仕事には「やりたい仕事」と「やらなければいけない仕事」の2種類があります。くっきり分けられないにしても、「どちらかといえば、やりたい仕事」という風に振り分けていけば、いずれかに属することになるでしょう。
転職をして新たなキャリアを得たり、資格にチャレンジをして専門職に就いたとしても、そこで生まれる仕事のすべてが「やりたい仕事」であることはまれで、不本意ながらも必ず1つや2つ「やらなければいけない仕事」が出てきます。
小学校時代に、クラスが変わってやっと「イヤな奴」と離れることができたと思って安心していたのもつかの間、新しいクラスにもやはり「イヤな奴」がいることに気づいて暗澹たる気持ちになるのと似ています。
でも、一見「イヤな奴」であっても、ちょっとしたきっかけで話してみたら実は共通の趣味を持っていることがわかって、思いのほか「イイ奴」だったりすることも少なくありません。つまり、なかなか手が付かない「やらなければいけない仕事」も、視点を変えてみたら、あるいはやり方を変えてみたら「やりたい仕事」に変わる可能性もあるわけです。
とはいえ、無理矢理「これは私のやりたい仕事なんだ!」と自分に言い聞かせるのはやせ我慢でしかなく、従って長続きしません。「イヤな奴」とはそうそう簡単には仲良くなれない、つまり、お互いの間に立ちはだかっているバリアを突き破るという試練を乗り越えない限り友情が生まれないわけですから、ここは長期戦でがっつりと取り組むのが良いでしょう。
そこで、日々の仕事を終えた時に、以下のような基準でその日の全タスクの“勝ち負け”を評価して「勝ち負け表」を作ってみるのはどうでしょう?
●やりたいと思っていたことができたら → ○
●予定外の飛び込み作業でも、それが自分を活かせるものだったなら → ○
●先送りしがちな仕事を早く片付けられたら → ○
●不本意ながら仕方なくやった作業は → ×
●予定時間を大幅にオーバーした作業は → ×
●どちらとも言えないものは → △
気分的に「今日はいい日だった!」とか「今日は全然ダメだった…」といった所感を持つのとはまた別の次元で、
「今日は8勝3敗7引き分けか。まずまずだな」
「今日は5勝6敗で負け越しだった。明日はもう少し勝てる仕事を組み込もう」
といった“試合結果”が手元に残ることになります。数字で表されるので、たとえそれが統計的には意味をなさないものであったとしても、自分の成した仕事がいったいどんな風であったかを知る上で役に立つ手がかりになるはずです。
そこで、試しに昨日1日のすべてのタスクを振り返ってみました。結果は、19勝5敗3引き分けでした。シェアは以下の通り。
○:70.4% ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
△:11.1% ■■■■
×:18.5% ■■■■■■■
ふたを開けてみると圧倒的な勝利で、自分でも意外だったのですが、ここで【○:勝ち】タスクのベスト3をピックアップしてみると、
1.シゴタノ!のエントリー(67分)
2.あすなろBLOGのエントリー(40分)
3.日経ビジネスオンラインのエントリー(30分)
ということで、すべてブログが占めました。逆に言えば、これ以外のタスクは淡々とこなしたか(△:引き分け)、仕方なくやり過ごしたか(×:負け)のいずれか、ということになります。
そして、かかった時間のシェアは以下の通り。
○:7.71時間(57.4%) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
△:1.03時間( 7.7%) ■■■
×:4.07時間(35.0%) ■■■■■■■■■■■■■■
タスクの数としては2割弱だった【×:負け】タスクですが、時間にすると4割弱となります。これは、【×:負け】タスクは1つあたりにかける時間が長い、すなわちだらだらやっている可能性が高いということになります。逆に言えば、【○:勝ち】タスクは、タスク1つあたりの時間が短い、つまりサクサクこなしている、と考えられます。
実際も、【○:勝ち】タスク1つあたりの平均時間が0.4時間(24分)だったのに対して、【×:負け】タスク1つあたりの平均時間は0.9時間(54分)と2倍もかけていることがわかります。
この結果からいろいろと考えられることはありますが、とりあえず以下のような仮説を立てることができました。
1.だらだらやってしまうということは、ゴールが明確になっていないからでは?
( → あいまいなゴールはスピードを奪う?)
2.【×:負け】タスクには、まだ分割の余地があったのでは?
( → 大きすぎるゴールはやる気を奪う?)
3.夕方以降に失速(=×のタスクが増えた)したので、タスクの並び順を変えては?
( → 失速ポイントは予測可能では?)
今回ご紹介した「勝ち負け表」は今日このエントリーを書きながら思いついてやってみたことなので、今後しばらく続けながら様子を見てみたいと思います。