちによって、画期的な事実がわかったのです。それは、左脳と右脳の働きが異なるというものです。

その後、脳の研究は進化を遂げ、左脳と右脳だけでは、人間の思考を解明できないことがわかりました。生命を司るほ乳類の脳である辺縁系を無視して、人間の思考を解析することの限界を感じたネッド・ハーマンは、左脳・右脳、辺縁系左、辺縁系右の機能を解明し、1990年代に入り、ハーマンモデルを完成させました。

2.人間関係のストレスに悩む現代人

人間関係のストレスに悩む現代人が、非常に多いのではないでしょうか。もしかしたら、全ての人が人間関係に悩んでいるといっても過言ではありません。あなたはズバリ、嫌いな人が何人いますか? 近くにいるだけでも嫌悪感が湧く人いませんか? 楽しい会話をしていても、その人の話題がでただけでいやな気分になることがありませんか?そんな人、必ず1人や2人はいるものです。

人間関係に疲れたアナタ。ちょっと今までの人間の見方を変えてみませんか。今よりもっと人間関係がラクになりますよ。悩むから人間、生きている証拠ですが、悩みは少ない方が気も楽になるでしょう。

3.人間分類の究極は4タイプ

4つの脳(左脳、辺縁系左、辺縁系右、右脳)のうち、どの脳を優先的に使うかによって、4タイプに分けることができます。ハーマンモデルでは、優先的に使う脳を「優位脳」と呼んでいます。

Aタイプは左脳とよばれる大脳新皮質の左側が優位脳で、論理的で数字に強い特徴を持っています。

Bタイプは大脳の内側にある辺縁系(ほ乳類の脳)の左側を優位脳に持つタイプで、秩序やルールを重視する特徴を持っています。

Cタイプは辺縁系の右側が優位脳で、感情や対人関係に優先順位をおきます。

そしてDタイプは大脳新皮質の右側、つまり右脳を優位脳に持つタイプで、想像や好奇心が大好きなやんちゃ坊主です。

なお、ABタイプ、ABCタイプなど、2つ以上の組み合わせもありますので、組み合わせによって15タイプに分けられます。

4.気が合わないのは、相反するタイプにすぎない

優位脳が同じタイプの人は、コミュニケーションを取りやすい関係にあります。一方、AとCタイプ、またBとDタイプは、極めてコミュニケーションが取りにくい関係にあります。気が合わないのは相反するタイプにすぎないと割り切ることが肝要です。

同じ優位脳を持つ場合、優先順位が同じため相手の意見に対して共感を持つことができます。たとえば、「この花きれいだね」というCタイプに対して、同じCタイプであればその意見に共感できます。一方、Aタイプであれば「花を買うのはもったいないよ」という反応を示し、Cタイプの気持ちを幻滅させてしまうのです。

5.あなた何タイプ? あなたの知人は何タイプ?

まず、自分自身が何タイプなのかを知りたいと思いませんか? ここでは簡単な判定法法のみをご紹介します。

「Why人間」は、Aタイプです。「なぜ」が口癖の人、なぜが気になる人は、ズバリAタイプの可能性大です。

「How人間」は、Bタイプです。「ルールや手段」にこだわる人で、過去の前例や上下関係にもこだわるのは、ズバリBタイプです。

「Who人間」は、Cタイプです。「だれが」という人の話題やウワサ話が好きな人は、ズバリCタイプです。

「What人間」は、Dタイプです。「目的」のためには手段を選ばない、自由奔放が好きな人は、ズバリDタイプです。

6.おわりに

最終回として、ハーマンモデルのタイプ分けをご紹介しました。わたしは10年前から実践で使っているため、人付き合いのコツが身についてきました。とても実践で役立っています。みなさまもストレスフリーの人間関係をめざしてください。

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  • 1.『仕事がデキる人になるための「始めの一分間」』

時間は1日24時間と誰に対しても平等ですが、同じ時間でも人よりパフォーマンスを上げる、またはムダな時間をなくすことで自分のやりたかったことを実行するなビジネスの場に限らず、誰かとあったときの第一印象というのは非常に重要なものです。第一印象で失敗をしてしまうと、そのイメージを払拭するのにとても時間がかかってしまいます。

その逆に、第一印象が良いとその後もとんとん拍子に事が進んでいきます。

そして、これは対人関係に限られたものではありません。何かを考え始めるとき、仕事を始めるとき、朝起きて一日を始めるとき、これらのときも最初の一歩次第でその後が変わってきてしまうのです。

本書では何かを始めるときに調子良く物事を進めるためのポイントを

  • 「なぜうまくいかないのか」
  • 「うまくいく人の習慣」
  • 「法則①」
  • 「法則②」
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の5つに分けて詳しく説明をしていきます。

いつもエンジンがかかるまで時間がかかってしまう、そう感じている人に読んでいただきたい一冊です。




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ストラテジー(戦略)といえばM.E.ポーター博士を置いては語れませんが、ポーター博士をご存知ではない方も多いかもしれません。しかし、好業績を上げている経営者や、経営コンサルタントの間では、ポーター博士の『競争の戦略』は座右の書として重宝されてきました。

本書では業界内外にある5つの競争要因を中心に「競争戦略」とはどのようなものかを、大学院教授と企業のマーケティング担当をしている社会人大学院生の二人の会話を通して説明していきます。

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  • 教授:「それなら、ポーター博士の『競争の戦略』を理解することが近道だよ。これから何回かに分けて話してあげよう」
  • 学生:「でも先生、そもそも、なぜ戦略が必要なんですか?」
  • 教授:「企業は競争にさらされているからだよ。そもそも競争とは何かから説明したほうがよさそうさだね」

(本書序章より)



▼西村克己:
岡山市生まれ、大学教授、経営コンサルタント。富士フイルム、日本総合研究所を経て芝浦工業大学大学院「工学マネジメント研究科」教授に就任。専門分野は、経営戦略、戦略的思考、論理思考、図解思考、タイムマネジメント、プロジェクトマネジメント。現在までに96冊の著書がある(累計180万部)。

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