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「続く」収納を実現するための3つのコツ

By: Linus BohmanCC BY 2.0


橋口真樹子前回は「整理=必要な物を見極めて分類する」、についてでした。

» 「要る・要らない」では片づかない! 捨てるものを見極めるための3つの整理ステップ


今回は次のステップ=収納です。

「整理」で物が減らせたとしても、「収納」がうまくいかなければスッキリ部屋は実現しません。

そして、収納には「こんなグッズが便利」、「このたたみ方が正解!」などの「些細な」コツよりも、もっと大切なポイントがあります。

収納=「使いやすく配置する」

収納というと、「狭いスペースにいかにたくさんの物が入ったか」や、「収納の中がいかにきっちりきれいに収まったか」ばかりがクローズアップされがち。

ですが、収納で一番大切なことは「使いやすく配置すること」。出したりしまったりが気軽にできなければ、日々の小片づけが続かないからです。

出しっぱなしのメカニズム

自宅の散らかりがちな場所、例えばダイニングテーブルまわりを思い出してみてください。
出しっぱなしになっている物には、それなりの理由があります。

  • し忘れないように
    支払い予定の振込用紙、読まなければならない書類や手紙、毎朝とりたいサプリメントなど
     
  • 常に使うから
    リモコン、ペン類、携帯電話、新聞、常備薬など
     
  • 後で片づけるつもりで
    飲み終わったコップやマグカップ、洗面所に戻す化粧品、2階の子ども部屋に戻すおもちゃなど
     
  • 判断に困って
    入れる場所が決まっていない書類、分類に迷う細々とした物など。
     
  • 後でやろうとして
    読んでから捨てるつもりのDMや通販カタログ、家計簿に記録する予定のレシートやカード明細書など。
     

良かれと思って、「あえて」出しっぱなしにしているわけですが、色んな物を出しっぱなしにしておくと、テーブルはあっという間に埋まってしまいます。

DMにまぎれた振込用紙を処理し忘れたり、ごちゃごちゃ状態を見慣れてしまってサプリメントを飲み忘れたり、「後でやる物」の山をみるだけでうんざりして先延ばししたり、判断に困るものがいつまでも判断できなくていつのまにかテーブルの常連と化してしまったり。

せっかく出しっぱなしにしたのに、目的が果たせていないどころかかえって支障が出ているのでは本末転倒。空間が整理されていないと頭も混乱しがちでかえって忘れてしまいます。

やはり使いやすさを保ちつつ見た目もスッキリ収納したいものです。

では「使いやすく配置する」にはどうすればいいのでしょうか?

そのためのコツを3つ、ご紹介します。

  1. どこに(=定位置)どのように(=収納方法)配置するか
  2. 3つの収納の特徴を理解する
  3. 物が先・収納が後


1.どこに(=定位置)どのように(=収納方法)配置するか

使いやすく配置するためのコツは、「使う場所に」「自分が(家族が)続けられる方法で」配置する、です。

片づけが面倒な方ほど、「どこに」を大切にしてください。

たたみ方や収納グッズなど「どのように」ばかりを気にする方が多いですが、どんなにたたみ方が綺麗でも、自分で続けられなければ意味がありません。隣の部屋に美しく収納されているよりも、その場にざっくり収納されている方が、片づけは続くのです。

2.3つの収納の特徴を理解する

「どこに」が決まったら次は「どのように」を考える番です。

収納納の本や雑誌を見ていると、収納グッズは無限にあるような印象を受けますが、実は大きく分けると、

  1. 棚(押入れを含む)
  2. 引出し(カゴを含む)
  3. 吊るす

の、3種類しかありません。

それぞれの大まかな特徴をあげると、

  1. 棚:
    オープンな「見せる収納」や扉付きの「隠す収納」、かごや引き出しグッズを使うなど、使い方のバリエーションが広い。入れたい物に合わせられる可動式の棚が良い。
    使いやすいのは手前。押入れなどのように奥行きが深い場合、奥に入れた物を出し入れしやすくする工夫が必要。本や書類、飾り物などは引出しよりも棚が便利。
     
  2. 引出し:
    下に入れた物は見えにくいため「上から見て」全ての物が見渡せるように深さに合わせて立てて収めるのが便利。入れたい物に引出しの深さをあわせることが大切。
    たたむ衣類、文具やおもちゃ等「細々とした物」を収納するには棚よりも引出しが便利。
     
  3. 吊るす:空間を立体的に使えて床面積を取らない反面、吊るせる場所を選んだり、吊るしすぎると見た目が雑然とするのが難点。
    型崩れやシワの気になる衣類やベルト・スト―ルなどのファッション小物、キッチンレードルや絡みやすいアクセサリーなどに便利。
     

これらの特徴を踏まえたうえで、望ましい収納方法を決めます。

3.物が先、収納が後

「どこに」「どのように」配置したいかが決まったら、今度は「それが実現可能か」を考えます。
ここで何より大切なのは、「物を先に決めて収納を後で決める」ということ。

つまり、

  • リビングのソファー近くに「リビングボード」を買い、そこに収める物を考える

のではなく、

  • ソファー周りに収めたい物を洗い出して、それが収まるリビングボードを買う

ということです。

「物が先、収納は後」というと当たり前のように聞こえますが、案外その逆をしている方は多いのです。ある程度のミスマッチは収納の工夫で解決できますが、正しい順番で考えることで、無用な失敗は避けられます。

○成功例:

  • リビングにはお客様用食器とCDを収納したいから、ガラス戸の棚とCDが入る深さの引出しが○段ついたリビングボードを買った
  • 雑誌とインテリア雑貨を収納したいが雑誌は隠したいため、雑貨用のオープン棚と雑誌用の扉付き棚があるリビングボードを探す予定。


×失敗例:

  • ソファーと同じスタイルのリビングボードを買ったら、中身が丸見えのガラス扉ばかり。素敵な食器も飾る物もないので生活用品を入れたら雑然としてしまってお洒落じゃない。
  • 引出しばかりのリビングボードにソファーで読む雑誌を入れたら、探しにくくてなんだか不便。


いかがでしょう。

収納計画を立てる時のコツがなんとなくつかめましたか?

次回は収納の実践編。今回の3つのコツに合わせて、具体例を交えて解説します。

▼橋口真樹子:
橋口真樹子
家庭から幸せの輪を広げるお片づけカウンセラー。自宅セミナーでは我が家のリアルな収納を公開、お片づけに悩むお宅のカウンセリングでは「片づかない理由」をスッキリ解決。日本プロフェッショナルオーガナイザー協会(JAPO)主催の「お片づけのプロ養成講座」講師も務める。