1つのことに集中できないのはなぜか? マルチタスクの誘惑に打ち勝つ方法

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ほぼすべてのタスク管理術は、マルチタスクを進めていない。GTDであれ、マニャーナの法則であれ、タスクシュートであれ、やるべきこと1つに集中するよう、ハッキリとすすめている。

ほかのことにいっさいわずらわされず、やるべき作業に100%集中できるとしたら、どんなに素晴らしいことだろう。

それは不可能だろうか。いや、そんなことは断じてない。(p.26)

マルチタスクの誘惑に打ち勝つ方法

成功への王道は「一事に集中し、できたら次に進む」という方法です。(Kindleの位置No.440-441)

タスク管理ツールを見ればわかることだが、あるタスクの実行中、他のタスクをするように促してきたり、割り込みをどんどん受け入れるようになっているツールは、まずない。

そもそも「リスト」になっているということは、順番にやろう! ということに他ならない。順番にやるつもりが全然ないなら、リストにするということ自体が矛盾しているし、割り込みは事前にリストアップできないものだ。

むしろ、ほぼ唯一「割り込みにワンタップ、またはワンクリックで対応できる」たすくまやTaskChute Cloudが「割り込みに対応できないタスクシュート」とされているのは、悲しい皮肉である。

マルチタスクという幻想を捨てて、どんなに時間が押していても、締め切りまでの日数が足りなくても、今できることに集中するよりいいやり方はない。

にもかかわらず、GTDの有名な冒頭の部分があっさり無視され、マーク・フォースターが読まれてもマルチタスクがあきらめきれず、「タスクシュートは割り込みに対応できないからダメだ」とまで批判される、それほどマルチタスクに未練が募るのは、なぜだろう?

マルチタスクの誘惑に負けてしまうのは、たいてい、他者の期待や要求に応じねばならないという義務感に駆られているときだ。 すると本来、自分が優先したいと思っていたことを後回しにしてしまう。そんなとき、あなたのなかにはたいてい「相手に高く評価されたい」という欲望があり、それが不安感を引き起こしている。

つまり、ずっと不安が続いているのだ。

マルチタスクに埋没することは、「自分は対処しなければならないことにいっせいに対処している」という事実を作りだすことで、心の中を埋め尽くし、不安を紛らわすことにつながっている。

本当はもっと早くから手がけておかなければいけなかったことに、なぜかまったく手がけてこなかったというような仕事とその罪悪感から逃れたいのである。

言うまでもなくずっと放置されていた仕事というのは、その前に締め切りを超過している仕事にかかりきりになっていたせいで、そうしたことになっている。これは連鎖反応である。

このような連鎖は断ち切る必要がある。

次にやる仕事から、一時に一つずつ、わずか15分でも他のことに気を散らされることなく、専心するところから始めることで、それが可能になる。

タスク管理とは、そのための方法論である。

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