今回からはToodledoで“どんな風に”タスク管理をすれば良いかという感触をつかんで頂くべく、GTD(Getting Things Done)という情報管理の手法をベースに一連の流れを説明していきたいと思います。
他に書きたいことがむくむくと湧いてくると追加するかもしれませんが、以下の3回に渡って書いてまいりますので、お付き合いのほど宜しくお願い致します。
- 概要と概念
- 収集~整理の流れ
- レビュー&実行
まず、第1回は「概要と概念」実地に入る前にまずは概念を掴んで頂きたいと思います。
■ところでGTDって何?
GTDとは米国のデビッド・アレン(David Allen)氏が書籍「Getting Things Done」(邦訳:『ストレスフリーの整理術』)で提唱した情報管理の為のワークフローです。日本では主にタスク管理の手法として広く知られています。
GTDの大まかな流れとしては、自分が気になっていることの他メールや渡されたメモなどから自分がやるべきことを「収集」し、それをワークフローに沿って「処理」しながら、適切なリストに「整理」します。整理されたリストをメンテナンスする「レビュー」しながらNextActionリスト(次にやることリスト)を作成して、日々“次にやること”を「実行」していく・・・という形になります。
頭の中にある気になることを全て洗い出し、信頼のおけるタスク管理システムに預けてしまうことで、「覚えておかなければ」というストレスから脳を解放しつつも、“次にやること”に集中して取り組むことが可能となります。
GTDについて深く知りたい方はぜひ以下の原典に当たって下さい
■タスク管理を円滑に進める5つのフェーズ
GTDには大きく以下の5フェーズがあります。
- 収集
- 処理
- 整理
- レビュー
- 実行
と、言われてもよく分からないと思いますので、一つずつ見ていきましょう。
収集
収集のフェーズでは電子メールや口頭で頼まれた事のメモ、Webで見かけた気になるイベント情報のクリップデータなど、様々な形式で存在する「気になる事」「やるべき事」を集めてくるフェーズです。また、メモやメールといった形で記録が残っている場合は良いのですが、どこにも記録がなく、自分の頭の中にだけ「気になる事」「やるべき事」が存在する場合もあるため、こういった物も一旦全て紙などに書き出す必要があります。
まずは自分にとってのInboxは何か(メール、メモ、EVERNOTEなど)を把握し、「収集」のフェーズではそれらInboxを一つずつ洗っていきましょう。
処理
処理のフェーズでは収集してきた情報に対して「これは何か?」と問いかけ、有るべき場所を明らかにするフェーズです。
これは何か?と考えた結果、その情報が行動を伴わない場合で今後も不必要な場合は「ゴミ箱」、いつか使うかも知れない情報であれば「参考資料」フォルダなどに情報が配置されます。その情報が行動を伴う場合はタスクとして扱い、その属性によって適切な場所に配置されます。詳しくは次のワークフローの説明で見ていきましょう。
整理
整理のフェーズでは処理した結果行き先が明らかになった情報をその保管場所に配置します。こちらも処理と同様に次のワークフロー図の説明の中で詳しく説明致します。
レビュー
レビューのフェーズではタスクリストのメンテナンスを行います。1日の終わりや始まりに、Inboxに集まっているタスクを再度処理・整理し、プロジェクトリストから次にやるタスクを洗い出して「次にやることリスト」の最新化を行います。
それ以外にも、1週間の終わりに「週次レビュー」と呼ばれる、書き出せていない「気になる事」の洗い出しやタスクリストに居座り続けるタスクへの取り組み、いつかやるリストで実行に移せる物がないかの検討等、所謂タスクの棚卸しを行います。
実行
実行のフェーズでは「次にやることリスト」に書き出されたタスクを実行に移します。
■GTDのポイントはワークフローを決めること
GTDでは先に挙げた5つのフェーズを実行するに当たって、ワークフローを策定します。GTDの原典に書かれているワークフローは次の通りです。
白い四角が処理で、青い四角が情報を整理する先だと見て下さい。
ポイントは大きく2つで、「行動を起こす必要があるか?」という問いかけに対してYesであればタスク、Noであれば不要な情報か、今すぐには必要の無い情報と言うことになります。
「後でやる場合」というのも重要で、この時に「次にやることリスト」に配置されなかったタスクについては一旦実行の対象外として留め置かれることになるのです。
先ほど挙げた5つのフェーズとこのワークフローの関係が分かりやすいよう、ワークフロー図に各フェーズをマッピングしたものを以下に載せておきます。
このワークフローを100%真似る必要はないと思いますが、重要な事は「情報をどうやって処理するか?」「処理した情報をどこに整理するか?」を事前にワークフロー化しておくことで、タスク管理が非常にやりやすくなると言うことです。
最初はGTDのワークフローを真似つつ、使いにくいところは少しずつカスタマイズしてご自身のワークフローを作りあげていくと良いでしょう。
■タスクとプロジェクトの関係
収集で気になる事を書き出していると複数のタスクに分解可能なタスクに出会うことがあります。
例えば、「A社向けのプレゼン資料を作る」というタスクを書き出した場合、市場調査を行う、アウトラインを決める、資料作成・・・といった工程に分けることができます。こういった複数のタスクから構成されるタスクをGTDでは「プロジェクト」と呼びます。
先ほどのGTDのワークフロー図で言うところのプロジェクトリストが複数のタスクで構成される「プロジェクト」単位に作成されます。Toodledoではフォルダがプロジェクトの概念にあたるもので、プロジェクト内のタスクが全て完了した時点でフォルダを完了(Archive)することが可能です。
最後に
今回は概念と概要ということで、ほとんど文字ばかりになってしまいました。
次回からは実際にToodledoの操作を交えながら各フェーズの実行について説明していきますので、今回イメージが掴みきれなかった方は是非次回以降の記事を読んだ後に本記事に立ち戻って頂ければ理解が進むのではないかと思います。
次回「収集~整理の流れ」お楽しみに!
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最近また忙しさにかまけて自BLOGの更新をおろそかにしているので、本の追い込み作業が完了したらちゃんとBLOG更新しないとなぁと思う今日この頃です(>_
▼北真也:
仕事術をもっとカジュアルに! わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。
PDF: 226ページ