ランニングを10年継続し、習慣を続けるコツは続けようとしないことと改めて気づいた



ふと気づいたらランニングの習慣が10年続いていました。毎日欠かさず走っているわけではありませんが、現時点でランニングは僕にとっては生活の一部になっていると自信をもって言えます。

近所に駒沢公園という、ランニングするにはもってこいの環境にいるのに、ここに引っ越してきた当初は、しかし、駒沢公園は意識の外にありました。

もちろん、駒沢公園が近くにあるという事実は知っていましたが、関心領域の外にあったのです。

そんな中、今から10年前の2009年3月29日に不意にランニングを始めました。

もっとも、当日実行したのは「パワー散歩w/オーディオブック」(オーディオブックを聴きながら散歩する)というタスクでした(当時のTaskChuteより)。

ランニングという“成虫”の前段階の散歩という“幼虫”からのスタートだったわけです。

「ジョギング」失敗の記憶

記録を読み返していたら、これ以前にもランニングに挑戦したことはありました。

ランニングを始める1年半前の2007年12月4日(木)でした。その日のTaskChuteには「ジョギング」という20:22~20:31までの9分間のタスクがあり、

5分でリタイヤ。

というコメントが添えられています。「ランニング」ではなく「ジョギング」という言葉を使っていたのですね。

この9分間はドアツードアの時間のため、おそらく近所を何ブロックか走ってみて「ダメだこりゃ」と引き上げてきたのでしょう。おぼろげながら記憶があります。

駒沢公園にすら到達できていません。

さながら、ドラクエで最初のダンジョンに辿りつく前にスライムにやられた主人公のようです。

その後も記録を追ってみると、なんと翌日の2007年12月5日(金)にも「ジョギング(2days)」というタスクが見えます。「(2days)」とは2日ごとのリピートタスクというTaskChute独自のリピート記号です。

当時の自分は「ジョギングを習慣化するべく、毎日…は無理っぽいからとりあえず2日ごとにしよう」と考えたのでしょう。「(2days)」からはそんな意志が感じられます。

23:00~23:11と11分間実行し、

6分走った! 前回よりも心なしか足が軽く感じられた。

というコメント。

順調そうですね。

3回目のジョギングは、リピート設定に従うなら12月5日(金)の2日後の12月7日(日)になるはずです。

記録を見てみると、12月7日にはジョギングは行われていません。

そのままタイムラインを辿っていきます。

見つかりました。

3回目のジョギングは、12月21日(金)の20:24~20:48に行われていました。24分。けっこう長いですが、2回目から実に16日が経過しています。

しかも、タスク名は「ジョギング@(金)(repeats)」となっていました。毎週金曜の週次リピートタスクです。2日ごとすら厳しいと気づき、「せめて週に一度は」という苦渋の妥協が読み取れます。

コメントは、

6分ちょい。それにしても今回は貧血気味に。でもなんとかなった。

とあります。

6分で貧血。

24分と長いのは貧血からのリカバリーに時間を要したせいでしょうか。

翌日以降、「ジョギング」が実行されることはありませんでした、2009年3月29日に不意にランニングを始めることになるまでは。

おそらく「6分で貧血」というネガティブなイメージにやられて、“冒険”を諦めてしまったのでしょう。スライムにすら勝てないのに、りゅうおうを倒すことなど到底不可能じゃないか、と。

「ランニング」が続いた理由

2009年3月29日に始めたランニング習慣。

すでに書いたとおり最初は「パワー散歩w/オーディオブック」というランニングという最終形態から見ると実にプリミティブな第1形態(とでも呼ぶべきもの)でした。

その後、「パワー散歩w/オーディオブック」はどうなったか?

以下、実際の記録です。

3月はコンプリート

最初の3日ですが、とりあえず毎日続けられました。

4月は11回

4月は1日に休んでおり、この時点で「3日坊主」ですが、翌4月2日に復活。3日休んで4月5日から2日連続、という具合に断続的ながら続ける意志は感じられます。

そして注目すべきは、4月24日(金)です。タスク名が「散歩&ジョギング」に変わっています。これは、第2形態に進化したことを意味します。

記録を見ると、前日の4月23日(木)のコメントに以下のように書かれていました。

11:45から1時間、淀屋橋から大阪城まで走った。

記録によると、4月22日(水)から4月24日(金)まで大阪出張に行っており、中日の4月23日(木)は環境が変わった勢いで走ったようです。これがきっかけとなって、翌日4月24日(金)からはタスク名を「散歩&ジョギング」に変えたのでしょう。

5月は13回

5月は4月よりもさらに走る頻度が上がり、5月21日には第3形態「スロトレ&ジョギング」に進化、さらに5月31日には第4形態「ジョギング」に進化。

ここに来て進化が加速し始めます。

6月と7月はトーンダウンするも…

ところが、6月に入ると第3形態「スロトレ&ジョギング」に後退し、回数も6回に減り、7月にいたっては2回しか走っていません。

このままフェイドアウトするのかと思いきや、8月2日に突如として「長距離ランニング」というタスクが現れます。

もはやこれは最終形態と言っても良いもので、そう考えると6月と7月の停滞は言わば「サナギ」のようなものだったのかもしれません。

その後は「ジョギング」と「長距離ランニング」を交互に繰り返しながら、最終的には「ランニング」を毎日行う最終形態に到達。

現在は週に2~3回ほどの頻度に落ち着いています。

途切れても、やめなければOK

最初の取り組みにおける失敗は、いきなり進化の最終形態を目指したところに原因がありそうです。また、その過程で得たネガティブな印象が拭い去れなかったことも大きかったでしょう。

一方、2回目の取り組みにおいては、第1形態から地道にスタートしたことが勝因となったことは明らかです。

そして、今回振り返ってみて気づきました。

「途切れても、やめなければOK」

これが習慣を続けるコツなのだ、と。

当たり前に聞こえるかもしれませんが、続かないということは続けようとしているからであり、続いているということは続けなくてもいい(途切れてもOK)と受け入れているからである、というパラドックスがそこにはあるのです。

参考文献:

佐々木正悟さんの『やめられなくなる、小さな習慣』に、

なにもしないという選択肢だけは封印する

という一文がありました。

今回の例で言えば、ランニングができないならまずは散歩からでいいじゃないか、とハードルを下げることで「なにもしないという選択肢」をしりぞけていたわけです。

なるほどです(我ながらw)。



▼「続ける仕組みの作り方」の新着エントリー

» 「続ける仕組みの作り方」の記事一覧
スポンサー リンク