仕事がブラウザのなかで出来るようになってきた今だからこそ、ブラウザは速度で選びたいものです。
長い間、ふだんのブラウジングには Firefox を利用し、Google Wave や Google Docs のようなウェブアプリには Safari という具合にブラウザを使い分けてきましたが(リリース当初の Google Wave と Firefox は相性が悪かったためです)、Google から発表されたブラウザ、Chrome によってその両者を統合できるようになってきました。
Google Chrome は Firefox 同様、デフォルトのままでは機能が限られていますが、充実した拡張機能を利用すれば Firefox と同様、あるいはそれ以上に使うことができます。なにせ体感速度が違います。
まだ Mac の正式版の Chrome では拡張機能は利用できませんが、開発者用の Dev Channel リリースを利用すればそれも可能になります。そこで今回は、Chrome で作業を加速させる、最近手放すことができない拡張機能を8種類ご紹介したいと思います。
Evernote
これがなくては、もうウェブのブラウジングなんて出来ないのが Evernote のクリッピングツールです。動作は Firefox 版とほぼ同じで、現在いるページでアイコンをクリックすれば、そのページを自動的に Evernote に送信してくれます。Evernote を覚えてからはソーシャル・ブックマークをすっかり利用しなくなってしまいました。
Google Mail Checker
GMail に何通のメールが届いているかを表示してくれる拡張機能です。メールが届いた瞬間にアイコンがくるっと回転する動作が、注意力をほんの少しだけひきつけてくれますので、作業が邪魔されずにすみます。
Google Wave Notifier
Google Mail Checker に似ていますが、Google Wave はメールとは異なりチャットのような性格を持っていますので、更新のつどに通知があると多すぎることがあります。この拡張機能は、30 分に一度というように、設定した頻度で Google Wave に更新があったかどうかを調べて教えてくれます。
XMarks
ブックマークやブックマークレットをたくさん使う人にとってなくてはならない拡張機能が XMarks です。XMarks アカウントを取得してこの拡張機能を利用すれば、Firefox、Safari などと常にブックマークを同期しておくだけでなく、複数のコンピュータ間でも情報を一致させることが、ユーザーの側で特に意識することなしにできます。
VerticalTabs
ブログを書くための情報収集などをしていると、気づけばあっという間にタブが 20 近く開いていることがよくあります。こんなときにタブの一覧表を表示して、切り替えや並び替え、そして閉じる動作を軽快におこなうことができるのが VerticleTabs です。キーボードショートカットにも対応していますので、タブをたくさん使う人にはたいへん便利です。
似た拡張機能に、Tab Menu がありますね。
Google Quick Scroll
Google ならではのちょっとかわった拡張機能です。たとえば検索結果が Wikipedia のエントリのように、とても長いページの一部だった場合には、ページを開いてもまず目にするのは関係ない箇所である可能性があります。そんなとき Google Quick Scroll がインストールされていると、右下に小さなポップアップが表示されて、1クリックで検索結果にもっとも関係する部分にスクロールすることができます。
Google Similar Pages beta
検索をして開いたページが「近い、でもちょっと違う…」という場合にこの Similar Pages を利用すると、ページの内容から関連性の高いウェブサイトを自動的に判別してサムネイル表示してくれます。検索ワードでなかなか探している情報に絞り込みができない場合にとても便利になります。
Google Tasks
ちょっとした Doing List を作るのに重宝している GMail Tasks 機能に拡張機能アイコンからすぐにアクセスできます。
もちろん、もっと高度なタスク管理をおこないたいのであれば、Remember The Milk や Toodledo の簡易な拡張機能も用意されています。
番外編:1Password ブックマークレット
まだ Chrome に登場していない最後のピースが、1Password を利用したパスワード管理の拡張機能です。同様のパスワード管理は LastPass という拡張機能でも実現しますが、どうしても 1Password が利用したいという人はこちらの情報を参考にして、1Password 3 を Chrome で利用するブックマークレットをインストールすることができます。
まとめ
もちろんこれらの拡張機能は Mac だけでなく Windows の Chrome でも利用可能ですので、正確には「これから Mac」という話題ではないのですが、これほどまでにブラウザ同士の距離がプラットフォーム間で近づいているというのは、数年前から比べて大きな進歩だと思います。
日を追うに従って、Windows と Mac OS X の境がぼやけてきているのは、プラットフォームを選ばないワークスタイルがそれだけ実現しているということでもあります。
Chrome は Chrome OS の中核を担う技術でもありますので、今後とも注目したいですね。
▼最近気になっている一冊:
思い立って、新年から実際の仕事と生活にも役に立つかもしれない古典の読書を続けています。最初に選んだのは兵法の古典である『孫子』でした。
多くの場合、『孫子』は「戦争にいかに勝つかを著した書物」と解されますので、解説書も「孫子で勝ち抜く」「孫子でライバルに差をつける」という具合に紹介することが多いのですが、あらためて読み直すとこれが一筋縄でいきません。
そもそも冒頭からして「戦争を行うのは下策で、戦わずして勝つのが上策」としたうえで、「いかに負けないようにするか」という視点での形勢を読み解くための知恵が次から次へと紹介されています。
『孫子』には無敵の戦いを演じる方法は書かれていませんが、予想外に目を配り、状況に応じた機会を捉え、来るべき未来に備えるためのヒントが散りばめられています。
未来はいつも不確定で、いつも物事が理想通りにいくとは限りません。だからこそ、険しい山肌で正しいルートを探す道しるべとしてこうした実際的な知恵の本が廃れることなく読まれてきたのでしょう。
現代語対訳で読めばそんなに難しい本ではありません。原文でいかがでしょうか?
最近、本業の作業をいつでもどこでも進めることができるように、2.53GHz、8GB メモリ、256GB SSD ドライブの Macbook Pro を導入しました。
8GB メモリの効果で Pararells で Windows 環境がストレスなく動作するだけでなく、256 GB SSD ドライブのおかげで再起動にかかる時間は 20 秒を下回りました。もちろん、HDD がないので静かです。
お値段もそれなりにしてしまいますが、その後のストレスを考えるならこうした投資もよいものだと思う…のは Mac 病の重症例でしょうか?
▼堀 E. 正岳:
「これからMacを始めたい人」を徹底ガイド。Lifehacking.jp主宰。