他人の興味関心フィルターを利用した情報収集／ビギナーズ・ハック第21回

正義の味方現るの巻き

ベック君はお隣に越してきたごりゅ殿と友達になり、はじめてBumpで連絡先の交換を行った。年頃も近く、興味関心も近い、そんな友人が身近に出来たことが無性に嬉しかった。今日はごりゅ殿の家具家電を充実させるべく、最寄りの電器屋へと二人で出かけていた。

ベック君：そういえば、ごりゅさんは普段どんな風にネットで情報収集してるの？

ごりゅ殿：自分は、RSSやTwitterをチェックすることが多いかなぁ。

ベック君：え？？Twitter？なんでTwitterで情報収集ができるの？

ごりゅ殿が上手い説明を考えていたその時だった。

時刻は15時−−−
展示されていたLEDで3DなTV画面が一斉に切り替わり特撮ヒーロー番組が流れ始めた。

この特撮番組はネットを悪用して世界を恐怖のどん底に突き落とそうと目論む組織に対して、超能力を持つ青年がたった一人で立ち向かっていくというストーリーだ。

ただ、昨今のイケメンを前面に押し出した特撮モノとは異なり、この番組は主人公の顔が開始以来一度も明らかにされていないことで逆に評判を呼んでいた。その正体を巡って様々な憶測が飛び交い、今や社会現象と言えるほどに週刊誌で繰り返し取り上げられていた。

ベック君はTVに映し出された主人公の名前を思い出そうとするが、のど元まで出かけて思い出せない。

ヒーロー：おのれトロイ怪人！これ以上の悪事は許さないぞ！

どこかで聞いたことがある声だ

トロイ怪人：ははは無駄！無駄！無駄！俺を倒したとしても俺の同胞は既に世界中のコンピュータに潜んでいる！おまえ一人で何ができるというのだ！！

ヒーローは不適に笑みを浮かべる。ライダーマンのごとく口元だけが開いた仮面を被っているのだ。

ヒロイン：ショウゴ！　その怪人はバックドア型のTrajanの亜種よ！このワクチンを使って！

ショウゴ：サンキュ！　覚悟しろ貴様のパターンは既に見切っている！バスタァァァァァァ

必殺技特有の演出とBGMが流れる中、ベック君はTVの中のショウゴと或る人物の類似性に気づいてしまった。

ショウゴ：キャノーーーン！

火柱が立ち上り、爆発音と共に怪人は木っ端微塵に吹っ飛んだ。ショウゴの手に装着された謎の機械に怪人の残骸からデータらしい何かが集められる。液晶画面と思わしき箇所には「Pettern file send O.K.」と表示されている。ここで生成されたパターンファイルが世界中のウイルスソフトに提供されて各コンピュータに潜む新種のウイルスやトロイの木馬を駆逐するという。

ショウゴ：これで世界中のコンピュータの脅威がまた一つ取り除かれた。TVの前のみんな、ウイルスは身近なところに潜んでいる！知り合いからのメールでも不用意に添付ファイルを開かないように注意するんだぞ！最近はTwitterを悪用したワームなんかも出てきているから、十分注意してくれ！

子供達が「ハーイ」と返事をしている。
きっと彼らが大人になる頃には日本はコンピュータセキュリティ大国になっていることだろう。

ショウゴ：それから、TVの前の悩める青年よ！Twitterでの情報収集のメリットは、自分に有益な情報をもたらしてくれそうな人をフォローしておくことで、その人の興味関心フィルターを通した情報を得られるところにある。世界にあふれる玉石混淆な情報も、他人というフィルターを通すことで、効率よく価値あるモノに絞り込むことが出来るんだ！

ごりゅ殿：おぉ。言おうと思ってたことをTVの中の人に言われてしまった。なんてタイムリー。あれ、ベック君どうしたん？なんか顔色悪くない？大丈夫かい？

ベック君は画面に表示されたテロップを見て我が目を疑った。

「この番組は7月21日8:00に放送されたものです。」

確かにその番組はこの9月に放送を終了し、あまりの視聴率の高さに続編の制作が決定された「守護騎士ショウゴ」（がーでぃあんないとしょうご）だった。ベック君が再放送をこの時間に見ることを見越した上でメッセージを残した謎のヒーローショウゴとは・・・

ベック君：（こんな事ができるのは、あの人しかいない）

ベック君はショウゴの正体を確信した。そしてそれを確認すべくごりゅさんをつれて或る場所に向かうのであった。

（続く）

他人の興味関心フィルターを利用した情報収集のビギナーズハック

ネット上での情報収集というと、気になるキーワードをGoogleで検索したり、ニュースサイトを定期的にチェックしたり、興味が有るRSSを購読したりといった方法が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか？今回は少し視点を変えて、他人の興味関心フィルターを用いた情報収集について取り上げたいと思います。

■他人が発信する情報をチェックする

TwitterやBLOGのRSSなど、特定の誰かのアウトプットをウォッチしておくことで、その人の興味関心フィルターを通した情報を得ることができます。それぞれチェックする対象によって得られる情報の鮮度や濃さが変わってくるのですが、例えばBLOGやはてなブックマークなどのアウトプットについてはTwitterにも更新情報を流すため、Twitterを見ていれば網羅的に情報を得ることができる可能性が高いです。（その人が情報を集約していない場合もあるので一概には言えないのですが）

Twitterのフォロワー、もしくはリストに自分がウォッチしたい人を集めておくことで、Twitterのタイムラインに自分にとっても興味の対象となり得る情報が流れてくる確率を高めることができます。

■他人のアウトプットを集約して追いかけたい

Facebookに買収されて以来アップデートらしいアップデートが見受けられないFriendFeedですが、元来このサービスが優れていたのは多様なサービスの更新情報を特殊な外部サービスの介在なく集約可能な点にあります。（TwitterにBLOGの更新を流すならFeed2Twitter等のサービスを使ったり、Google共有を流すならReader2Twitterというサービスを使う必要があります。）

例えば下記は大橋さんのアカウントの例ですが、このFriendFeedのアカウントを追いかけておけば、大橋さんの

• シゴタノの更新情報
• メディアマーカーの更新情報
• あすなろBLOG「SOHO考流記」
• Googleリーダー共有アイテム
• Twitterのつぶやき

などの更新情報をフォローすることが出来ます。また、このFriendFeedの更新情報はTwitterやFacebookにも流すことができるので、大橋さんや佐々木さんはFriendFeedに各種アウトプットを集約して、ご自身のTwitterアカウントにその情報を流す形で更新情報を発信されています。

■仮想友達機能を使ってみる

チェックしたいと思っている人が各種Webサービスを利用していて、どこにも情報が集約されていないという場合、いちいち各サービスをチェックしに行くのは面倒ですよね。そんなときに便利なのがFriendFeedの「仮想友達」機能です。

設定方法はマイメニュー下部の「友達の表示/編集」で友達一覧を呼び出し、一覧画面下部のImaginary Friendsを選択することで仮想友達を作成することができます。

勿論、仮想友達に対しても利用しているサービスの登録ができます。
一覧の中にサービスが無い場合であっても、そのサービスが出力するＲＳＳを読み込ませることも可能です。

Twitterだと雑音が多すぎる場合や、そのユーザのアウトプット情報がどこにも集約されていない場合は、FriendFeedの「仮想友達」機能を使ってみると良いかも知れませんね。

最後に

今回は他人の情報関心フィルターを使って情報収集について取り上げてみました。他人の興味関心フィルターというとなんだか難しそうですが、やることは簡単で気になる人はどんどんTwitterでフォローしたり、RSSを購読したり、FriendFeedでアウトプットを集約させてウォッチしましょうという内容でした。次回は情報収集シリーズ最後のテーマとして読書について触れてみたいと思います。

▼今週のPick APP!

自分のBLOGにも書きましたが、使えもしないのに「iMS-20」と「iELECTRIBE」を買ってしまいました。

それぞれ、実在するアナログシンセサイザーとリズムボックスをiPadに移植したものなんですが、これがむちゃくちゃ面白い。特に楽器の素養も音楽の素養も、ましてやアナログシンセの素養なんて全く持ち合わせていない僕でもかなり遊べます。ちゃんと勉強して、楽曲作成＆演奏ができるようになりたいなと考えている所存です。

下記に使用の様子を納めたビデオを貼り付けておきますのでご参考までに

個人的には、iPadの音楽や映像方面でのプレイヤーとしてのポテンシャルにかなり期待しているので、RholandやYAMAHA、KORGなんかには是非とも頑張ってAPPを開発して、もっともっとiPadの音楽環境を良くしてくれれば良いなと願っています。

　

▼北真也：
仕事術をもっとカジュアルに！　わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。