どうすれば成功するかは、他人に教えてもらえばいい



佐々木正悟 私はこの15年のフリーランス生活を、

の二本立てで、だいたい乗り切ってきたように思う。

その『仕事は楽しいかね?』を読みなおし、ちょっと驚いたのです。

想像していたよりも「グッドバイブス」にかぶる部分が多く、こんなことまで書いてあっただろうか、という「再発見」が多くありました。

もっとも、こうしたことはよくあることです。

たとえば「他人は何のためにいるのかね?」とマックス老人が主人公に尋ねるシーンがあります。

このセリフはあまり引用されない。

本の中でさえ、きちんと回収されているとはいいがたい。

それでも、本書全体にとってこれはとても大事なセリフで、「グッドバイブス」との親和性もあると思うのです。

それにしても『仕事は楽しいかね?』は世界的なベストセラーですが、著者の考えは、それほどよく浸透していません。

この本は、「他人という現実」を、非常に重要なものと考えているのです。

同時代の人が「イマココ」で、「何を欲しているか」はわからない。

だからこそ、

  • 夢中になって何でも試してみるべき

なのです。

現実に教えてもらえばいい

いろんなことを楽しくやって、新しいことを試してみて、いつもしっかり目を開けておいてほしいってことなんだ。



私たちの商品を買うのは「他人」です。
サービスを使うのも「他人」です。
本を買って読んでくれるのも「他人」です。

「パーソナル・プロジェクト」にでてこないのは「他人」です。

ガントチャートがどれほど美しく出来、アウトラインがどれほどMECEに作り込まれ、Evernoteのノートブックを完璧に整理し終えても、それによって満足するのは「自分」であって、「他人」ではないはずです。

私のような「ライフハッカー」は、このことをよくよく思い起こす必要があるのです。

一歩まちがうと、ときめくものだけがきちんと整理された空調の効いた快適な部屋で、ただ1人今後の計画に思いを馳せて生きていくような、生活になってしまいかねない。

「他人は何のためにいるのかね?」
皮肉に聞こえかねない台詞だが、決してそうではなかった。
老人の言葉はそんな意味ではない。
彼の表情は思いやりにあふれていた。

『仕事は楽しいかね?』にも『グッドバイブス』にも登場する、他愛ないような大事なような、エピソードがあります。

子どもを含め、ごく一般的な人にとって、簡単に受け入れられるちょっとしたアドバイスです。

ただ、ライフハッカーにはおそらく受け入れがたいエピソードです。

「車種は?」マックスが尋ねた。
「プリマス・リライアントですよ。つくりがしっかりしてる。それに実用的です」

じゃあ、今度買い替えるときがきても、またそれを買うかね?」

私はニコッと笑った。彼の言いたいことがわかった気がした。

「それはないですね。心からほしいと思う車を買います」

マックスがニコッと笑い返した。

「きみにはね、これでいいやっていう気持ちをもっと持つことが必要なんだよ。統計データはもっと少なくていい。事実というのは弱い者につけ込む。現実的な情報をこれでもか、これでもかと出してもくる。惚れ込むことのできる車がほしいなら──まずこの車だと決めて、それから事実を調べること。

きみが車を選ぶんじゃない──車にきみを選んでもらうんだ」

この話に納得がいくでしょうか? 

スペックも見ずに、次のiPhoneやMacBookを買うことができるでしょうか?

感覚的に惚れ込んだものを、衝動買いすることができるでしょうか?

iPhoneがあなたを選ぶでしょうか?

「もちろん直感や自分の感覚を信頼することは大切だ。でも…」と思ってしまわないでしょうか?

「他人は何のためにいるのか?」という問いと、「これでいいやっていう気持ちをもっと持つ」というのは、実は同じことを言っています。

両方とも、スペックや計画にではなく、「現実に教えてもらうことの大切さ」を説いているのです。



▼編集後記:
佐々木正悟




 
この本もまた、
 
現実に教えてもらうこと
 
の重要性を説いています。
 
私がお金や心に傷を負う「お悩み」を相談し、それへの答えを、倉園佳三さんが書くという形式になっています。


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