アドバイスがうまくなりたい人へのアドバイス

カテゴリー: 発見の記録

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2ヶ月ほど前に、ある方(Sさんとします)からアドバイスをもらい、その通りに行動したところ、きちんと結果が出た、ということがありました。Sさんがそのアドバイスに添えた一言が印象に残っています。

そのひと言とは、次のようなものでした。

どうしてそうなるのかを客観的には説明できないが、経験上そうなるので。

アドバイスを言われる側は言われたときには完全に理解できたり納得できたりすることはないが、とにかく言われたとおりに実行すると、結果が出る。

これは「アドバイスあるある」の一つだと思いますが、アドバイスを言う側にも同じことが言えると感じています。

「経験上そうなるから」としか言えないケースです。

もちろん、はずれることもあるでしょう。でも、アドバイスを求める側としては、根拠があろうがなかろうが、納得できようができまいが、とにかく経験者の言葉を前もって聞いておきたい、という気持ちがあります。

「Sさんは、こういうときどうしますか?」

という質問はまさにその気持ちからくるものです。

アドバイスで行動を促す

そう考えると、アドバイスを言う側、言われる側いずれにおいても、このアドバイスというものを「行動」に転換できるように位置づけるのがよさそうです。

望ましいのは、

それぞれの指標にすることです。

避けたいのは、

することです。

特に、言う側が「納得のいく説明が思いつかないから」という理由で口に出さずに終わってしまうのは非常にもったいないことだと思うのです。

「自分だからうまくいったのでは?」を乗り越える

「納得のいく説明が思いつかない」ことについて、もう少し考えてみます。

ここには省略されている一文があります。それは、以下です。

つまり、いま手にしているアドバイスは「自分としてはけっこういけている」と考えているのです。

そうなると、問題は「自分以外の人にも同じ効用があるか」です。

結論からいえば、「試してみないとわからない」ということになります。

従って、とにもかくにもそのアドバイスを差し出してみるのが良いでしょう、「同じ効用は保証できないけど、少なくとも自分には効果があったので」という心の中での前置きをしたうえで。

こうして、いろいろな人に同じアドバイスを出し続けることによって、どういう人に効いて、どういう人には効きにくいのかの傾向が見えてくるでしょう。

それが見えてくれば、以降は「少なくとも、○○な人には効き目があります」という具合に、実績をもとにアドバイスの精度を引き上げていくことができます。

よいアドバイスができる人というのは、当然ですが、アドバイスの試行回数が多い人であるはずです。

ブログを書くというアドバイス

僕自身「納得のいく説明が思いつかないから」という理由で、自分が実践しているノウハウの紹介を控えることがあります。けっこう頻繁にあります。「もう書けることは何も残っていない…」という焦りと不安を覚えます。

つまり、「ブログを書くこと」と「誰かにアドバイスをすること」は非常に似たところがあると思うのです。

似ているというより、同一のものと言ってもいいでしょう。

ブログを書いていればアドバイスがうまくなり、アドバイスをくり返していればブログがうまく書けるようになる、というように。

ブログを躊躇なく書くためのアドバイス

ところで、この「ブログとアドバイスの類似性」については、この記事を書き始めた時点では思い至っていませんでした。純粋に「アドバイス」についての記事を書くつもりで書き始めたら、自走し始めました。

まさに以下の記事で書いた内容を地で行く展開です。

» 書く前に考えていなかったことが書けると、楽しい

文章それ自体が“使命”をハッキリと自覚したとき、文章は自ら走り始めるわけです。

そして、この記事でも引用した『いますぐ書け、の文章法』の以下の一節。

だから、書くしかないのだ。

つまり、私の説明してることを、あなたも実際に体験してみるしか、文章をうまく書ける方法はない、ということだ。

だから、とにかく書け、なのだ。理屈を学んでる手間で書け、ということ。(p.166)

これこそまさにアドバイスですね。

» いますぐ書け、の文章法 (ちくま新書)


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