続けたい習慣は「儀式」にするとうまくいく

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習慣にしたいことがあればそれを「儀式」にしてしまうのが手っ取り早いと実感しています。

「儀式」とは、大辞林によると、

一定の作法・形式にのっとって行われる行事。慶弔に際して行われる行事や組織体が行う行事など。「―を執り行う」

とある通り、

行うものです。この「一定の」という部分がポイントです。
日によって順番が変わったり手順が抜けたりしてはいけないのです。

そのためにはやはり「儀式」のレシピが不可欠です。レシピがあれば、それを見ながら手を動かすことで、手順を忘れていても難なく「儀式」を執り行うことができるからです。

レシピとは?

レシピとは、本来は「料理の作り方」ですが、「ある1つの成果物を作り上げるための手順」と解釈すれば、料理以外のあらゆる作業に適用できます。

特に、ひんぱんには行わないが、行う時には決まった手順と決まった成果を要求されるような作業には最適です。

たとえば、月末に必ず提出しなければいけない伝票の起票手順、急に必要になった始末書の書き方、目の前で急に人が倒れた時の応急処置の手順、などです。

定期的に発生するものもあれば、不意に発生するものもあります。いずれにしても、レシピを持っていれば正しい「儀式」が行えます。

レシピが記憶を助けてくれる

レシピに沿って繰り返し手を動かしていれば(=これが「儀式」です)、やがてレシピを見なくてもできるようになります。当然、レシピを見ながらやるよりもスピーディーにできるようになります。いわゆる身体で覚えている状態です。

この状態になれば、レシピは不要になるのですが、まったく不要になるわけではありません。

身体が覚えていられる儀式の数には限界があるからです。

「もう覚えた!」と思っても、時間がたつうちに古くなったレシピや印象の薄いレシピから順に記憶から追い出されていきます。ちょうど文字入力の予測変換機能に似ています。ごく最近に入力した言葉なら最初の1文字か2文字で正しい候補を示してくれますが、時間がたつとまたイチから“教え直す”必要が出てくるのです。

むしろ、わかりきったことから改めてレシピを起こす

まったくレシピを持っていない、という場合は、手始めに「わかりきった作業」からレシピ化していくことをおすすめします。

いま「わかりきっている」「何も見なくてもできる」ということは、いずれ「わからなくなる」「何かを見ないとできなくなる」可能性をはらんでいるからです。

覚えているいまのうちにレシピにまとめておくことで、「いずれ」がやってきても慌てずに済みます。

改めて自分の言葉でレシピを作ってみると、見慣れたモノの呼び方が決まっていなかったり、実は順番があやふやだったことに気づいたり、より良い手順が発見できたり、といった副次的な効果も期待できます。

レシピができたら、さっそくレシピに沿っていつもの作業に取り組んでみます。ここでも発見があるはずです。その最たるものは現実の作業とレシピの内容とのズレです。このズレを補正します。レシピを現実に合わせて書き換えていくのです。

目指すべき最終ゴールは、「レシピ通りに手を動かせば、疲れている時でも眠い時でも、いつも通りの品質が再現できるようになること」です。

こうしてレシピが1つできれば、それをベースにすることで、新しい仕事のレシピも作りやすくなります。

良いレシピの条件

ここまで、何気なく「レシピ」という言葉を使ってきましたが、同じようなものを指す言葉に「チェックリスト」があります。レシピはこのチェックリストに含まれることもあるのですが、僕自身は次のように区別しています。

いずれも「リスト」という意味では共通していますが、その使い方において異なる、ということです。

レシピのわかりやすい例は、文字通り料理のレシピです。

順番を入れ替えたり飛ばしたりすると、本来の料理はできません。

チェックリストのわかりやすい例は、出張持ち物チェックリストです。

リストを見ながら、手近にあるものからどんどん旅行バッグに詰め込んでいき、チェックを入れる。チェックの入らないものが足りないものですから、それを探すか買うかして、順番はバラバラでも、とにかくすべてにチェックが入る状態にすることで、モレなく作業を完了させることができます。

チェックリストについての本をご紹介します。この本で言うチェックリストは上記のレシピとチェックリストの両方を含んでいます。

» アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】


本書では、チェックリストの作り方と活かし方について極めて詳しく解説されています。良い習慣を作ろうと考えている人にとっては、まさに「良い習慣を作るためのレシピ」となる一冊といえます。

以下は、本書より「良いチェックリストの条件」です。

良いチェックリストは明確だ。効率的で、的確で、どんなに厳しい状況でも簡単に使える。全てを説明しようとはせず、重要な手順だけを忘れないようにさせる。なにより実用的であることが良いチェックリストの条件だ。(p.139)

 

合わせて読みたい:

チェックリストがあっても、それを実行するためのエネルギーが枯渇していれば、前には進めません。時間管理より何よりもまずエネルギー管理を提唱する本書、この年末年始に熟読していましたが、以前ご紹介した『メンタル・タフネス』の内容をよりバージョンアップさせた肉厚なものとなっています。

プロのスポーツ選手は、全体の10%の時間にすぐれたパフォーマンスをするために、残り90%の時間をトレーニングに費やしている。「限られた勝負の時間に必要なエネルギーを注ぎ込む」──これを目標に生活のすべてを組み立てている。

具体的には、生活のあらゆる面でエネルギー管理のための非常に正確なルーティン(決まりごと)──食事、睡眠、エクササイズ、休憩、適切な感情を呼び起こすこと、心の準備をし、集中すること、自分が設定した目標をしばしば再確認すること──をおこなっているのだ。

ところが、ビジネスマンはこうした訓練をほとんどしないままに、一日8~10時間、ときには12時間も勝負しつづけることを求められているのである。(p.15)

この現状を変えるための一冊です。

冒頭に出した「儀式」という言葉は、実は本書のキーワードでもあります。

本書では意識的に「儀式」という言葉を使っている。習慣化することを目指して慎重に考え、細部にわたって詰めた行動である点を強調するためである。人がある行動をする際に「後押し」してくれるのが意志や自制心だとすると、「引っ張って」くれるのが「儀式」だと言ってもいい。

(中略)

儀式の存在によって私たちには無意識に行動できる領域が増え、その分、主体的な判断が必要な部分にエネルギーを注ぎ込むことが可能になるのである。(p.24)


儀式やチェックリストがアプリケーションなら、エネルギー管理はOSのチューニングといったところでしょうか。

» メンタル・タフネス 成功と幸せのための4つのエネルギー管理術[Kindle版]


» 成功と幸せのための4つのエネルギー管理術―メンタル・タフネス


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