Toodledoではじめる立体的タスク管理ーワークフロー構築編/ビギナーズ・ハック第34回

カテゴリー: ビギナーズ・ハック

さすらいのiPhone侍

とある峠の茶屋で−−
一人の旅人が団子をほおばっていた。

茶色い作務衣と頭にタオル、懐には自慢の iPhoneが仕込まれている。

女性:お助け下さい!!

平和な峠の茶屋に緊張が走る。
見ればならず者2人組が旅人の女性にちょっかいを出していた。


甘酒茶屋 (1) / Kuruman

旅人は「メンドクサイけど・・・」と言いつつふらりと立ち上がり、女性とならず者2人の間に割ってはいる。

ならず者A:やいやいやいやいやい、おめぇ邪魔すんのかい!?

ならず者B:命知らずな野郎だぜ!!

ごりゅ殿:(メンドクサイ台詞まわしだな。だいたいならず者って何?)

女性:旅の方どうかお助け下さい。

ごりゅ殿は懐のiPhoneに手を掛けると、ならず者達は動揺し始める。

ならず者A:てめぇ、やるってのか、あぁ!?

ならず者B:ふ、懐に何を隠してやがる!?

ごりゅ殿:無茶苦茶メンドクサイけど、Toodledoが「人助けしろ」って言ってるし、女性にはスーパー優しいし、助けた方がカッコエエから。取り敢えず、メンドウだから二人同時にかかってきていいよっていうか、掛かってこないならこっちから行こうかな。

ごりゅ殿が「飛天×剣流・・天翔る・・」と言いかけたところで、ならず者達は「覚えてやがれ!」とベタな捨て台詞を残して逃げ去った。ごりゅ殿は iPhoneを取り出すとToodledoを立ち上げ、ルーチンタスク「人助けをする」にチェックを入れた。

女性:ありがとうございます! なんとお礼を言っていいのやら。

ごりゅ殿:だいたい一日一善な感じなんで別にいいっすよ。それじゃぁ、俺これからベック君と買い物行く用事があるからこれで失礼します。

1時間後にベック君と渋谷駅で待ち合わせというリマインダーを見たごりゅ殿は女性の熱い視線を振り切って、そそくさと峠の茶屋を後にした。

ごりゅ殿:ところでここはどこだろう? なんでみんな着物着てたんだろう? まぁ、どうでもいいんだけど。

さすらいのiPhone侍ごりゅ殿の旅は続く。


Country Road – Waterville, County Kerry / infomatique


Toodledoでのタスク管理ワークフロー

前回はToodledoの基本的なセットアップの内容について紹介致しました。今回はフォルダとコンテキストを使った立体的タスク管理の具体例とそのワークフローについて取りあげます。

■フォルダは「役割」コンテキストは「時間」「場所」

フォルダ

前回も紹介した内容ですが、Toodledoのフォルダには「Archive」の機能があります。GTDで言うところの「プロジェクト」毎にフォルダを作りプロジェクトが終わればそのフォルダをArchive入りさせるといった使い方も可能です。

ただ、私はあまりフォルダを頻繁に作ったり消し込んだりというのがどうもあわなくて、フォルダを切る単位を「役割」に設定して基本的には同じフォルダを使い続けます。「役割」で分けるのは、基本的に異なる役割間ではタスクが被ることがないからです。例えば「会社業務」と「生活」のリストは基本的に同時に遂行されることはありません。

この辺の考え方は拙著『Evernote情報整理術』のノートブックをペルソナごとに分けるという考え方と共通ですので、興味がある方はそちらもごらんいただければと思います。


コンテキスト

コンテキストは「時間」と「場所」できっています。「場所」といいつつも厳密には「特定時間に限らない状況」と言ったほうが正しいかもしれません。基本的には「時間」のコンテキストで3時間単位当たりのタスク量と実行のタイミングを図っているので、「場所」のコンテキストがつけられるタスクは基本的に「手が空いたらやる系」のタスクとなります。

 ビュー

ビューは主に「Folder」を使っています。朝イチやレビュー時など、全体を俯瞰したいときには「All Task」のタブを使用します。後はその時々で役割を切り替えて使っています。

■立体的管理のワークフロー

ワークフローとしては

  1. 随時収集
  2. 朝一でその日のタスクを全て整理
  3. 実行のタイミングではひたすらチェックボックスで消しこむだけ
  4. 一日の最後にレビューをして消し忘れや繰越タスクなどとともに未整理のタスクを整理

基本的に収集は随時行っています。収集するタイミングではタスク名と締切日だけを入力します。基本はその日の最後に日次レビューを行うので、そのタイミングでコンテキストやフォルダー、正確な着手日と締切日、所要時間を付与します。

朝一のタスク整理では、もう一度「他にやることはないか?」と簡単に収集を行ったり、「時間」のコンテキストで区切られた3時間の中に無理がないかを確認します。(Lengthを設定しておくのはそのため)

上記のやり方は「7つの習慣」と「GTD」をベースにしていますので、タスク管理に悩まれている方は下記2冊をぜひお読みください。


Start Dateを設定しておくメリット

ちょっとした小技ですが、Start Dateを設定しておけば、「hide future tasks」を選択することで明日以降に着手するタスクを消しこむことができます。



■最後に

今回は“私のやり方”を参考までにご紹介しましたが、これを真似る必要はまったくありません。タスクを管理するに当たって、自分なりの箱を作り、自分なりのワークフローを作る際になんらかの参考にしていただければと思います。

▼今週の一冊

今週紹介するのはあの青い人が書いた青い表紙の本『EVERNOTE「超」知的生産術』(倉下忠憲 著)です。

前回の本も思い切ってテーマを絞っていたわけですが、今回の本もこれまた気持ちいいくらい絞りまくりな一冊です。なんせ知的生産術一本なわけですから。そしてネタバレ御免で書かせて貰うと、EVERNOTE本なのにEVERNOTEの事以外が沢山書かれているという、実にユニークな本です。

知的生産というと何だか難しそうに聞こえるかも知れませんが、倉下さんの言葉を借りれば「新しい情報を作り出すこと」であり、「新しい情報」を「アウトプット」に置き換えて「アウトプットを出すこと」と捉えてもよいでしょう。ビジネスの世界ではどんな職種であれ何らか「アウトプット」を要求されます。例えば企画書や提案書、仕様書、設計書、報告書といった類のものなんかがそうです。(但し、ここでいうアウトプットは成果物であり、成果ではない点についてはご留意下さい)

この本ではEVERNOTEをはじめとした様々なツールを使って「アウトプットを出す方法」が書かれています。勿論、報告書の書き方がどうの・・というお作法的な話ではなく、自分がアウトプットを行うためにどう情報と向き合い、どうアウトプットに結びつけていけばよいかという、心構えや仕組み構築についてかなり突っ込んだところまで書かれています。

本書でも指摘されているとおり、あらゆる場面で「情報を持っている」ことそれ自体の価値は低下しています。本書はそこから更に突っ込んで「情報を生み出す」ことの意義とその方法について書かれている点で、情報過多の時代を生きる我々が知っておくべき”大切なこと”を教えてくれる一冊といえるでしょう。


 

▼編集後記:

 Gmailの障害に巻き込まれてしまいました。。。

全世界で0.02%のユーザに影響があったとのことですが、見事にその中に入ってしまい、28日からメールが全く見れていません・・・。会社の業務でGmailを使っているわけではないのでそれほど支障はないのですが、プライベートのメールはGmailに集約していたので偉く不便です。


▼北真也:
仕事術をもっとカジュアルに! わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。

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