「いつかやりたいことリスト」の管理を外部委託する

カテゴリー: Journal

仕事でも生活でも、

 「今すぐでなくてもいいけど、いつかやりたいこと」

というものがあります。この対策として「いつかやりたいことリスト」を作るという方法があちこちで紹介されたり実践されたりしています。

でも、「今すぐ」でなければ、とりあえず保存しておくにとどまり、

 「リストに追加したから大丈夫」

という安心感は得ただけで放置されがちです。もちろん、定期的にリストの内容をチェックして、「今すぐ」なタスクに“昇格”していくタスクもあるかと思いますが、何となく「まだやらなくてもいいか」という言い訳とともに、リストに戻されてしまうタスクもあるでしょう。

言うまでもなく、このプロセスは、自分の意志の支配下にあります。つまり、自分しか知りえない“処理”であり、時間の経過とともに、自分を取り巻く環境や状況、あるいは気分が変化することで、急に

 「そうだ、あれをやろう!」

という“起用”もなくはないにせよ、こういった“大番狂わせ”はあまり期待できないでしょう。

言い換えれば、一度先送りと判断された「いつかやりたいこと」は、以降も繰り返し先送りにさらされやすくなるわけです。

この循環を断ち切る上では、自分以外の視点が役に立ちます。

実は最近、遅ればせながらTSUTAYA DISCAS(宅配DVD/CDレンタル)に入会し、さっそく先週末に映画を2本観ました。

TSUTAYA以外にもオンラインDVDレンタルサービスはありますが、共通する特徴は、

 ・観たい映画を登録しておく
 ・レンタル可能になった時点で自動的に送られてくる
 ・返送するまで次のDVDは送られてこない

という点です。

最初に「観たい映画を登録しておく」という行為はまさに「いつかやりたいことリスト」を作っていることになるでしょう。どの映画も観たいが、レンタル中であれば必然的に「いまレンタル可能な映画」が選ばれてくることになります(もし、「今すぐこの映画を観たい!」ということであれば、別途料金はかかりますが、その映画を指定して取り寄せることもできます)。

もし、レンタルビデオ屋に行って、

 「あ、そういえばこれ観たかったんだ!」

という“掘り出し物”を発見できればよいですが、なければ徒労に終わってしまいます。そして、仮に発見できたとしても「レンタル中」なら借りることができません。

DISCASを利用することで、こういったチャンスロスとは無縁になり、しかも自宅まで届けてもらえる、というのは時間節約という意味で大きなメリットが得られるわけです。

いつか観たいと思っている映画を漏れなく登録してあれば、「いつか」は必ず現実になる、という安心感が得られます。これ状態は「レンタルビデオ屋に出掛けていって探す」という、本来であれば主体的な行為を外部委託していることになります。

まるで友人から、

 「ほら、この映画、観たいって言ってたよね?」

とでも言われながら突然DVDを手渡されるようなものです。

この方式を参考に、「いつかやりたいことリスト」の管理を友人に任せてしまうというのはどうでしょう。何か1つ「いつかやりたいこと」を思いついたときには、その友人に、

 「これをリストに追加しておいて」

と頼むのです。一方、頼まれた友人は、そのリストからランダムにタスクを1つピックアップして本人に渡します。その際、友人は次のような「ルール」を告げます。

 「はい、じゃぁ、このタスクをどうぞ。終わったら教えてね。
  終わるまで、次のタスクはおあずけだよ」

このリストは友人の手に委ねられているため、次に何が来るかは「お楽しみ」になります。その「お楽しみ」は渡されたタスクを終えない限り得られません。

自分で選べないのはナンセンスかもしれませんが、そこは「いつかやりたいこと」ですから、むしろサプライズを楽しむくらいの余裕があってもよいでしょう。

もちろん、自分でも相手の「いつかやりたいことリスト」を管理するようにすれば、「彼だったら、次はこれをやりたいんじゃないかな?」という想像をしたり、渡すときに自分ならではのアドバイスを添えたり、あるいは「これ、一緒にやらない?」という新しい展開が生まれるかもしれません。

ポイントは、自分の手元に留め置かずに人の目に触れさせる、というところでしょうか。

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