前回、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」について書いた際、いろいろ調べている中で見つけた以下の記事を熟読していた。
ミュージシャン必見の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」by大瀧詠一 | 鳥肌音楽 Chicken Skin Music
記事は以下のように始まる。
大瀧さんはBTTFを試写で観たとのことです。タイトルからははーんタイム・マシーンの映画ねぐらいの興味だったようですが、監督がロバート・ゼメキス、脚本がボブ・ゲイル、製作がスピルバーグという(大瀧さんお気に入りの)ビートルズが登場しないビートルズ映画「抱きしめたいI Wanna Hold Your Hand」と同じトリオによる映画ということで俄然興味を持ったということでした。
大瀧詠一:何よりも「抱きしめたい」とか「アメリカン・グラフィティ」とかと同じパターンの、過去の風俗や音楽などをうまく使った作品だということにびっくりしましたし、音楽を中心としたワン・シーンを、クライマックスにもってきたということに、ミュージシャンとして感心しました。
もう、このくだりを読むだけで、
- 「抱きしめたい」とか知らなかったし!
- そんなパターン見抜けたかったし!
- 感心しなかったし!(ミュージシャンじゃないから仕方ないけど)
といった、解像度の落差に唖然とさせられる。
同じコンテンツを目にしても、入ってくる情報量がぜんぜん違う。
経験を通して背景知識を持つことで、より多くの情報をキャッチできるようになる。
背景知識は、情報をキャッチするための網のようなもの。
その網の目が細かくなるほどにわずかな差異にも気づけるようになる。
知識の持ち合わせがない部分は網の目が粗いのですり抜けていく。
背景知識を持たない人は、網の目がいっさいない単なる「枠」でキャッチを試みることになる。
当然、何も引っかかることなくすべてすり抜けていき、何も残らない。
このとき人は「さっぱり分からない」と嘆くことになる。
そこで、まずは粗くてもいいからとにかく網を編む。
すると、わずかながら網に情報が引っかかるようになる。
「ちょっとだけ分かるようになってきたかも!」と手応えを覚える。
それが後押しになって、引き続きせっせと網の目を細かくする活動にいそしむようになる。
大事なことは、どんな情報を逃さずキャッチしたいと望んでいるのかを明確にすること。
どんな情報も漏れなく完全に網羅するほどの時間はないので。
ちなみに、今回の図(PowerPointで作成)は、以前タスクシュート・ジャーナルの中でまったく別の文脈で描いたものだったが、構造は共通しているので違和感なく使えた。
図を描いてみることは、網の目を細かくする上で役に立つと思う。
図の解像度と網の目の細かさは相関しているので。