たとえば、こんな感じでしょうか。
- 落ちているゴミを拾って捨てる
- 床置きの物や出しっぱなしの物を引出しや棚にしまう
- 本の角をそろえて並べる、椅子にかかった衣類をたたむ
- どこにしまえばいいか決められない物をあっちこっちと移動してみる
- 押入れやクローゼットの中身を全部出す
- 物の多さに途方に暮れてうろうろと歩きまわる
- 「要る?要らない?」の判断に困って手と頭がフリーズする
- 気がつけば過去の雑誌やアルバム等を読みふけってしまう
こんな風に、行き当たりばったりで始めてしまうと、散々物を広げた挙句に時間切れになり、あわててしまいこんで前よりひどい状態になりかねません。
「2歩進んで3歩下がる」片づけでは、三日坊主で終わってしまいます。
それまでにため込んだ物が多ければ多いほど、お片づけは時間のかかる大仕事。そんな作業を最後までやり遂げるためには、手を動かす前にすべきことがあります。
以下4つのステップに分けてご紹介します。
- 頭と心の中にあるものをビジュアル化する
- やれる方法を考える
- 現在の暮らしを確認する
- 現在の暮らしと部屋の使い方とのギャップを見つける
頭と心の中にあるものをビジュアル化する
物の整理の前に頭と心の整理、です。
ゴールの見えない作業は続きません。まずは片づけたその先の自分の暮らしを思い描いてみましょう。そのイメージが自分にとって心躍るものであればあるほど、目の前の地味な作業へのモチベーションが保てます。
まずは紙とペンを用意。頭と心の中にあるものを書き出し、ビジュアル化してみましょう。
次の2つの質問の答えを考えてみてください。
- 片づけるのはなんのため?手に入れたい暮らしは?
- 解消したい不便・不満は?
1.片づけるのはなんのため?手に入れたい暮らしは?
「このためなら頑張れる!」 と思える、ワクワクする目的や暮らしをイメージ。
写真や雑誌の切り抜きで表現するのもいいでしょう。
片づけに挫折しそうになった時、このゴールイメージがあなたの背中を押してくれます。
たとえば、
- 留学したい、自宅で料理教室を開きたい
- 子どもが自分のことを自分で出来るようにしてあげたい
- 家族が笑顔で暮らせるようにしたい
- 新居ではスッキリ暮らしたい!
- もっと自分に自信を持ちたい
- ソファーにねころんでテレビ・読書を楽しみたい
- 週末に友人を呼んでホームパーティーをひらきたい
- 自慢のコレクションを綺麗に並べたお気に入りコーナーをつくりたい
2.解消したい不便・不満は?
「もうこんな状態は嫌だ!」と思う現状の不便や不満をリストアップ。
これが大きいほど背水の陣でのぞめますし(笑)、最低限クリアすべき基準が明確になります。
たとえば、
- 出がけにいつも鍵や携帯を探している
- 部屋のあちこちに衣類の山があってうんざりする
- クローゼットがパンパンで毎日の着替えがしにくい
- 家族に責められるのが辛い
- 自分の時間がとれない
やれる方法を考える
やるべきことがわかれば、あとはやれる方法を考えるだけ。
部屋が片づかない時の一番のストレスは、「何をどうしたらいいのかわからない」こと。
「どうすれば片づくか」がわかれば、あとはそれをいつするか、そのために何が必要かなど、対処すべきハードルが見えてきます。
現在の暮らしを確認する
理想を思い描くばかりでは、現状とかけ離れ過ぎてしまって何をすべきかわかりません。楽しいイメージをふくらませた後は、現状もきちんと確認しておきましょう。
日々のスケジュールや家族の行動パターン、物の持ち方や量などを振り返ります。
たとえば、
- 平日の夫の帰宅は子どもが寝た後、週末のどちらかは家で休みたい
- 子どもの帰宅は○時頃、宿題、ご飯・お風呂を済ませたらもう寝る時間
- 平日にできるのは料理・洗たくのみ、掃除や片づけの時間は週末しかとれない
- 買い物はめったに行けないため、つい多めに買い過ぎてしまう
- 平日昼間はママ友親子の出入りが多い
- 夫は月金スーツだけれど、お洒落が好きでカジュアル服もたくさん持っている
- 子どもの習い事で○曜日は忙しい、学用品の他に習い事のカバンが多い
- 塾のプリントは受験が終わるまではたまる一方
- 子どものおもちゃは○○がマイブーム、△△はあまり遊ばなくなったけれどもうしばらく持っておきたい
- 押入れの中に、処分する予定の物が何年も置きっぱなし
現在の暮らしと部屋の使い方とのギャップを見つける
理想の暮らしと現在の暮らしが見えてきたら、今度は自宅の間取り図(手書きの簡単な物でもOK)を用意して、我が家を「上から」確認。
各収納スペースに何が収まっているかを書き出してみましょう。
各部屋の使い方は現在の暮らし、または理想の暮らしに合っていますか?
合っていない場合、定位置を入れ替えたり、家具を追加したりする余地はありますか?
たとえば、
- リビングは色んなことをする場所なのに、収納スペースがない
- 子ども部屋はリビングから遠くて寒いため、子どもがいきたがらない
- おもちゃがあちこちにあり、全ての部屋が子供部屋状態
- 夫/妻が、自分の物を収める部屋/スペースを持っていない
- 本当はリビングで音楽を聞きたいのに、CDは押入れの奥のダンボールの中
- クローゼットの中は着ない服ばかり。着る服は手間のハンガーラックにかけっぱなし
- 「なんでこんな場所にいれていたんだろう」、「こんなものあったっけ?!」など
我が家を上からみて発見できることはたくさんあります。
何をやればいいかがわかれば、片づけは「手に負えない問題」から「解決できる課題」に変わります。
頭と心をすっきりクリアにして、楽しい気分でゴールイメージを目指しましょう。
▼橋口真樹子:
家庭から幸せの輪を広げるお片づけカウンセラー。自宅セミナーでは我が家のリアルな収納を公開、お片づけに悩むお宅のカウンセリングでは「片づかない理由」をスッキリ解決。日本プロフェッショナルオーガナイザー協会(JAPO)主催の「お片づけのプロ養成講座」講師も務める。