Toodledoと手帳でタスクを回す!/ビギナーズ・ハック第29回

カテゴリー: ビギナーズ・ハック

日出ずる国のギャルソン

ここは東京某所にある外国料理店「hayat kesmek
今夜はここを貸し切ってST電機第1ソリューション事業部の新年会が行われている。
この物語の主人公ベック君は30分遅刻して会場入りした。

ベック君:はぁはぁ・・・なんとか30分の遅刻で間に合わせた・・・。

オオハシ部長:merhaba beck. herkes seni bekler!

ベック君:ほへ!? 何語?

その時ベック君はその店の異様な雰囲気に気づいた。


うまくは言葉で表せないが「ムスリム」という言葉が頭の中でグルグル回っていた。

オオハシ部長:やぁやぁ、すまないね。トルコ料理を食ったらなんだかトルコ語が出ちゃってね。若い頃を思い出すなぁ・・・(ウットリ

どうやらこの新年会の会場はトルコ料理屋らしい。
ベック君は初めて食べるトルコ料理にわくわくしながらラシタさんの横に腰かけた。

ラシタさん:遅かったね。なんかあったん?

ベック君:いやぁ、ちょっとトラブっちゃってさ。無事解決したんだけどね。

ラシタさん:そっか、それは大変やったなぁ。俺は今日作業量読み違って5分も遅刻してもうたよ・・・まだまだやなぁ。

ベック君はまさか作業量を見誤って飲み会にこれなくなるところだったのをオオハシ部長に助けてもらったとは言えず、一人気まづくなっていた。

xxx:Hoşgeldiniz. Ne içersiniz?

ベック君は何と話しかけられたのかわからず、しどろもどろに「日本語プリーズ」と言いながら、話しかけてきた店員の方を向いた。
そこには如何にもアラブな服装をしたあの人が立っていた。

ベック君:マスター! こんなところで何してるんですか?

ギャルソンノキバ:マスターではありません、今はGarsonです。この店も私の店なんですよ。

ベック君:え、ここもマスターの店なんですね!! すごい! ところで、さっき何て云ったんですか?

ギャルソンノキバ:お飲物は何にしますか? と聞きました。

ベック君:それなら日本語でいってくださいよ、もう…それじゃぁビールで。

ギャルソンノキバ:teşekkür ederiz.

マスターが奥に向って「Bir bira!」と叫ぶ。
どうやらビールはbiraというらしい。

ギャルソンノキバ:そうそう、ベックさん。タスクは大きくても3時間以内作業に分解して、「いつやるか」と「どれぐらい掛かるか」を明確にしておくと、今日みたいに「いざ取りかかってみると思ったよりも作業量が多くて終わらない状態」は防げるかも知れませんよ。

ギャルソンノキバはそう言い残すと、店の奥へと消えていった。
ベック君はおそるおそる横を見る。
ラシタさんはニヤッとしながら「そうか、そら大変やったなぁ」と 一言。

一人気まずい感じになるベック君。

隣のテーブルではしゃぐオオハシ部長の駄洒落だけがひたすら頭の中でループしていた。

オオハシ部長:トルコ料理をとる小皿! 何を言っとるこの野郎!

※注 ストーリー中に登場するトルコ語はGoogle翻訳を用いた機械翻訳です。間違ってたらゴメンナサイ。

クラウド+手帳でタスクを回す

前回はタスクを適切なタイミングで遂行するために、タスクリストに入れるタスクの粒度を考えようという内容でした。今回はその具体的な方法論としてマスターリストにToodledoとデイリータスクリストに「紙の手帳」を用いた私のタスクの回し方について紹介したいと思います。

■「Toodledo」と「手帳」を組み合わせる

まずは登場人物を整理しましょう。前回もお話ししたとおり、すべてのタスクが「何日に」作業するかレベルで砕かれているタスクリスト「マスタータスクリスト」と、その日のタスクが書き出された「デイリータスクリスト」の二週類のタスクリストがあります。

すべてのタスクが入っている、つまりタスクの増減が日々刻々と行われるタスクリストには紙よりもデジタルが向いているでしょう。私はこのマスタータスクリストに、日付だけでなく、プロジェクトとコンテキスト、タグで多次元にタスクを管理可能な「Toodledo」を用いています。

また、その日1日の作業のみが入っている・・つまり、その日やること以外は「見えない」状態になっているデイリータスクリストは予定/タスク/Doingをまとめて管理できる「手帳(ほぼ日カズン)」を用いています。

■収集したタスクを砕く

私はマスタータスクリストには「Toodledo」を用いています。タスクは集められた時点では粒度が大きすぎるものもあると思いますので、まずはこれを細かく砕く作業を行います。砕く粒度は数分から3時間以内で、管理が大変になり過ぎないよう注意しながら行います。



基本的には朝の計画や一日の振り返りのタイミングでタスクを砕くのですが、急ぎの場合は、これらの定期的なタイミング以外で砕くこともあります。タスクの砕き方はToodledoのProアカウントであれば使用できる「サブタスク」に砕くか、タスク自体を複数個に分ける形となります。

この辺は明確な基準があるわけではありませんが、「作業項目の細分化」であればサブタスク、「作業工程による分割」であればタスクの複数分割を行っています。(要するに見やすく階層化したいかどうかです。)



タスクは日付と時間のほか、コンテキストにそのタスクを実行する「時間」もしくは「場所」を入れて管理します。これによって、毎日の時間帯ごとのタスク量を把握することができるようになるため、新しいタスクがやってきたときにも、いつやろうかという目算がつくようになります。

■紙の手帳で予定/タスク/Doingを管理する

デイリータスクリストは紙の手帳を使っているのですが、これはその紙の上にあるチェックボックスがすべて埋まれば終了になるという「ゴール」を見える化するためです。その日の予定とタスクを常時見ながら、現在作業中のアイテムを簡単なメモと一緒に残していく(いわゆるDoingリスト)というスタイルです。



もちろん、Toodledoの「コンテキスト」にもA~Gまでの作業区分が入っているので、DueDateがTodayの作業だけを表示すれば同じことができます。しかし、予定/タスク/Doingが一目でわかり、かつ後でパラパラ見返すことができるという点においては紙、特にデイリーリフィルの手帳というのは非常に優れているのです。

■デイリータスクリスト+Doingリストであればタスクシュートという選択肢も

今かなり気になっている存在が大橋さん謹製の「TaskChute」です。

その日やるタスクが明確な状態で存在し(デイリータスクリスト)、今どのタスクを遂行中であるかが一目でわかり(Doingリスト)、正確な作業時間まで残すことができて後から見返すのにももってこい。そして、何よりすべてのタスクが終了する時間を知ることができるという点がとても魅力的なのです。



ただし、Excelで動作するツールであるため、いつでもどこでも使えるというわけではありません。今のところはToodledoをTaskChute風にするという佐々木正悟さんの方式をそこはかとなく真似ているのですが、やはりExcel版の利便性は捨てがたい。TaskChuteのWeb版か、Excel版のTaskChuteをToodledoと連携させる機能などを実装すればこの課題も解決できそうなのですが・・。

最後に

今回は前回の補足記事として、私が普段使っているToodledoと紙の手帳でどのようにタスクを回しているかを紹介しました。万人に使える方法ではないかもしれませんが、手帳術におけるデジタル/アナログ連携の一例としてご覧いただければと思います。

さて、去年の暮れからずっと手帳/手帳術ネタできてしまいましたので、次回からはテーマを一気にデジタルサイドに倒して「クラウド活用」についてお送りしたいと思います。

▼今週の1冊

先日、いわゆる著者の集い的なパーティーに無謀にも遊びに行ったところ、美崎栄一郎さん女子勉さんとお知り合いになることができました。リアルでも”裸トーク“をしていてちょっと嬉しかったですw その時に美崎さんから最近発売されたばかりの新刊『iPadバカ』を頂きましたので、これを紹介したいと思います。

読み始めからいきなり蔵書1000冊を入れるためにiPadを買ったとか、iPadを買ってスケジュールやメモの管理はすべてiPadで行うようになった(美崎さんの処女作はノート本)とか、色んな意味でかなり過激な内容が書かれていてちょっとびっくりでした!

しかし、過激な内容とは裏腹にiPadでクラウドを最大限活用するための基本的な使い方から、きっちり丁寧に解説されていたりもするので、iPadを手に入れたばかりで右往左往している初心者がiPadを使いこなすために何をすればいいかは一通りこの本から学ぶことができます。

著者が真性iPadバカだということがヒシヒシと伝わってくる本書は、初心者からマニアまで、幅広くiPadを“楽しく”使いこなしたい人必見の一冊だと言えそうです。


 

▼編集後記:

 『Evernote情報整理術』の発売日(2/9)が近づいて参りました。

ご予約いただいた皆様から「予約したよー!」と嬉しい報告をもらう度にちょっと泣きそうになる毎日です(結構涙もろいんす)。本の詳しい内容について、技術評論社のサイトに掲載されましたのでご興味をもたれた方は是非こちらもチェックしてみてください。


▼北真也:
仕事術をもっとカジュアルに! わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。

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