早起きを始めた方から良く嬉しい感想をいただきます。中でも多いのは「朝は電話も鳴らず、人に話しかけられることもないから、じっくり集中できていい」「朝だと、仕事がサクサクすすむので気持ちいい」というものです。
これは確かに私も実感しています。しかし他人の邪魔が入らないという意味においては、朝も夜中も同じじゃないか、という意見もあるかと思います。ここで朝と夜の違いをあげるとすれば、私は次のようになると考えています。
- 夜は(あくまでも私の主観ですが)夜が明けるまで時間がたっぷりあるような気がして、のんびりしがち
- 朝は○時までに家をでなければならない、家族が起きる前にひと仕事しなければならない、というように、締め切りが近くに迫っているので、のんびりはしていられない
朝は無駄な時間を極力減らさないと、せっかく起きた時間に何の意味もなくなります。「朝早く起きると自動的に効率化できるようになる」のではなく、「朝早く起きたのなら、無理にでも効率化せざるを得ない」というのが事実でしょう。
せっかく眠い思いをして起きた時間。ぼーっとテレビを見てしまったり、ネットにはまってしまったりして、気づいたらいつもの時間になってしまい、結局バタバタ…という事態は避けたいものですよね。
そこで私が心がけているのが、「朝の二毛作作戦」です。
「二毛作」という言葉は、おそらく小中学生の時に聞いたことがあると思います。二種類の作物を、同じ土地で栽培することを言いますが、これを朝の身支度にも応用するわけです。
例えば私がしていることを挙げてみましょう。
- 朝起きてツイッターやSNSを見ながら顔にシート状のパックを載せて肌の手入れ (但し、その様子は決して他人に見せられないですが…)
- 化粧をしながら、朝食を作りながら、テーブルを片付けながらオーディオブックで耳勉強をする
- テレビを見る時は、同時にストレッチ
特にオーディオブックの耳勉強はオススメです。目や口を使っていても、耳は意外に空いている時間が長いので、ぼーっとしている間でも学べるので気に入っています。
もちろん、朝の時間までオーディオブックで勉強するのは疲れる、音楽を聴いたり、リラックスしたりする時間に充てたい、という方はそれでも構いません。「音楽を聴いてリラックスする」+「家事をする」という組み合わせも立派な二毛作ですし、私も音楽で気分を切り替えたりすることは多いです。
「この作業とあれを組み合わせたら二毛作になるかもしれない!」と、あれこれ考えるのもなかなか楽しいですし、頭の体操になるので発想が柔軟になりますよ。
私はいつもこのように発想の訓練をしているせいか、「早朝からミュージシャンを呼んでライブしよう」とか「朝からシャンパーニュ飲んで早朝忘年会しよう」とか、ちょっと飛躍しているけどワクワクする企画を思いつくのが得意です。
「朝から二毛作作戦」ぜひ工夫して自分なりの二毛作を探してみて下さいね。
株式会社セレブレイン 代表取締役社長の高城幸司さんがダイヤモンドオンラインに書かれた記事を読みました。
・「会議が朝8時開始に!? “朝活ブーム”で追い込まれるギリギリ社員」
この記事によると、朝型生活の価値観を他人にも強要するような方も一部いらっしゃるようです。こんなところで朝型と夜型に軋轢が生まれているとは、思いもよりませんでした。
高城さんも記事でおっしゃっているように、「仕事前に準備する余裕をもつこと」が重要なのであって、朝型が夜型かで対立することに意味はありません。
準備する時間&考える時間を作るための手段が早起き。私はそれがうまくできなかったから、早起きで時間を作ったというだけのこと。準備する余裕がある人が無理に早起きしなくてもいいのです。早起きだからって偉いわけでも何でもありません。早起きが目的化して、夜型を責める人がいるなら悲しいことだなーと感じました。
▼池田千恵:
前向き早起きエバンジェリスト。朝を有効活用してビジネスの基礎体力をつける「Before 9(ビフォア・ナイン) プロジェクト」主宰。