著者の処女作『人生がときめく片づけの魔法』は文字ばかりでいまいち「入って」こなかったのですが、今回のマンガはめちゃくちゃ「入って」きました。
内容は理解していたつもりだったのですが、「頭の中のどのあたりに配置すればいいのか」を決めかねていた、というか。
すなわち「分かる」に至っていなかったということです。
「分かる」は「発見」に通じる
「分かる」については、『「分かりやすい表現」の技術』における以下の定義がまさに「分かりやすい」です。
「分かっている状態」と「分かっていない状態」の違いは、情報が脳内の整理棚にしまわれているか否かの違い。
↓本書については以下の記事で取り上げています。
» 想定した読み手に最後まで読んでもらえる文章を書くためのチェックリスト
『「分かりやすい表現」の技術』という本を9年ぶりに再読して、分かりやすい文章を書くためのポイントをチェックリスト形式にまとめてみました。オリジナルは16のポイントが紹介されていますが、今回は目的を「想定した読み手に最後まで読んでもらえる文章を書く」に定め、7つに絞り込みました。
- 1.読み手の理解を助けるための工夫をしているか?
- 2.読み手の費用対効果が赤字になっていないか?
- 3.全体地図 → 詳細の順に伝えているか?
- 4.誤解の余地はないか?
- 5.一読で伝わるか?
- 6.なくてもよい情報が含まれていないか?
- 7.具体例を示しているか?
↓あるいは、以下の記事で書いた「あるパターンを見出すこと」という定義もしっくりきています。
まず、「わかる」については「あるパターンを見出すこと」とされています。これは「発見」と呼ぶことができるでしょう。
この時、頭の中で何が起こっているか? 人によるかもしれませんが(※)、僕自身にとっては何か複雑な迷路の通り抜け方が「見えた」ときが「わかった!」であり、従って「発見」とはこの「迷路の通り抜け方」がビジュアルイメージとして頭の中に思い浮かぶことを指します。
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※こうしたビジュアルイメージがいっさい思い浮かばず、あらゆる発想が言葉を介してやってくるという人もあるようなので…。
僕自身はどちらかというと言葉ではなくイメージから入ってくるのです。
「捨てる」のではなく「残す」ことにフォーカス
さて、話を『マンガで読む人生がときめく片づけの魔法』に戻します。
本シリーズで一貫して主張されている、もはや有名なフレーズといってもいい「ときめかないモノは捨てる」ですが、僕自身やや誤解していたようです。
主眼は「捨てる」のではなく「残す」ところにあったのです。
「ときめかないモノを捨てる」のは結果であって、目的は「とくめくモノを残す」ことにあるわけです。
当たり前のように思われるかもしれませんが、とにかく部屋をスッキリさせたいと思うあまり「捨てる」ことばかりに囚われていたことに気づきました。
今回、マンガ版を読むことでこの部分が腑に落ちて、まさに「分かる」に到達できた感じです。
マンガは(当たり前ですが)イメージで迫ってくるので、言葉を介することで失われるニュアンスも含めて吸収できることを改めて実感しました。
もちろん、マンガ化することで失われる何かもあるとは思いますが、本書についてはマンガ版がだんぜん良かったです。