名刺交換後の最初のメールで何をどう書くか

By: John FischerCC BY 2.0


こちらにも書評を寄稿した『チャンスがやってくる15の習慣』ですが、この本にはハッとさせられる言葉が少なくありません。そんな「ハッ」の1つを実践している人に出会いました。仮にAさんとします。

もらってうれしい初メール

以前とあるメディアに寄稿した、名刺交換後の「連絡します」に先制する、という記事に次のように書きましたが、

「ギブ&テイク」という言葉がありますが、名刺交換後にメールの「先制攻撃」をするのは、「ギブ」の最もシンプルな実践形と言えます。

いつものように先制攻撃をしたところ、Aさんからは次のような返信がありました。

大橋様

××××××です
先日はお会いすることができて、
嬉しいです。

サイト拝見しました!
作り方や
視点など、勉強させられます。
ありがとうございます。

ぼくのサイトも
変えてみたくなりました。

またお会いできるときを
楽しみにしています!

(内容は一部変えています)

ほんの数行のメールながらも、そこには学ぶべき点がいくつも見つかります。

 1.自分のことより相手のことに集中する
 2.相手から自分が学ぶべきことを明示する
 3.学んだことをベースに行動を変える、あるいは変える宣言をする

Aさんは僕と同様に個人で仕事をしている人──ひとりビジネス、あるいはスモールビジネス──であり、人との出会いがすべてといっても過言ではないでしょう。必然的に、最初のコンタクトが最大のアピールポイントになるといえます。このタイミングで相手の関心を引き出せなければアウト、という感覚が強くなります。

短い時間でいかにポイントを凝縮して相手に伝えられるか、といういわゆる「エレベータトーク」がある一方で、自分のことはさしおいて、相手のことだけに集中する姿勢もまた1つのスタイルといえます。つまり、相手に関心を持っているという姿勢を示すことで、相手の心を動かそうとする試みです。

さらに、相手に関心を持っていることを端的に表す行動として、「学ぶべき点」の指摘があります。「あなたのこういう部分は私にとって新しい」というメッセージは、相手に重要感を持たせるものです。

この「重要感を持たせる」ことは、デール・カーネギーの『人を動かす』に登場する人を動かす三原則の1つです。

人間は、何をほしがるか?──たとえほしいものはあまりないような人にも、あくまでも手に入れないと承知できないほとほしいものが、いくつかあるはずだ。普通の人間なら、まず、つぎにあげるようなものをほしがるだろう。

 1.健康と長寿
 2.食物
 3.睡眠
 4.金銭および金銭によって買えるもの
 5.来世の生命
 6.性欲の満足
 7.子孫の繁栄
 8.自己の重要感

このような欲求は、たいていは満たすことができるものだが、ひとつだけ例外がある。この欲求は、食物や睡眠の欲求同様になかなか根強く、しかも、めったに満たされることがないものなのだ。つまり、8番目の“自己の重要感”がそれで、フロイトのいう“偉くなりたいという願望”であり、デューイの“重要人物たらんとする欲求”である。

学ぶべきことを提示するばかりでなく、実際にそれを行動に移すこと、移そうとすることは、相手の重要感をいっそうもり立てることになるでしょう。

  • 「あなたという存在は、私をこういう気持ちにさせるほど重要なんです」

という含意が生まれるからです。

改めてAさんのメールを読み返すにつけ、「今後ともよろしくお願いします」などという何の効力も持たない、ありきたりな言葉の入る余地は見あたりません。

「もともと自分のことしか考えない生き物」

『チャンスがやってくる15の習慣』には次のような一節があります。

人間とは、
もともと自分のことしか考えない生き物です。
関心があるのは自分自身であって、
そもそも他人に興味はありません。
これが人間の本性です。

別の言い方をすれば、
相手はその人自身のことを考える1万分の1も、
あなたのことを考えてはいないものです。
この場合、逆も真なりです。
あなたも、世の中の誰よりも
あなた自身のことに、
はるかに関心を持っているはずです。(p.24)

自分のことをアピールする前に、相手が最も関心を持っていることの解明に注力したいものです。


関連エントリー:

対人関係で損をしていませんか?──『チャンスがやってくる15の習慣』(ITMedia) 
W-ZERO3[es]を名刺管理ツールとして活用する 

PR