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「病」になる言葉と「薬」になる言葉

小さいころから毎日のように聞かされてきた言葉、学校で先生や友だちから投げかけられてきた言葉、会社で上司が浴びせかけてくる言葉、家庭で義父母や夫、妻から聞かされる言葉……。そしてなにより、自分自身に対して毎日毎日語りかけている言葉。それらが心の深い部分に働きかけて、私たちの健康を維持していたり、病気を作り出しているのではないか。

つまり、「身のまわりの言葉」が私たちの健康に大きく影響しているということです。

今回ご紹介する『「病」になる言葉──「原因不明病」時代を生き抜く』は、現役の内科医師である著者が10万人を超える患者を診察する中から得られた「身のまわりの言葉」が健康にもたらす効用について、その知見が具体例とともに紹介されている一冊。

ドキッと、あるいはハッとさせられるくだりが随所にあります。いかに普段の自分が言葉に無神経であるかを痛感させられると同時に、具体的にどのようなことに注意すればいいのかを、著者の豊富な診療経験から導き出された原則とともに学ぶことができます。

「病」になる言葉──「原因不明病」時代を生き抜く

他人から批判されるとつらいから、そうなる前に相手を批判してしまう。だれにもそういう側面はあります。ただ、最近どうも、そういう傾向が強すぎるのではないでしょうか。

学校や社会で浴びせられる「言葉」の毒は強烈です。「これまで、両親からもそこまでひどく言われたことはない」というほどの批判を浴びます。

インターネットでも同じことがいえます。だから、ちょっとした言葉にも過敏になって、そんなことはない。自分は悪くないんだ」と過剰反応する。そのようにしてかろうじて自分を守っている人も多いと思います。

その一線が崩れると、胃の痛みなどの症状が発生し、警告をします。そうやって批判や中傷から自分を守る力の弱い人が増えていると思うのです。

長々と引用してしまいましたが、心当たりのある人も多いのではないでしょうか。自身が「自分を守っている人」でなくとも、身のまわりを見渡せば、1人や2人、そういう人はいてもおかしくないでしょう。

そんな方々にとって、本書はすぐに実践可能な「言葉の使い方」を教えてくれます。

例えば、次のような項目(抜粋)。

 1.職場で言葉の毒から身を守る方法
 2.「自分を定義した言葉」を持つ
 3.話をじっくり聞いたあとで効く一言
 4.心の居場所が見つかる言葉
 5.最強・最後の言葉とは

中でも2つめの「自分を定義した言葉」を持つことについては、ミニ・ワークが用意されており、さっそく僕もやってみました。日を改めてやってみることで、結果が変わってきますから、1回で終わりにせずに何度かやってみるといいかもしれません。

なお、関連して僕自身が実践していることとして、人からもらったメールにこちらがうれしくなるようなお褒めの言葉や感謝の言葉が入っている場合は、そのメールをケータイに転送するようにしています(ケータイ側には「ありがとう」という名前のフォルダがある)。

そして、仕事で凹んだときや元気が出ないときに、「ありがとう」フォルダのメールを読み返すことで、盛り返すことができます。

ということで、本書は職場でも家庭でも、あるいは友人同士でも、人間関係に悩みや課題を抱えている人にとっては、是非ご一読をおすすめしたい一冊です。

▼合わせて読みたい:
『「病」になる言葉』が文字通り「自分が発する言葉」に注目しているのに対して、以下の『人間関係にうんざりしたときに読む本』は「相手が発する言葉」にもフォーカスしています。もちろん、明確に線引きできるわけではありませんが…。

以下のエントリーで佐々木さんが詳しく紹介していますのでご参考まで。

» 人間関係に疲れた時の6項目  

人間関係にうんざりしたときに読む本
日本実業出版社
発売日:2008-10-30
おすすめ度:5.0

▼関連:
仕事がイヤになってしまった時に効く「いい気分」のつくり方