『ネイチャー』を英語で読むための3つの鉄則

カテゴリー: 英語学習法
「ネイチャー」を英語で読みこなす(ブルーバックス)

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この本は、2003年に刊行された本ですから、決して真新しい本ではありませんが、テーマから考えれば2000年以後に刊行されていれば、古い本ではないでしょう。実際、今読んでも役に立つ本です。

といっても、日常的に『ネイチャー』を英語で読みこなしているという人には、役立ちません。むしろ、「ネイチャーなど一度も読んだことがない」という人が、読んでメリットを得られる本です。

人は、自分がよく知っているものだと、きわめて常識的に対応できるのに、よく知らないものになると、ひどく極端な行動に出てしまいがちです。難しそうに見えることをやりたくなったとき一般に言えることですが、正面突破を敢行するべきではないのです。『少年ジャンプ』であれば隅から隅まで読まなくても、「心残り」はないでしょう。「ネイチャー」も同じように考えるべきです。

鉄則1 とにかくハイライトを流し読みしろ!

よくあるやり方ですが、まずは概要をつかもう、ということです。

たとえば、2008年の454号のハイライトは以下のようになっています。これだけを日本語で読んでおくと、記事の英語をとんでもない方向で誤読するのも避けられます。また、自分にぜんぜん興味のない話をじっくり読み込むこともなくなるでしょう。

Cover Story : 脂肪細胞の運命:PRDM16が筋細胞を褐色脂肪に変える仕組み
生理 : BMP-7と肥満
気候 : 火星のオゾンの化学
化学 : 金触媒のサイズ効果
遺伝 : シンプルライフの遺伝子
宇宙 : 銀河のフィラメント構造
進化 : 協力のための自殺
生態 : 海底下を支配する古細菌
感覚 : 磁気センサーとしても働くクリプトクロム
細胞 : 大腸菌O157:H7の病原性
https://secure.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?i=67901

鉄則2 まずは略語から覚えろ!

略語というのは外国人には困りものです。「エトセトラ」も「et cetera」と書かれれば何とかわかるものの

&c.

ではさっぱりわかりません。etc. という表記も使われます。これは日本人にもなじみ深いかもしれません。

また、頻出するので読み慣れれば何ということもありませんが、最初ひどく面食らうものとして

et al.

があります。人名に続いて表記され、「その他大勢」の意味です。私も心理学の大発見をして、「すごい発見」(S. Sasaki et al., 2010)などと書かれてみたいものです。

鉄則3 なにがなんでもNews and Viewsを読め!

そもそも「News and Views」ってなんですか、という人が一般的だと思いますが、これはいわば「解説コラム」です。『ネイチャー』では人気のコーナーで、自信満々に打ち出している様子が、以下の引用からもわかります。

化学で最もホットな論文について見識ある解説を探すのなら、NatureのNews and Viewsセクションが最適である。
http://www.natureasia.com/japan/nature/focus/webfocus.php?id=35#nv

科学者でないのに『ネイチャー』を読むとすれば、ここと目次とハイライトを読むだけでも、もう十分ではないかという気がします。

なお、筆者は『ネイチャー』の「社説」に相当する「Opinion」も読むようにいっています。慣れれば読んだ方が面白いとは思いますが、最初からあれもこれも読もうとすると、たとえ日本語だけの雑誌でも読まなくなるものです。興味の持てそうなテーマであれば読む、という程度のスタンスがよいでしょう。

本書には実は6つの鉄則がありますし、「コツ」はもっとたくさんあります。が、難しいのは「英文」というよりやはり「専門用語」です。これは実は、日本語で読んでも、同じ事になってくるでしょう。

本当はわかっていなくても、日本語で読むとわかる気がするのは、そのような思い込みがあるから、といっても言い過ぎではないのです。「わかると思って読むとわかる」というのは変ですが、そういうものなのです。そういうものだと思って原文で読んでみると、意外とわかることも多いものです。

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実質的な発売からわずか3週間前後で、すでに4刷47000部と、幅広くご支持いただきました。大変ありがたく存じます。出版記念セミナーなどで、読者の方からお話しをいただく限り、「仕事にiPhoneをどう活かすか」という点ももちろん重視はされているようですが、「生活にクラウドをどう役立てるか」という点を、特に女性のかたが注目されているようです。

本書は最初の段階で、実は『iPhone仕事術』という仮タイトルがついておりました。その後、いくどかの話し合いを経て『iPhone情報整理術』というタイトルに決まったわけですが、多くの人にとって私物であるiPhoneは、やはり私的な空間で機能を発揮させたいのではないかと、著者として考えました。仕事の中でのクラウドの重要性は言うまでもありませんが、セキュリティなどの問題が急に払拭はされないでしょう。個人の生活を充実させる目的であれば、その限りではありません。

また、そこまで会社の「縛り」がきつくないという営業職の方からも、強くご支持いただいている印象です。地図、アドレス帳、走り書きメモ、メールなどが外回りにおいて欠かせないツールであるとのことです。それがiPhoneにすべて入っていると思うだけで安心だということだと思います。

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