「通知」や「メール」をタスクリストにしない



最近ではあまり聞かなくなりましたが、「メール」の受信トレイを「仕事場」にしてしまうという仕事術がけっこう流行ったことがありました。

受信トレイをタスクリストにしてしまうわけです。

そうすれば、人からの依頼が自動的にたまるのでいちいちタスクを入力する手間は省けるし、自分にメールを出せば用事も追加できる、というわけです。

この部分だけでも私にはちょっとひっかかるところがあります。

「タスク入力が手間」だから他人から自動的に送られてくるメールがいいという一方、結局それだけが仕事ではないから自分で自分にメールを送る。それなら、たいていのタスク管理ツールの手間とあまり変わらない気もします(タスク管理ツールへ、受信したメールを転送する設定を1つかませれば、同じことになります)。

しかし、メールの受信トレイをタスクリストにすることの最大の不都合は、どうやってもそれが「クローズリスト」になるはずがないことです。

役立つチェックリスト、放置されるToDo

ToDoリストはとにかく放置される。
ToDoリストの活用は難しい。
だからチェックリストを使おう。

そう提唱したのは、『マニャーナの法則』のマーク・フォースター氏。

これだけ聞くと、チェックリストとToDoのなにがちがうんだ!? と思われるかもしれません。

しかし、仕事のために作ったToDoのことをちょっと思い浮かべてみてください。人によっては、パソコンの小脇の付箋メモなどにいつか書いたToDoが残っているかもしれません。

チェックリストというのは、典型的には旅行の持ち物リスト。それも用意したことがない人でも、遠足のしおりなら使ったことがあるでしょう。

オフィスの付箋のToDoにくらべ、遠足のしおりのほうが役に立った。そういう実感をお持ちの方が多いと思うのですが、なぜそうなるかというと、

などといった特徴を備えているからです。

メールの受信トレイに、こういう特徴を持たせられるはずがありません。メールの受信トレイが「クローズ」されるなら、もはやメールではなくなります。それに、メールには全く不要なメールが頻繁に入ってきます。

その上悪いことに、メールの受信トレイを仮に「空っぽ」にしても、それで「今日の仕事が終わった!」と思えるようにするのは、決して簡単ではありません。この「今日1日分に区切りをもうける」ことが、長く仕事を進めていく上で大事なコツなのです。

タスクリストを、「今日1日分のチェックリスト」にすることです。

ということは、

  1. そのリストだけで、今日という1つの仕事が完結するように組む
  2. 今日やる必然性のあることだけのリストにする
  3. 今日分の仕事に追記を認めがたいルールにする

必要があるのです。

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