「たすくま」でもタスクシュートでもログがすべての起点になる理由

By: treewoman8


これまで私が思っていた「タスクシュート」は、以下のようなイメージのものでした。

  • 毎日何時何分から何をするか計画を立てておく
  • 実際にそれらを参照、実行しながら、実際に何をしたのか記録する
  • 繰り返せば繰り返すほど計画の精度が上がっていく
  • 見積もり通りに仕事がこなせるようになるステキ!
  • サボる頻度とかも減るよ素晴らしい!
  • 先送りとかもすごい減るよ凄いよ!

たすくまの使い方を見てたらタスクシュートの考え方がすごくしっくり来たのでちょっと使ってみることにした | ごりゅご.com


これが誤解なのですが、かなり身近にいらしたごりゅさんですら、ごく自然とこのようなイメージをお持ちだったのですから反省させられます。自分では何度も同じことを繰り返しているつもりなので、みんないいかげん聞き飽きているだろうとつい思ってしまうのです。

たとえば2009年の2月に自分はこんなことを書いていました。

「時間の予定に縛られたくない」というお話も耳にしますが、そんなことはありません。「開始時刻」は「タスクを開始した時」に記入するものであって、最初から開始時刻が記入されているわけではないので、「予定表」ということはあり得ないわけです。

タスクシュートが好きだ! – ライフハック心理学


また、2012年の3月に、こちらはシゴタノ!でこんなことを書いていました。

何度も同じことに言及しているつもりなのですが、見た目のためにどうしても誤解されがちです。本エントリで言いたいことはたった1つだけです。

Taskchuteはタスクリストのついたログツールです。

TC010:Taskchuteはログである | シゴタノ!


以上のようなことはもちろん私が勝手に考えたことではありません。開発者の大橋悦夫さんが開発前の段階から、次のような発想をお持ちだったからです。次は、2006年に書かれたものです。

いま作ろうとしているタスク管理ツールは、文字通り未来のタスクを管理するためのものであると同時に、後から活用するための作業記録にもなるはずです。

作業記録の習慣がもたらすもの | シゴタノ!


つまりタスクシュートにおいて「ログがない」という状態は「まだ使ってない」という状態なのです。タスクシュートはすべての起点にログがあります。

優先順位のトップには「ログ」が来るべき

私達は行動に優先順位をつけようとします。なぜならできること、やりたいこと、やるべきことが多すぎるからです。

現代は科学的、社会科学的な技術が急速に発展しているので、やれることの幅が極端に広がりました。かつての一般市民にとってアラスカでオーロラを見たりすることはほぼ不可能でしたが、今なら無理をすればできなくはありません。オーロラはただの一例で、この種のことが無数にあります。

やりたいこともやるべきことも一時にやるのはとても無理だから、優先順位をつけるというのは自然な発想です。しかし、膨大なリストの優先順位をつけるのは非常に困難です。だから、「本当にそれはやりたいことなのか? やるべきことなのか?」のチェックを容易にするために、たとえばミッションのようなものを持つというのも1つの方法です。

しかしタスクシュートでは「ログ」を優先順位の最上位に置くことで「やるべきリスト」「いつかやりたいことリスト」の膨大さに対応しようとします。

「やったこと」というのは、それがどれほどくだらなさそうなことであっても、「これからやりたいこと」などとは質的に違います。「早起きしてフランス語の勉強をする」という計画に比べ「二度寝」がどれほどダメそうに見えようと、実際に優先された行動だったから、ログに残るわけです。

となるわけです。「ログ」を越えられるものでなければ、実際に実行されることはない、ということです。

セクション=実行タイミングという指標

しかしTaskAならTaskAを、いちいちすべてのログと優先度について比較するというのは現実的ではありません。1日の間に、人はいろいろなことをするからです。

幸いなことに、すべてのログは「実行タイミング」という情報を持っています。何月の何時頃にそれをやったか、という情報です。

これが大事なのは、まさにそのタイミングでそれをやったからです。つまり、そのタイミングでそれをしたかったということになります。

「運動不足だからプールで泳ぎたい」という「やりたいこと」を思いついたとしても、それを真冬の朝3時にやりたいかというと、そんなことはないでしょう。では真冬の朝3時ごろにやりたいことととは何かといえば「暖かい布団で寝ること」でしょう。記録があれば、きっとその心情がよく反映されているはずです。

あらゆる時間帯には「そのタイミングでもっともやりたくなること、やるのが自然なこと」のログが居座っています。

06-07 起床した
07-08 朝食を食べた
08-09 出社した
09-10 メールチェックした

特定のセクション(時間帯)において、きわめて妥当性が高くてやりたくもなる行動とはなにかということが、実行ログを見るとわかります。「やりたいことをやる」ためには、それに取って代わりうるような新しい行動をプランとして立ててやる必要があるはずです。それをするのがタスクシュートです。

▼編集後記:

8月2日 第2回 Taskchute「超」入門(東京都)

そのTaskchuteと「たすくま」の基本操作や簡単なユースケースについて、詳しく紹介するセミナーを08-02(土)に行います。「たすくま」開発者もいらっしゃいます。

現在お席は10席程度埋まっておりますが、まだ15席くらいはありますので、ご都合よろしい方はぜひご参加ください。

3,000円
(2014.07.25時点)
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