シゴタノ!ブックス ベスト10 2008年3月編

カテゴリー: ビジネス心理

今月も早いもので、月末になりました。
恒例の「シゴタノ!ブックス ベスト10」です。

まずは、第10位。

4478761051 マインドマップ(R)for kids勉強が楽しくなるノート術
トニー・ブザン 神田 昌典
ダイヤモンド社 2006-11-17

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私は今、「マインドマップを試している」段階にあるのですが、それを除いても本書は一読の価値があります。つまり、「マインドマップを学ぶ気」がなくても、本書を読んでみる価値はあると思います。

タイトルにもあるとおりで、「ノート術」というのは「楽しく」てもいいはずですし「効率的」なのもいいでしょう。つまり様々なものが、本来あるはずなのですが、私たちのノートはそれにしてはあまりに似たり寄ったりです。それが最善の方法であるのならいいのですが、本当にそうでしょうか?

そんな疑問を持つきっかけに、この本を「見る」だけでもなります。

つづいて第9位。

ザ・マインドマップ
トニー・ブザン 神田 昌典 バリー・ブザン
ダイヤモンド社 2005-11-03

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定番です。
言うまでもなく、第10位は子供向けであり、本書が本式版です。
少々読みにくいところがあるものの、やはり「子供向け」だけを読んで済ませるわけにも行きません。

個人的に「脳の豆知識」にはうなずけないところがあります。しかし、「なぜか夢中になれる」という意味で、試す価値はあります。実際、第10位の本もそうですが、ノートをとることに夢中になれるとしたら、それだけでも驚くべき事です。

そして第8位。

LIVE HACKS! [ライブハックス!]
大橋 悦夫
ゴマブックス 2008-04-22

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ご存じ、大橋悦夫さんが今月刊行された本です。
本書には、色々な読み方があります。私のように、大橋さんとの接触が頻繁で、その基本姿勢をよく知っている者にとっても、それなりの読み方があります。

本書はチップス集ではないということです。色々な「ワーク」が登場してきますが、それらはすべて連動していて、最後まで読むことで、一つの「ワーク・ライフ・スタイル」を身につけられるようになっています。そのスタイルというのは、大橋さん流儀の、「やらなければならないことをそのままに、やりたいことを付け加え、疲れ切らない方法」なのです。

第7位・セットで第6位。

豊臣秀長―ある補佐役の生涯〈上〉 (文春文庫)
堺屋 太一
文藝春秋 1993-04

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豊臣秀長―ある補佐役の生涯〈上〉 (文春文庫)
堺屋 太一

ここで採り上げる本としてはいかにも異色ですが、面白かったので紹介します。歴史小説、主人公は豊臣秀吉の弟で、補佐役の豊臣秀長です。

私個人はこうした本を読んで、「歴史から学ぶ」とか「戦国武将の生き方から、自分の生き方を見つめ直す」などということを、意識したりはしません。ただ楽しむクチです。そんな私ですが1つ教訓を得ました。

それは、すばらしいアイデアであったとしても、効果が自分にはっきりするまで、時間がかかるということです。まして、周囲の人々にまで浸透するには時間がかかります。信長と秀吉が進めた、当時としては画期的な「兵農分離」もそうでした。「楽市楽座」と並んで、私たちは「四字熟語」のように習うわけですが、アイデアがいかに妥当といえど、それを実現するにはそんなにたやすくいったわけではないのです。

中間地点の第5位。

心理学が描くリスクの世界〔改訂版〕?行動的意思決定入門
広田 すみれ 増田 真也 坂上 貴之
慶應義塾大学出版会 2006-05

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本書に関しては、とても残念なことがひとつあります。全く魅力的に見えない本なのです。

しかし、見かけの地味な印象に比べ、仕事からミクシィへ「つまずいて」しまったり、ぎりぎりになるまで仕事に手がつけられなかったり、意味不明なギャンブルに出てしまう人間心理の「妙技」を、方程式で教えてくれます

こうした本は他にもありますが、本書の良い点はかなり網羅的であることと、その割には平易に書かれていること。さらにはデータが信頼できる点などでしょう。見た目ほど読みにくい本では決してありません。

第4位。

腐ったバナナを捨てる法
ダニエル・T・ドルービン 小川 敏子
サンマーク出版 2007-12-05

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本書は、全体を通して「素晴らしい!」と言えるほどの内容ではありません。どこかで聞いたような話ばかりで、しかもやや抽象的です。

それでもこんなに上位で採り上げたのは、事例や言い回しがとてもこなれていたからです。この種の「励まし系自己啓発本」は、必ずしも「知識」や「方法」だけが重要ではないことの、よい証拠になっています。

賛否両論あるでしょうし、著者もそうしたことを目指して書いたわけではないかもしれません。ただ、精神的な方向付けは実に難しく、生活に大きな影響を及ぼしますから、ビジネス書には、「よいお茶うけ」も時には必要でしょう。

ここからベスト3。第3位。

ビジネスマンのための「発見力」養成講座
小宮 一慶
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2007-09-13

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本書は、大橋さんが所々で採り上げていて、読もうと思っていたのですが、なぜかスルーし続けてしまっていました。

そのことを大いに後悔することになったのは、直感をテーマとした本を上梓した後に、本書を読んでしまったからです。両者をお読みいただくと分かっていたけるかもしれませんが、私が言う「直感力」と本書で言う「発見力」にはかなり似たところがあります

もっと前に読んでいたら、参考にできるところがたくさんあったのに、と悔やまれます。そう私が強く思うだけに、私にとっては良書です。

第2位!。

思考の整理学 (ちくま文庫) (ちくま文庫)
外山 滋比古
筑摩書房 1986-04-24

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こちらは最近初めて読んだわけではなく、もっと前にも読んだことはありました。が、そのときにはいったい何を読んでいたのだろう…と思うほど、「再発見」の連続でした。

テーマの選択、発想法、ノート術、情報収集術、整理の仕方、文章の書き方。それらの「要諦」が、端的な言葉でもって、的確に示されています。

情報整理術でもなければ、発想の訓練法でもありません。思考の整理学です。

やってきました第1位!

前頭葉は脳の社長さん? (ブルーバックス 1546)
坂井 克之
講談社 2007-03-21

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第2位を押しのけて、ここへ今月入ることのできる本は、常識的にはあり得ません。この辺になってくると、正直なところ順位はかなり恣意的で、好み次第で入れ替わらざるを得ないでしょう。順位に佐々木正悟の性質が露呈しているわけです。

タイトルもそうですが、本書は所々、やや無用と思われる「読者サービス」と「おもしろ半分」がちりばめられています。しかし、内容は真剣そのものです。脳の、かなり難しいところまで、突っ込んでいます。

それがこのページ数で、一般読者にも、少なくとも「脳の本は初めて読む」というのでなければ、理解できるように書かれているのは、著者の博識のたまものです。日本の脳科学者では、茂木健一郎さん、池谷祐二さんの本が何と言っても有名ですが、本書も劣らずお勧めできます。

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