自宅をオフィスにするか、別に借りるか?

カテゴリー: Journal

SOHOな人にとって、仕事とプライベートのケジメは永遠の課題。僕自身もSOHOなのでこの問題に常にさらされています。通勤がないため、起きたら出社、寝たら退社という、起きている時間=稼働時間な状態になりがちで、なかなか境界線が引けなかったりします。逆に真っ昼間でも家に居ることができてしまうので、なんとなーくテレビを見始めてしまったがために、気づいたら外は暗くなっていたり(たまに良い映画がやっていたりして非常に危険です)。

作家が仕事で切羽詰まったときホテルにこもる、という話はよく聞きますが、大先生にとっても誘惑は手強い敵のようです。もちろんSOHOにとっても状況は同じです(ホテルにこもる効用については以前も「ホテル・ブースト」というコツをご紹介しています)。こうまでしないと自分をコントロールできないというのも情けない話ですが、目を背けられないSOHOを取り巻く現実の1つではあります。

そんな現実に対する1つの解は、自宅の外にオフィスを借りてしまうこと。まともに借りると敷金・礼金はもちろん、交通の便のいいところなんかにしてしまうと賃料が自宅よりも高くなったりしてしまいますが、最近ではレンタルオフィスが増えてきていて、数万円で借りることができるようになっています。

山手線圏内など都心部はさすがにお高いですが、ちょっと外れるとだいぶ手ごろになります。例えば、日本橋で管理費込みで5.2万円、道玄坂(渋谷)で3.6万円などなど。

とはいえ、せっかく通勤地獄から解放されて自宅で仕事ができるメリットを享受しているのに、オフィスを借りてしまったら再び通勤が発生します。

ここで、自宅オフィスのメリットとデメリットを整理してみます。

【メリット】

○ 通勤しなくても済む(特に雨の日などはありがたい!)
○ 兼用なので何かとコストが抑えられる
○ 宅配便の荷物を確実に受け取れる

【デメリット】

× 仕事とプライベートがモザイクになる
× 何かと自宅の住所を公開せざるを得ない(名刺、ネットのドメインなど)

一方、オフィスをレンタルした場合。

【メリット】

○ 仕事とプライベートをきっちり分けられる
○ オフィスの賃料分も稼ぐプレッシャーがかかる(良い意味で)
○ 自宅の住所は公開せずに済む

【デメリット】

× 通勤しないといけない
× 何かと物入りになる(オフィス用のPC、周辺機器など)

こうして見ると、どっちもどっち、という気がしてきます。むしろ個人の価値観やライフステージに左右されそうです。ただ、独身ならば自宅オフィスでもさほど深刻ではないかも知れませんが、家族がいるとなると難しそうです。

子どもが2人いる4人家族のSOHOな知り合いに聞いてみたところ、彼の場合は、

・(仕事とプライベートの)ケジメをつけたくないので自宅に仕事を持ち込んでいる
・1人でやっているとつい際限なく仕事をしてしまいがちだが、家族がいるとほぼ強制的にケジメがつく
・週末は子どもが「遊ぼう遊ぼう」と言ってくれるので土日は仕事をしたくてもできない

のだそうです。「ケジメをつけたくない」というのはちょっと新しい感覚ですが、特に子どもが小さければそばにいてあげられる、という意味でそれはそれでメリットのように思えます。また、仕事に使える時間が限定されてくるので(子どもが学校に行っている間、寝ている間など)、集中力も高まりそうです。

そう考えると、必要に応じてカフェホテルを活用し、その回数がかさむようなら思い切ってオフィスを借りてしまう、という感じが良さそうです。

ところで、自宅オフィスにはもう1つ、見えざるデメリットがあります。それは、自宅という生活空間だからということで、自然と便利で快適な環境にしてしまうことです。つまり、お腹がすけば冷蔵庫から食料を取り出せますし、眠くなったらベッドがありますし、テレビはじめ趣味や娯楽のグッズや本もたくさんあったりします。

だからこそ、そういった誘惑に負けないくらい仕事を楽しくしようとしているのですが、ここで気づくことは、何でもそろっていることがベストとは限らない、ということです。

オフィスを借りることの最大のメリットは、実は不便さが得られることです。通勤が必要だったり、お腹がすいたらコンビニに走らないといけなかったり、といった不便な環境にあえて身を置くことで自分を「仕方がないから仕事でもするかー」というモードにシフトさせるうえで十分な不便さ。

ただし、あまりに不便(駅から歩いて30分とか、エレベータなしの16階とか)だと逆効果なので、ほどほどに、最低限仕事ができる程度の不便な環境が良いです。

ちょうど、手を洗うときに水流が強すぎると水がばしゃばしゃ跳ねて水浸しになってしまいますが、かといってチョロチョロしか出ないと全然洗えないので、過不足のない適度な水流になるように調整するのに似ています

自宅を意図的に不便にする、という手もありますが、それはちょっと…。

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