シゴタノ読書塾 Vol.2で、イダヅカマコトさんにご紹介頂いた、『ひらがな思考術』を読んでいます。
その中で、「ムイシキのタマゴ」というたとえが出てきました。
ここに卵があるとしましょう。
太いほうが下で細いほうが上だとして、上から数ミリにも満たない部分が意識の世界だと想定します。下のほうは、すべて無意識の世界。過去何十年間分の記憶が溜まっているイメージ・タンクです。(中略)
私たちがとても小さな人間だとします。新しいイメージや言葉を探すとき、私たちは卵のなかの深い湖に潜っていくと表現できるでしょう。
(『ひらがな思考術』 関沢英彦 P.105)
このイメージを聞いたとき、私が関連して思い描いたのは、地球上に多くある島々のことでした。
ほとんどの島は海上にちょこっと頭を出しているだけで、他の部分は海中に沈んでいます。しかし、海に沈んでいる部分こそが 陸地が沈まないように支えている大切な部分だったりします。思索は、海中に潜って沈んでいる島の表面を撫でていくさまにも似ています。
この連想から至った私の考えは『目の前にいる人の表面に出てきているものは、その人が持っている能力のほんの少しに過ぎない』ということ。
じっくりと、自分が今まで経験してきたものを取り出す作業をすると 人間はもっともっと高い能力を発揮していけるはずだし、だからこそ人間はすごい。海中にあるぶんは全部その人の可能性、経験値、能力、のはずなんです。それを無意識に沈めたまま固くちぢこませておくのは非常にもったいないことだなあと思います。
実は今まで「瞑想なんて、自己対話なんて」と 自分自身と語ることについてはだいぶ軽視していた節がありました。(今思い返せば、忙しい日常にかまけて自分に言い訳してたんでしょうね)でもこの本を読んで、人の可能性について考えるうちに
「ああ、私はもっと自分と話す必要があるな」
と、しみじみ感じました。
それと同時に、必要なことをもうひとつ考えました。せっかく自分と話す時間を取るのなら、そこで得られたノウハウを、保管しておける場所を作っておかねばもったいない、ということです。
自分の考えを書きとめておくのに、どんなツールが良いでしょう。
ほとんどいつでも持ち歩けて、片手で使えるもの。書き込めるもの。
iPhone使いとなると、まず候補になるのはiPhoneのメモ機能でしょうか。
いいですよね、標準のメモ機能。OSが3.0になって、コピペが標準で使えるようになってからさらに便利になりました。書いた日の日時が自動で記入されるところなどが気に入っています。(とはいえ最近あまり使っていないのだけれど・・・。)
あと、お気に入りのメモアプリでもいいし、Evernoteも良い。このあたりのアプリを使って書くのは、一種日記感覚ですね。
もうひとつ、賢いやり方としては 自分の考えを録音してとっておくのがおすすめです。町中で声を録音するのが恥ずかしいと感じるあなたも、iPhoneなら大丈夫です。(以前書いた記事【iPhone×Evernote】のボイスメモ機能がアイデアメモとして優秀な2つの理由を参考にご覧下さい。)
さらにもうひとつ。今回一番オススメしたいのは、この方法です。
実は、私は自分の考えを、かなり赤裸々にTwitterでつぶやいています。もちろん、全体に公開した状態で。
Twitterでつぶやくと何がいいかというと、自分の発言に対して思わぬ突っ込みがあるところなんです。
全く他人ウケをねらっていなかった発言が、ふぁぼられ(他の人から『あなたの発言が気になります』というマークをつけてもらう)たり、RTされ(自分の発言を他の人が転載する)たりする。RTされた内容について、またコメントが増えていく・・・。
こうして 自分がつぶやいた言葉がひとりあるきして、拡散していくのを眺めると また自分の思考がぐーっと広がっていくんです。
『この発言にどうしてみんなこんなに興味を持つんだろう?実はこういうこと考えてる人って多いのかな。日常ではみんな口に出さないだけで』
Twitterでの発言を眺めて、自分だけでは考えられなかった新しい仮説が突然降ってくる驚きと喜びは、悩んで粘りぬいた末に天から降ってきたアイデアにも劣らない感動が伴います。
自分の考えを改めて探った結果を忘れないために、さらに堀り起こした考えに化学反応を起こすために、遠慮せず自分の考えを人の目に晒すことが、結果的に自分の力を大きく伸ばす結果に繋がるように思います。
▼新井ユウコ: