3月4日(金)に開催した「Evernote情報活用術セミナー Part 2」で、ゲスト講師の倉園佳三さんの次の言葉が印象に残りました。
インプットとアウトプットは同時にはできない。
こうして文字にすると、至極当たり前のように思われるかもしれませんが、実際には同時にやろうとしてしまいがちです。
「良質のアウトプットをするため」という大義名分のもとで、せっせとインプットに時間を投じるものの、結局それがアウトプットにつながらないうちに終わってしまうのです。
あるいは、インプットしたものを熟成させる時間が十分に取れないために、仕入れた情報を右から左に流すだけで精一杯になってしまう。これでは、本当の意味でアウトプットしたことにはならないでしょう。
本当の意味でのアウトプットとは、仕入れた情報をいったん自分というぬか床に漬け込んで、自分なりの味付けを施したうえで差し出すもの、と考えているからです。
味付けが十分になされないのであれば、それはアウトプットではなくパスに過ぎないでしょう。もちろん、パスが悪いというわけではありません。パスがつながることによって、最終的にゴールという成果に結びつくからです。
せっかくなら誰かにパスを出して終わるのではなく、直接自らの足でゴールを狙いたいもの。
では、どうすれば地に足のついた“シュート”が放てるようになるのか。
最近読んだ『40代を後悔しない50のリスト』という本にその答えが書かれていました。少し長くなりますが引用します。
忙しいビジネスパーソンは、なかなかまとまった時間をつくることが難しいので、通勤時間を活かして積極的に学ぼうという人も多いと思います。
しかし、私はあえて、通勤時間に新聞を読むことも、自己啓発のための本を読んだり、語学のヒアリングをしたりすることも止めてしまうことを提案したいと思います。
その代わりに何をするかといえば、ただぼーっとしていなさい、といった話ではありません。
その時間を「自分自身を振り返る」時間にあててほしいのです。そう文字通り「自分時間」にするのです。
(中略)
通勤時間は必ず毎日ありますから、あえてその時間を自分自身のフィードバックにあてることで、余裕がない、時間がないという不満を解消できるのです。
直面している仕事上の課題をじっくり考えたり、対策や戦術、提案内容などを電車の中で熟考したりもできます。もちろん、プライベートのことや普段なかなかじっくり考える時間が取れない人生設計や目標のようなことについても、この時間を使って考えるようにします。
実はこのフィードバックの時間があるからこそ、実力が自分の中にたまっていくのです。実力を熟成させる時間と考えてください。ただただ会社に振り回されて、忙殺されているだけでは、力は蓄積されません。(p.184 )
アウトプットとは、削り節のようなもので、自分なりの“刃”が研ぎ澄まされていなければ、どんなに良質な鰹節が手に入ったとしても、うまく削り出せないでしょう。上記の「フィードバックの時間」とは、まさにこの刃を研ぐための時間だと考えられます。
良いアウトプットのために貪るようにインプットを繰り返しても、刃をなまくらにするばかりで先には進めないのです。そして、刃とは自分自身の文字通りの強みでありエッジですから、ここを磨く時間を取らないでいることは、凡庸の道まっしぐらです。
本書は、間もなく40代を終える著者からの「40代を後悔しないため」の引き継ぎ書といえます。その対象はいうまでもなく、これからの40代。
40代の10年間、どのように自らの刃を研いでいけばいいのか。この視点で読んでみると、実は本書自体が“刃”であることが次第に分かってきます。読み手の中から、新たな一面を削りだしてくれるのです。
今週書いたエントリー
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今週のおすすめツイート
シゴタノ!初のUSTREAM番組を始めます。第1回は3/7(月)午後、ゲストに市川有人さん(@yujin_ichikawa)をお招きし「後悔しない40代になるために」をテーマにお送りします。録画は後日公開します~ http://bit.ly/h4Vz0F
今週やめること/始めること
日刊シ!より。
これから何かを新しく始めようと思ったら、必ず今やっている何かをやめる必要があります。時間は有限だからです。「始める」時は「やめる」とセットで考えましょう。
- やめる:失敗を避ける
- 始める:失敗を歓迎する
- やめる:その場に踏みとどまる
- 始める:決断するための一歩を踏み出す
- やめる:自分のメリットを優先する
- 始める:自分にとって重要な人が喜んでくれそうなことを3つ書き出す
- やめる:問題にとらわれる
- 始める:「そもそも問題は何なのか?」
- やめる:全体像ばかりを見る
- 始める:小づかい帳をつけてみる
- やめる:手当たり次第に読む
- 始める:読むものを慎重に選ぶ
- やめる:考えてから決める
- 始める:決めてから考える
▼参考文献:
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