仕事をしていれば、うまくいくときもあれば、思わぬ痛手をこうむることもある。
──いずれの場合においても、学ぶべきことはあります。
問題は、それに気づかないこと。
「やっぱりダメだな、オレは…」
という自己嫌悪がその学びをかき消してしまうのです。
ではどうすればいいか?
いつも持ち歩いているiPod nanoには気分転換のための音楽のほかに、オーディオブックコンテンツが大量に入っています。中にはすでに何度も繰り返し聴いているものもけっこうあるのですが、そんな「ヘビロテ」オーディオブックの1つ、ブライアン・トレーシーの「あなたからまた買いたい」のSESSION 6にその答えがありました。
今日からすぐ始められるデイリーレビューのための2つの問い
その答えとは、次の2つの問いをもってレビューすることです。
- その挑戦では自分がどんな正しいことをしたか?
- もう一度チャンスがあればどのようにすべきか?
例えば、客先でプレゼンをしたものの受注に至らなかった(コンペで競り負けた)という場合でも、そのプロセスすべてにおいて間違ったことばかりをやっていた、ということはないでしょう。
失敗(=当初の目的に到達できなかったこと)までの過程には、望ましい決断や行われるべき処理の1つや2つはあったはずです。
サッカーでいえば、パスをつないでセンタリングをするところまでは実にスムーズに行けたのに、最後の最後でヘディングが決まらなかったとか、相手チームの守りが予想以上に堅かったといった“ラストワンマイル”でひっくり返された、というようなケースです。
ここから学ぶべきは、「パスをつないでいく」「センタリングを上げる」というパーツレベルで「正しい」と評価をくだすこと、くだせることです。
「次」の機会にそのままコピーできる部分はどこなのかを見極める、ということです。
失敗をこうむると、すべてがダメだったと思い込んで、また白紙からやり直そうとしてしまいがちですが、落ち込んだときほど冷静になって、活かせる部分は積極的に“再利用”していくことが、成功までの道のりを圧縮する秘訣だと思うのです。
そして、もちろん、うまくできなかった点についても、もう一度チャンスがあればどう改善すべきか、今回描けなかった「あるべき軌道」をイメージして、次回はその迷わずその軌道をたどれるようにすることです。
繰り返しヘディング・シュートの練習をすることで、同じパターンで再度のミスを防止するわけです。
これを実践する上で、ブライアン・トレーシー氏は次のような、行動レベルに落とし込んだアドバイスを展開しています。
- うまくいったことを書き留める
- 次はどんな風に改善できるかを考える
書き留める、そして、考える。
先の2つの問いは、この2つの行動に対応づけられます。
さらに、「書き留める」のは過去のこと、「考える」のは未来のことですが、脳には時制はないと言われていますから、大切なことは望ましい痕跡を残すということになります。
馬車の往来によって轍(わだち)ができ、やがてそれが道となるように、何か行動を起こしたら、次に同じ行動を取ることになる「後続の自分」のために轍を作っておく。
レビューというと途方もないことのように感じられますが、2つの問いに答えて、2つの行動を起こすことだということがわかれば、時間がなくても手帳にさっと書き留めるくらいの軽い気持ちでできそうです。
意外と正しいことができているものです、途中までは。
▼合わせて読みたい:
» 朝一番に大事な仕事に取り組む習慣をつけるための5つの原則
▼次にすること:
・さっそくデイリーレビューのための2つの問いを実践する
▼関連エントリー:
・限られた時間で目標を達成するには、業務を○○化するしかない
・リストのレビューがストレスに感じられたら
・なぜ「実際にやってみる」ことが大切なのか
・ブログで自分の思考を視覚化する方法
・来年に向けて野心を抱こう