不思議な拝み屋ノキバ
ここは東京某所ST電気第一ソリューション事業部。
クーラーが切れて纏わり付くような暑さの中、焼かれるような焦燥感に駆られながら中ベック君は嫌な汗をかいていた。
あれは3日前のこと・・
〜〜〜
ベック君:これぐらいの作業ならちょろいもんですよ!任せてください!
オオハシ部長:そうかい?最近仕事いっぱい抱えてるみたいだけど?無理しないでね。
ベック君:任せてください!新人時代の僕とは違うところをお見せしますよ。
〜〜〜
新人時代と変わらずベック君の見通しは甘かった。
オオハシ部長から引き受けた仕事が終わらないばかりか、タスクがどんどんと積み上がり、終わりが見えなくなっていた。「もうダメだ・・絶対に終わらない・・・」
ベック君の心の中は絶望感でみっしりと満たされていった。色々なことを引き受けていった結果、結局どれも中途半端になってしまう。ベック君はそんな自分に心底嫌気がさしていた。
XXX:お困りのようですね、ベックさん!
ベック君:その声は・・マスター!!
そこには黒い着流しに身を包んだマスターノキバがいた。
拝み屋ノキバ:いいえ、今日は拝み屋です。
ベック君:拝み屋ってなんですか?
拝み屋ノキバ:いわゆる憑き物落としをする人ですね。
ベック君:別に心霊現象なんて起こってないですよ。
拝み屋ノキバ:いえいえ。憑き物というのは心霊現象のことではないんです。
拝み屋はスッと手をあげ、印を組む。
カラン、カランと下駄の音がする。
拝み屋ノキバ:ベックさんは今、不安や焦りで潰されそうになっていますね。
ベック君:はい。もう先が見えない不安で押しつぶされそうです。
拝み屋ノキバ:魍魎、ですね。
拝み屋ははオフィスのなかを独特の歩であるく。
ベック君:その歩き方は一体?
拝み屋ノキバ:反閇です。禹歩といった方が分かりやすいかも知れません。まぁ、一種の清めの儀式ですよ。このオフィスには魍魎がウヨウヨいますからね。
ベック君はしばらく拝み屋を眺めていた。拝み屋はひとしきり祓いの儀式を済ませると一帖の紙とペンを取り出す。
拝み屋ノキバ:ベックさんに不安を与えていた魍魎はこれで祓えました。後は、これからやるべき事をこの紙に書き出し、1週間ほどさきまでの自分の時間の使い方を書き出してみてください。
ベック君:は、はい。
ベック君は半信半疑に紙を受け取ると、がむしゃらに自分のやるべき事を書き出した。心なしか気持ちが楽になる。次に、この先1週間の予定とやるべき事をウィークリーバーチカルの手帳に落とし込んでいく。
ベック君:えっと、この日は会議があって、3時間しか作業が出来ないから・・・ここをこうして・・・あれ・・
ベック君は意外にも自分が抱えているタスクが全て締め切りまでに終わらせることができそうなことに気づく。自分がやるべき事と、それをいつやるかを全て書き出したベック君の心からは「不安」の2文字は消えていた。
ベック君:おぉ・・不安がなくなった!凄い!
拝み屋ノキバ:やるべき事が曖昧だったり、先の見通しが立たないときには人は認知リソースが奪われるものなのです。ベックさんは先の見通しを立てる作業を行ったことで、認知リソースを解放したのです。
ベック君:なんだかよく分かりませんが、凄くスッキリしました!有り難う御座います!
ベック君がお礼を言うや否や、「ベックさん、この世の中で起こることには全て理由があります。不思議なことなど何一つとしてないのですよ。」という声を残して、黒い着流しに身を包んだ拝み屋は闇の中へと溶け込んで行った。
ベック君は慌てて後を追いかけるが、拝み屋の姿はどこにもなかった。オフィスの出入り口は、社員証を使わなければ開場することができない。一体拝み屋はどうやってオフィスに出入りをしたのか、ベック君は不思議でならなかった。
「マスターが一番不思議だと思う。」と呟いて、ベック君は仕事を再開した。
見通しを立てる方法とその効果
ストーリー中でベック君は自分のやるべき仕事が不明確で、更にはどの様にその仕事をこなしていくかの見通しが立たず不安で不安で仕方ない状況になってしまっていました。こういう状況は自分のやるべき事を明確にし、やるべき事をいつやれば良いかを明確にすることができます。
■書き出すことで認知リソースを解放できる
人は忘れてはならないことが頭の中に”だけ”ある場合に、認知リソースを大幅に奪われてしまいます。GTDが「ストレスフリー」と言われるゆえんは頭の中にあるやるべき事が全て頭の外に書き出され、信頼のおけるシステムに預けられているからです。
前回、前々回とToodledoでのタスク管理を取りあげてきましたが、これによって脳の認知リソースを解放することができるということは頭の片隅に置いておいて損はないでしょう。
タスク管理ツールを使う習慣がない、使うのが面倒という方は、まずは紙に自分のタスクを書き出して仕事をしてみるだけでも十分にストレスの軽減を実感できるのではないかと思います。
■手帳、Googleカレンダー、TaskChuteで見通しを立てる
タスクを書き出した段階で自分のやることは明確ですが、それらのタスクをいつやるのか?という「行動計画」を立てることで更に脳のストレスを和らげることができます。
Googleカレンダーを以下の様に予定とタスク(もしくは”デスクワーク”などもう少し粒度が荒い行動)を入れ込むことで、1日の時間の使い方を把握できるようになります。Googleカレンダーはカレンダーの表示/非表示を容易に変更できますので、行動計画と予定でカレンダーを分けておき、普段は両方のカレンダーを表示し、マンスリービューで予定だけを確認したい場合は行動計画のカレンダーを非表示にすると良いでしょう。
私は手帳のウィークリーバーチカルリフィルで1週間の見通しを立てるようにしています。タスクであれば、締め切りまで正味どの程度の時間が残されているかなどを把握することが出来ますし、新しいタスクや予定に対応するために、どの時間帯に空きがあるか?もしくはどこの予定を調整して空き時間を作るかなどを考える際にも役立たせることが出来ます。
同様にデイリーリフィルでもその日1日の見通しを書き込みます。
■見通しを立てなければ仕事を割り込ませて大丈夫かのジャッジができない
先ほども少し述べましたが、見通しを立てる作業を行っておかないと、作業が入ってきた際にいつなら対応可能かをジャッジすることができません。大橋さん謹製のタスク遂行ツールである「TaskChute」はそのあたりの設計が非常に秀逸で、タスクを一通り書き出しさえすれば、1週間の中でどの時間帯に空きがあるかを明確に把握することができます。
■最後に
今回は頭の中身を書き出すこと、先々の見通しを立てることで脳の認知リソースを解放することができるという内容について取りあげました。次回は、日次レビュー/週次レビューについて取りあげたいと思います。
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この水曜日に発売された11インチのMacBookAirを購入しました!今まで15インチのMacBookProを持ち歩いていたのですが、ついにあの超重量級のかばんから解放です(><)ノ
CPUとSSDをパワーアップさせたので、出荷まで少し時間が掛かるようですが、今から手元に届くのが楽しみです。来週以降はうちのブログのネタがMacBookAir一色になりそうです!
▼北真也:
仕事術をもっとカジュアルに! わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。