集中力というのは、裏返すと言い訳をしないということ。
自分はそれまで言い訳が多すぎた。
これは、プロゴルファーの中嶋常幸さんの言葉です。
随意的にコントロールできないことに注目する
「集中しよう!」と思っても意図的に自分を集中状態に持ち込むことはできません。
具体的に何をどうすればいいのかがわからないからです。
このように、随意的にコントロールできないことが仕事では意外と重要だったりします。
例えば、
- (企画書を書くための)良いアイデアをひらめこう!
- (明日の朝は早いので)眠ろう!
などと思っても、なかなか思うとおりにひらめいたり眠ったりはできないものです。
そればかりか、そう思えば思うほど遠ざかっていくようなこともあるでしょう。
そこで、間接的にそういった状態を呼び出すための手段を講じます。
冒頭の「言い訳をしない」というのはその1つです。
“道順”を再確認する
このような手段というのは考えて思いつくものではなく、実際に行動を起こしてみて初めて「降りてくる」ものだと僕は考えています。
例えば、
- 気づいたら2時間ずっと同じ仕事に没頭していた。
という体験を振り返ることによって、そこから自分がその2時間をどのように過ごしていたのか、その仕事に入る前にどんなことをしたのか、どんな気持ちでいたのか、などを次々と思い出し、因果関係を探っていくのです。
特に、望ましい結果が得られたのであれば、それを繰り返し再現するためにもその“道順”を再確認しておきたいものです。
「たまたま」という言葉で片付けるのは簡単ですが、因果関係を掘り返しては「これか?」「それともこれか?」という照合作業と試行錯誤を繰り返すことで、いつしか自分なりの答えに辿り着けるはずです。
本当に自分が納得できるのは、言葉にしたときに訪れる「しっくり感」ではなく行動を通してじわっと広がる「しっくり感」なのだと思います。
「言い訳をしない」という“解”に辿りついた中嶋常幸さんも、それまでに幾多の照合作業と試行錯誤を経たはずです。