Obsidianとテキストファイルでの管理は何が違うのか


倉下忠憲最近テキストファイルにハマっている倉下です。

前回紹介したObsidian(.md)は、特別なデータベースを作るのではなく、実体としてはmdファイルというテキストファイルで情報を管理しています。

(外見)

(中身)

だったら、普通にテキストファイルで管理するのと同じじゃないのか、という疑問が出てきますね(私は出てきました)。

今回は、そのことについて考えてみます。

ファイルの作成がラクチン

Obsidianを使うメリットの一つ目は、ファイルの作成が楽チンなことです。

単純な新規作成も、一つ押すだけで、フォルダ指定などは考えなくてもよいですし、それ以上に、リンクにしたキーワードのファイルを作成するのはもっと楽チンです。

情報管理において、情報の新規情報が簡易であることは極めて重要です。たとえばそれは、「即座にメモできる環境を整えよ」と口を酸っぱくして言われていることからもわかります。

自分で環境を整えていない限り、テキストファイルだけの管理だと、上記のような操作は割合と手間がかかってしまうので、その点は専用ツールを使うメリットがあると言えます。

また、プラグインで「Daily note」をオンにしておくと、毎日のノートもボタン一つで作ってくれます。デイリー方式でメモを管理している場合はこれもメリットの一つと言えるでしょう。

ファイルを開くのがラクチン

上記と関係していますが、他のファイルを開くのが抜群に楽です。

サイドバーに一覧が出ていますし、全体に対して検索をかけてファイルを探すこともできます。

それ以上に、ショートカットキー command + o (Mac)が極めて便利です。

移動したいファイルをインクリメンタルサーチでささっと見つけられます。これは通常のテキストファイル管理では、簡単には実現できません。

他の情報を参照・編集することが容易であればあるほど、情報の活用度は上がって行くでしょう。この点も見逃せないメリットです。

バックリンクの表示

ScrapboxやRoam Researchで有名ですが、Obsidianでも「このファイルに言及しているファイル」を一覧できます。

Obsidianは、テキストが入ったmdファイルしか作っていないので、このバックリンク表示は、ファイル全体に対する動的な検索として実装されているのでしょう(予想です)。

こうした「関連あるファイル」を一覧できることで、「これについて自分は過去何を書いていたのかな〜」という緩いサーチが可能となります。

普通のテキストファイルなら、明示的に検索を実行しなければならず、それはつまり強い動機がなければ実行されない、ということです。

こういう緩いサーチは、目の前の知的生産が行き詰まっているときなどに便利なので、手軽に表示されるのは十分なメリットと言えるでしょう。

さいごに

今回は、単純なテキストファイルではなく、Obsidianを使うメリットについて考えてみました。

で、何度も「単純な」とつけていますが、ようは上のようなことを実現できる環境であれば、Obsidianのメリットは代替できるわけです。

必ずこのツールでなければならないわけではありません(だからこそ、さまざまなツールは普通のテキストファイルでないもので情報を管理するのでしょう)。

ファイルが簡単に作成でき、さらに特定の名前を持つファイルも簡単に作成でき、他のファイルを簡単に開けて、目的のファイルを手軽に絞り込めるなら、まずは十分な代替になるでしょう。

あとは、全体に対するgrep検索が手軽にできるなら、バックリンクそのものでなくても、それに近しいことはできそうです。

もちろん、そんな環境を自分で一から構築していく手間を考えたら、Obsidianを使うのは有用な選択だと思います。

▼編集後記:
倉下忠憲



最近、VS Code + テキストファイルでの情報管理にハマっています。

まるで時計の針を戻しているみたいですが、「カスタマイズ性の高さ」からいって、最終的にはここに落ち着くのではないかな、という気がしています。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。メルマガ毎週月曜配信中

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