相手の本音を見抜くためのヒント

カテゴリー: 人間関係の科学

引き続き、日経ビジネスアソシエの1月17日号の特集「あなたの潜在力を開花させる?見抜く技術」より。昨日は、メタ認知によって自分の推論や判断をシャープにしていけば、同じ失敗を繰り返さなくなる、という話でした。

そこで今日は、ちょっとクイズ。以下は特集ページに掲載されていた事例です。

上司の本音を見抜くポイント


部下の本音を見抜くポイント

これらは、言動から相手の心理をを見抜くためのコツで、ほかにもいろいろと例が挙がっていて、読みながら「なるほど」を連発してしまいました。

相手の言葉と態度は別物

僕自身も相手の言葉をそのまま受け取って失敗したことが何度もあります。

例えば、ある年の暮れに仕事が一段落して納品が終わったあとにお客様から「今回はありがとうございました。また来年の春ぐらいに次の案件が始まるので、またお願いしますね」と言われて、内心「よっしゃ!」と思っていたのですが、年が明けて桜の便りを聞く頃になっても一向に音沙汰がありません。そして、GWに入った頃になってようやく「あぁ、社交辞令かー」と気づいてガックリしたことがあります。

まぁ、こちらから連絡をしなかったのもよくないのですが、それ以前に最初の仕事の成果に対して満足いただけてなかったということに早く気づくべきでした。相手の立場に立って考えれば、満足しているのであれば、また仕事を頼みたいでしょうから「来年の春ぐらいに」などとあいまいなことを言ってぼかさずに「×月下旬から始まるので」明言するでしょう。それこそ「スケジュールを空けておいて下さい」と言わんばかりに。

また、こちらとしても仕事が進行している最中から今のやり方で問題がないかどうかをこまめに確認すべきだった、とも反省しました。そのためには、最終的な仕上がりをイメージしてもらいやすいようにドラフト段階の原稿やサンプルプログラムといった中間成果物を出しながら様子を探る必要があります。

それも、メールや電話ではなく、実際に出向いて相手の態度や目線の動きなど言葉に現れないノンバーバルな部分に注目します。相手の振る舞いとそれが意味する本音の組み合わせのパターンをたくさん取り入れて、さらに自分のスタンスとも掛け合わせて総合的に判断します。

例えば、自分が「けっこう自信があるぞ」と思って納品しに行った時に、相手から笑顔が出るような場合は「もしかするとこちらの自信に同調しているだけかも」と警戒します。逆に「やっつけ仕事」になってしまっておそるおそるな時に、先方がたいして表情を変えずに淡々としている場合は、意外と満足していることが多いような気がしています。

もちろん、パーソナリティに依る部分が大きいので一概には言えませんが、重要なのが自分の態度や言動が思いのほか相手のノンバーバルな部分に影響を与える、ということ。こちらがうれしそうにしていれば相手もつられて(内容はどうあれ)笑顔になったりします。

そんなこともあり、相手のフラットな反応を見るために「自信たっぷり」でもなく「おそるおそる」でもないニュートラルなモードで臨むようになりました。

また、判断の正しさを確認する手段として電話をする、という方法があります。

目白大学の渋谷昌三教授によると、

時々、発言内容と態度(表情や仕草、声の調子など)が一致しないケースがある。提出した企画書を見て「いいね」と言った上司の目がそっぽを向いていたり、口調が素っ気なかったりといった場合だ。

「このような時は、態度の方が本音である場合が多い。本音を確認したいのなら、外から相手に電話をしてみたらいい。電話で話すと本音が出やすい。もしくは薄暗いところで話すと、相手の『とりつくろい』が取り払われるため本音が出やすいものだ」

とのこと。

このように実際の言動の確認に加えて、電話によるダブルチェックをすることである程度は本音を見抜けるような気がします。もちろん、独り相撲で「やっぱりダメか…」と早々に諦めてしまうのももったいない話ですので、仕事の優先順位を決める時の参考にする、という程度に活用するのが良いと思います。

最後に

最後に冒頭の答えを書いておきます(冒頭でも黒塗りの部分を選択することで答えを見られます)。

上司の本音を見抜くポイント


部下の本音を見抜くポイント

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