「入浴を通して毎日を豊かに」というキャッチフレーズのとおり、疲労回復や睡眠改善のための入浴法を実践するためのサポートが得られる。
具体的には、最適なお湯の温度と量、浸かる時間を示してくれて、タイマーによるカウントダウンも行える。
ここまでは、「なるほど、そういうアプリね」というぐらいの認識だった。
それが、以下の通知を目にしたときに「うわっ」と驚くことになる。
入浴から90分が経過しました
その通知とは以下。
体温が低下し、眠りにつきやすい時刻です。布団に入り、横になりましょう。
通知からアプリを開くと、「予定されている入眠時刻」として、タイマーのカウントダウンが終了した時点から90分後の時刻が示されている。
自己暗示ならぬアプリ暗示的な心理作用もあいまってか、この通知を見た直後に眠気を感じ始めた。
「90分後って今なのか!」と気づく。
まだいろいろやりたいことは残っていたが、もしかするとこの機を逃すと寝つきにくくなってしまうのかも、ということで、いつもよりもかなり早い時刻に就寝。
結果、7時間24分も眠ってしまった(普段は6時間前後)。本来はこれくらい寝た方がいいと言われているので、これを普通にしたいところ。
iPhoneアプリ「Onsen」での入浴の実際
時計の針を入浴時に戻して、iPhoneアプリ「Onsen」での入浴の実際についてご紹介。
なお、大前提としてiPhoneを浴室に持ち込むことになるので、ジップロックに入れるなりの対策は必要。
で、今回試したのは、いくつか用意されている「入浴レシピ」のうちの「すっと眠りにつく」というもの。
「…続きを読む」をタップすると「入浴で眠くなる仕組み」等の解説が読める。
指示どおりに40度に調整。
ちなみにこの温度計は釣りの「浮き」のようにぷかぷか浮く。
あとは「入浴を始める」ボタンをタップして入浴開始。
カウントダウンが始まり、BGMが流れ始める(曲は選べる)。
アプリをバックグラウンドにしてもBGMは鳴り続け、もちろんカウントダウンも継続。
「gooニュース」を読みつつ、あっという間に15分。
「すっと眠りにつく」以外にも入浴レシピがいろいろ用意されている(まだ試していない)。
「知識として知っていてもなかなか実践できない」を実感
「寝る90分前に入浴をすませておけば、スムーズに入眠できる」という知識は以下の本をはじめ、複数の睡眠関連の書籍で目にしており、不意に抜き打ちテストがあっても(ないけど)、正答できる自信はあった。
でも、毎日のようにくり返している入浴においても、睡眠においても、この知識が実践に移されることは一度もなかったことに、恥ずかしながら今回「Onsen」で通知を受けるまで、気づかなかった。
以下の通知が届いたとき、「あ、90分後って今なのか!」と、初めて自分ごととして認識できた。
言い換えれば、どれだけ知識を集めても、自分の生きる「タイムライン」に置かない限り、素通りしていってしまう、ということ。
つまり、新たに手に入れた知識は自分が必ず通るところに、行く手を阻むように、割り込ませておく必要がある。
今回のアプリの通知はまさに割り込んできたからこそ「今なのか!」と分かり、「確かに眠い」という体感の後押しもあって、そのまま就寝に向かうことができた。
「知っている」と「できる」の間に横たわるミゾはさほど深くないはずだが、これを乗り越えるには慣性の重力を跳ね返せるくらいのパワーが必要なことに改めて気づかされた。