この感覚は誰もが常にもっていられるべきだと思います。一部お金持ちや、非常に恵まれた環境に置かれている人だけが持つことのできる感覚かもしれませんが、本来そうあるべきではないのです。リスが時間に追われて生きているでしょうか? 時間に追われて生きるというのはとても人工的で、とても不自然なことだと思います。
TaskChuteは時間が「ある」と知るためのツール
TaskChuteとは積み木なのです。いくつかの形の「タスク」を組み合わせて、プロジェクトを完成させたり、1日にやるべきことの全体を積み上げてみたりするための積み木です。
本当にビルを建てたり橋を作ったりするためには、精密きわまりない設計図を専門家の手で先に完成させる必要があるでしょう。
しかし「とにかくこんな形のものを作ってみたい」とか「とにかくこういう風に1日を過ごしたい」という人がみな精密な設計図を書けるわけではありません。積み木で家を作ったり橋を組み立てたりするのは自由にやれます。失敗もできます。
ただし自由自在にはやれますが、想像するよりは物理的な制約を受けます。現実に立つ建て方と、崩れてしまう組み合わせとがあるからです。TaskChuteが示してくれるのもまさにそのような組み合わせなのです。こうすればうまく立つ。そうやれば崩れてしまうという組み合わせです。
最初は不格好かもしれませんし大したものも作れないかもしれませんが、それでいいのです。むしろそういうものであっても組み立てられる形があると知ることがこの上なく大事なのです。この積み木の写真を見ても分かるとおり、人はなかなかこのレベルのものを想像はできません。人が想像するものはこれよりずっと立派なものです。
しかしなかなか想像通りの現実を作り上げるのは難しいものです。何が可能であるかを知るということは極めて重要です。可能な中で実現したいレベルを探っていくのを助けてくれるのが、積み木=TaskChuteなのです。
TaskChuteを使っていれば時間をうまく使えるようになる
私には今2歳半になる娘がいますが、2歳半でも写真のようなものなら作れるようになります。もちろん2歳児のものなのでこの程度ですが、この半年前には下の写真のようなレベルが精一杯でした。(親としてはこんなものでも嬉しいものですが)。
しかし繰り返しになりますが大事なのは必ずしも「成長」ではないのです。大事なのはやはり「これで立つのかどうか?」がよく分かるという点にあるのです。「こうすると崩れてしまう」というのが分かること。これが頭ではなかなかわからないことなのです。(どう組めば立つのかを把握して以後、娘は急に「凝った」ものを作れるようになったのです)。
積み木がうまく組めるようになって、「立派な」ものも作れるようになるということは、現実の物理的法則というものを感覚的に把握できるようになって、イメージを形に直せるようになるということです。
同じようにTaskChuteがうまく組めるようになるということは、現実の時間的法則を感覚的に把握できるようになって、イメージを実現できるようになっていくということです。
不可能なことが可能になるのは頭の中かマンガの中だけです。不可能なことをやる気や気合いや勇気やヒロイックで成し遂げようとするのはやめましょう。不可能事に挑戦しようとしていたら、なにもしないうちに時間がどんどん過ぎていってしまいます。時間的制約がある中、何が可能で何が不可能かを知るためにもTaskChuteが必要なのです。