気の重い仕事は、いつやっても気が重いのですが、それを成し遂げるのに最も適した時間帯は、基本的には「1日の最初に仕事に手がける時間帯」なのです。
でもそうは思えない。なぜなら「気が重い」から。もう少し「気が軽くなるタイミング」がどこかにあるのではないか。と思いつつ1日を探っていく内に、重い仕事がますます重くなっていってしまって、最後まで終わらないか、翌日に持ち越すことになりがちです。
「気が軽くなるタイミング」はどこにもない。ということを「科学的」に理解すれば話が早いのです。そうしたのがロイ・バウマイスターという心理学者です。
バウマイスターは「自我消耗」という用語を使ってこのことを説明しています。すなわち「自我=心理エネルギー」は起床後が最大であり、その後一貫して減っていく。
WILLPOWER 意志力の科学 | |
ロイ・バウマイスター ジョン・ティアニー 渡会圭子
インターシフト 2013-04-22 |
睡眠によってガソリンを満タンにして、その後走り回る車のようなものだと考えればいいでしょう。だから起床後が「MAX」で、その後は減るばかりなわけです。
人間の「心理エネルギーの補給レベル」をゲージで示してもらえばこのことははっきりわかるわけですが、あいにくとそんなものはないので、私たちはつい「今より元気な時があるのではないか?」とか「今よりエネルギーが多いタイミングがあるのではないか?」と、科学的には不毛な希望を抱いてしまうわけです。
カエルを先に食べる時に意識するべきことは、こうです。
「確かにこの仕事は気が重い。でもこの後気軽にこの仕事ができるタイミングはない。それどころかもっともっと気が重くなるしかないのだ」と。
これは「単純に、やるかやらないかだ」と考えろということではありません。そうではなくて、「一番ラクをするとしたら、今やることだ」と認識するべきだという話なのです。
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好評をいただいている「タスク管理ビギナーズ」。
今回は、時間を延長し、3時間を使ってお届けします。
場所が、いつもとは変わりまして、白金台ですのでご注意下さい。