目標策定に四苦ハックの巻き
夏休み最終日、ベック君は家の近くのスタバで手帳とにらめっこしていた。見出し部分には大きく「目標」と書かれている。心地よいボサノバのBGMとは裏腹にべっく君の表情は曇っていた
ベック君 うーん。目標ったてどうやって立てりゃいいんだろう・・・
・TOEIC600点
・ITパスポート応用情報技術者
と書いてみたが、何かが違う気がしていた。こういう思いつき的な目標では駄目な気がするのだ。
xxx ベック君!
この展開に若干のデジャブを感じながら振り返ったその先には・・・
ベック君の予想(ジャージ姿のオオハシ課長)は外れ、高校時代の友人K君が立っていた。
K君 勉強してるの?えらいねぇ!
ベック君 いやいや、明日から仕事復帰だからね。ちょっと目標持ってがんばってみようかなとか思って、目標を書き出そうとしてたんだよ。
K君 へー、相変わらず変なところだけまじめだね!
ベック君 (棘があるなぁ)でも、どうやって目標立てたらいいかぜんぜんわかんないんだよね。
K君 どれどれ・・TOEIC600点ね・・・なんでTOEIC600点取りたいわけ?
ベック君 そりゃ、英語が出来たほうがいいじゃん。
K君 別に英語なんて使わないジャン。
ベック君 いや、でもほら・・・仕事で・・・つかわ・・・ないよねぇ・・
そのとき、ベック君の脳裏に一人の人物の顔が浮かんだ
そう、ほかならぬメホリ先輩だ。
ベック君は普段仕事で英語を使うことはめったにないが、英語に堪能なメホリ先輩は、よく技術標準(RFCとか3GPPとか)を読んだり、海外の技術書を読み込んではプロジェクトのメンバーにレクチャーを行っていた。
ベック君 そうか!分かった。確かに普段仕事をしているだけなら英語はいらないけど、一流の技術者になろうと思ったらやっぱり英語が出来たほうがいいんだ!
K君 な、なんだい急に。いや、でも何か突破口が見つかったんならよかったよ。
ベック君 ありがとう!なんかいけそうな気がしてきた。
K君 それじゃぁ、僕は彼女が待ってるからもう行くよ。がんばって!
ベック君は手帳に向かって自分がやりたいと思っていること、なぜそれをやりたいと思っているかを書き出していった。最後に書いた目標は・・
目標:今年中に彼女を作ること
なぜ:K君の去り際の言葉が羨ましかったから
がんばれ、ベック君。負けるな、ベック君。
目標策定のビギナーズ・ハック
前回は目標策定を行い、そこにいたるまでに何度も振り返って軌道修正を掛けて成長のスパイラルを構築しましょうというお話でした。今回は目標策定にフォーカスして、より効果的な目標策定について考えてみましょう。
目的と目標の策定
これは言葉のイメージからぴんと来ないかもしれませんが、目的と目標では目的のほうが上位概念になります。目標は「ゴール」であり目的はそのゴールを目指す「理由」というわけです。例えば、ベック君が友人K君との会話の中で気づいたこと、それはTOEICのスコアを伸ばしたいのは、目標であるメホリ先輩の様な一流の技術者になるために英語が必須だという「英語を勉強した方がいい理由」でした。
目標:TOEIC600点を取りたい
目的:最新の技術情報は英語で流れており、一流の技術者を目指すなら英語は必須だから
この目的の部分が曖昧では目標を達成するためのモチベーションを十分に保つことができません。目的なき目標にならないよう目標策定の際には「何故その目標を達成したいのか?」について確認を行うようにしましょう。
目標から週間目標への落とし込み
目標として望ましいとされる要素をまとめた「SMARTの原則」では「具体的で、計測可能で、達成可能で、成果に基づいていて、期限があること」が良い目標とされています。ただ、例えば「TOEIC600点を12月までに取る」という目標が如何にSMARTの原則に当てはまったとしても、その目標を達成するためにはどうすれば良いか?という部分については不明確なままとなります。
そこで、次に目標を行動レベルにまで落とし込んだ行動目標の策定を行いましょう。個人的なオススメは一週間ごとに目標から行動目標への落とし込みを行い、一週間毎にPDCAを回して次の週の行動目標に修正を加える方法です。
『7つの習慣』や『TQ―心の安らぎを発見する時間管理の探究』の考え方を元に作られたフランクリン・プランナーという手帳では、1週間のはじめにその人が持つ役割(父親、ビジネスマン、ボランティア・・など自分が持つペルソナ)毎の週間目標の策定を行います。今回の目標→週間目標のアプローチについてさらに突っ込んだ情報が欲しい場合はこれらの本も読んでみて下さい。
最後に
今回は目標策定の際に目的も併せて確認すること、目標から週間の行動目標へ落としこむことについてお話致しました。次回は実際に目標を達成するためにできる工夫について取り上げたいと思います。
▼今週のPick App!:
倉下さんの著書『Evernote「超」仕事術』にも取り上げられていましたが、Egretlistというサードパーティ製Evernoteクライアントアプリがあります。Evernoteのノートを作成・閲覧できるソフトなのですが、なんとEvernoteのチェックボックス付きのノートとしか同期しない”タスク管理ツール”なのです。
この度のアップデートでGoogleカレンダーとの同期ができるようになったので、益々タスク管理ツールとしての利便性が高まっています。現在Egretlistの活用法を研究しているところですので、また面白い使い方ができそうなら記事にしていきたいと思います。
» Egretlist
タスク分科会が9月頭、本会が9月下旬を予定しています。詳しい情報は来週あたりにお出しできる予定なので、またここで告知させて頂きまーす♪
▼北真也:
仕事術をもっとカジュアルに! わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。