このとき、金曜の19時。作成を依頼された資料は30ページ超えのプレゼン用スライドでした。
果たして本当に月曜の13時までに作成可能なのか、いや必ず間に合わせなければならない。
手当たり次第に取り掛かっていては資料が最後まで出来上がらないと予想し、私がまずとりかかったことは作成完了までの全てのタスクを書き出すことでした。
数日がかりの作業を15分以下のタスクにまで一気に分解したのはこのときが初めてでしたが、やはり良い効果を実感できたので、そのときの体験を紹介します。
1.一日にやるべき量が正確にわかって安心
1時間ほどかけて資料作成に必要なタスクを書き出し、それぞれが15分以下になるように分解していった結果、20時間で資料を作成できる見通しが得られました。
- 金曜:3時間
- 土曜:7時間
- 日曜:7時間
- 月曜:3時間
1日にやるべき作業量を上記の通りに設定し、淡々とこなしていった結果、無事月曜の13時に間に合わせることができました。
それだけでなく、1日にやるべき量がわかっていたため、その日の分の作業を終えた後は安心して休むことができました。
実際にこの見積もりが大きくずれることがなかったのは、15分以下のタスクにまでしつこく分解したおかげです。
その他にも、15分以下のタスクに分解することで得られた効果がいくつもあります。
2.小さいゴールの連続で気持ちがいい
すべて小さいタスクに分解されていますから、1つこなすごとに小さなゴールを達成し、長時間の仕事でも気持よく進めることができました。
区切りをつけやすいというのも良い点でした。「そろそろ休憩を取りたい」と思ったとき、1つ1つのタスクが小さいので、気兼ねなく休憩をとることができました。
3.迷わず連続処理できる
小さいタスクに分解したことで、タスクのとりかかりやすさも良好でした。
また、次にやるべきことが詳細に、かつきちんとした作業順序で記載されているため、迷うことなく連続で処理することができました。
4.強力な脱線防止になる
小さく分解し、正確に作業量を見積もったからこそ、この後に控えている作業を考えると脱線する気にはなれませんでした。
「多分、15時間分ぐらいの作業が控えていると思う」と、「この後の作業に必ず15時間かかる」では、気持ちの持ちようが大きく変わってきますよね。
思い浮かんだことは手元の紙にメモをして脇においておき、とにかく今やるべき作業に集中していました。
5.スライド作成の繰り返し部分がわかった
作業を細かく分解していったおかげで、スライド作成のパターンをつかむこともできました。
今回私が作成した資料の場合、1つのスライドを作成する際のパターンの多くは次の通りでした。
- このスライドで伝えたいことを紙に書き出す。
└手書きでスライドの構図を書き出す。 - 仮説・検証手法を提示する。
└説明に必要な図を探す or 作る - 根拠・検証結果のデータを示す。
└データを探す。
└データをグラフ化する。 - プレゼンのセリフを書き出す
└セリフに合わせて資料を修正する。
合計20時間に渡る作業を15分以下のタスクに分解していくと聞くとかなり大変そうに聞こえますが、こうしたパターンをつかんだ後は思ったよりも楽に作業を分解していくことができました。
1時間かけてもやるだけの価値あり
20時間の作業をやるための前準備として、1時間ほどかけてタスクの分解を行ったわけですから、一見このタスクの分解にかかった1時間は無駄な時間のようにも見えます。
しかし、もしこの作業を行っていなかったとしたら、「作業の見通しがつかないために現実逃避、あるいは甘く見積もって作業し、資料未完成に終わる」「重要ではない部分に時間をかけ過ぎ、作業量が膨大になる」などの悪い結果に陥っていた可能性が高く、決して無駄な時間ではなかったと確信しています。
この体験談が参考になれば幸いです。
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今回も仕事の休憩時間などにおすすめのマンガの紹介です。
もし現代に竜が当たり前のように存在していたらどうなるのか?もしケンタウルスが現代に存在し、人類と共存していたらどうなるのか?
星新一さんのショートショートのような世界×ファンタジーといった感じのマンガです。
こちらも同様の作品集。収録作の『竜の小塔』『人魚禁漁区』などが良かったです。
▼濵中省吾:
「ほんと自由に生きてるよね」と家族に言われる化学系研究職。はまラボ主宰。