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先週に引き続き、タスクシュート時間管理法の基本概念である「時間のシミュレーション」について書くことにします。
» タスクシュートの基本コンセプトを理解して時間不足を解消する
前回のおさらいです。
タスクシュートの基本機能は、次の3点に集約できます。
- 備忘録
- 行動ログの活用
- 時間のシミュレーション
上2つについては先週書きましたので、最後の「時間のシミュレーション」について考えます。
簡単に見積もることのできる時間がある
そもそもやる前からタスクにかかる時間がわからないのに、正確なシミュレーションなどできない。
タスクにかかるすべての時間を見積もるのはわずらわしすぎる。
ということはよくタスクシュートについて言われることです。それはとりあえず承っておきましょう。
そこでまず見積もるのに苦労の要らないタスクだけを見積もります。
たとえば「通勤」とか「昼休み」とかです。これらは時間が長いのですが、簡単に見積もることができるものばかりです。「会議」などもそうでしょう。
見積もるのではなく、確保する時間がある
「このプロジェクトには毎日30分はかけよう」とか、「毎日20分は運動しよう」といったような活動です。
こういうのは「見積もる」のではありません。最低でもこのくらいはしたい、という時間を記入することになります。タスクシュートでは時間を見積もるばかりではなく、時間を確保する意味でタスクを作ることがよくあります。
あたらなくてもだいたい見積もれる時間がある
とくに時間が短いもので、簡単に見積もれるタスクがあるはずです。1分で終わるようなタスクは、見積もり間違えるにしてもせいぜい数分でしょう。
GTDに「2分以内で終わるタスク」という有名なのがありますが、そうしたものを10くらい立て続けにこなすと、20分ではまず済みません。終わったら休憩したくなるので、30分くらいは費やすことになります。
見積もるのではなく、少なめにおさえておきたい時間がある
同僚とのおしゃべりとか、SNSで時間をつぶすとか、どうしてもやってしまうということもあるはずです。こういうのに「時間を割り当てて」置きましょう。
ツイッターにはどのくらいですか? やってみるとわかると思うのですが、60分を割り当ててもまったく物足りないということだって、あり得ることです。「まさか自分がこんなことにこんなに時間を注ぎ込んでるなんて」と思えることがタスクシュートをする価値です。
割り込まれる
当然見積もれないタスクがあります。すなわち事前にタスクとして登録していない割り込みタスクです。同僚、上司、配偶者からタスクはどんどん依頼されます。
これをタスクシュートに登録して実行していると、自分のタスクは1個も減らないのに、帰宅時間は遅くなり、自由時間を失い、寝る時間が遅くなるのです。
これを目で見て強く認識することもタスクシュートを使うことの大きな意義です。
それ以外の時間はほぼない
ここまでくるとわかるのですが、これ以外の時間は、ほとんどゼロです。24時間というワクをはめてみると、たいがいはマイナスです。つまり、タスクシュートでタスクにかかる時間を正確に見積もることを心配する必要は、まったくないのです。
しかし時間を正確に見積もらなくても、ここに至る必然の流れから、必然的に「時間がまったく足りてない」という事実だけは見えます。それが事前にわかる、すなわち時間のシミュレーションなのです。
それでも私達は、予定に間に合わせなければならないし、終電には乗れなければなりません。そこで何かの調整をしています。その調整をシミュレートし、どんなことを省いたり削ったりしたかを記録するのがタスクシュートなのです。
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タスクシュートについてまとめた本としては、拙著で申し訳ないのですが、『なぜ,仕事が予定どおりに終わらないのか?』に徹底的に書き下ろしました。
この本について、少し遅くなりましたが、Facebookでページを用意しました。
» なぜ,仕事が予定どおりに終わらないのか?(Facebookページ)
本書について書評いただいたことや、機会があれば拡張して書いていきたいことなどについて、情報を投下していきたいと思います。
» なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか? ~「時間ない病」の特効薬!タスクシュート時間術