ルーチンワークが先送りされやすい理由

By: Derek ClarkCC BY 2.0


仕事をしていると、特に締め切りがあるわけではないものの、やっておいた方がよいタスクというものが出てきます。

例えば、書類整理、領収書の整理と仕分け、各種の掃除、など、いわゆるルーチンワークです。これらは、ちょっと気づいたときにサッと済ませてしまえば、さほど時間を取られることもないですし、それでいて目の前がスッキリするため、費用対効果が高いタスクと言えます。

とはいえ、忙しくなってくると真っ先に先送りにさらされるタスクでもあります。こうして、定期的なルーチンワークが滞ると、書類を探すのに時間がかかるようになったり、立て替えた経費を“回収”できなくなったり、部屋が散らかって気分が悪くなる、といった症状が出はじめます。

ここまで来てしまうと、もはや手を付けるのもおっくうになってしまい、悪循環に陥りがちです。

このようなルーチンワークの先送りについて、『ライフハックス─鮮やかな仕事術』に以下のような対策が紹介されています。

  • 「今すぐ」あるいは「あとで」のリストに放り込む
  • 予定の繰り返し(リピート)機能を使わない
  • 毎日繰り返すことであっても、毎日予定として登録する
  • 「引き出しの掃除」など具体的な名前に変える

こうすることで、結果として毎日やるべきことであっても、いちいちタスクとして毎日登録するという余計な手間が発生します。これは、「認知リソース」(※)を節約するという、本来目指すべきスタンスとは相容れないものですが、著者は、「あえて手間を掛けたほうがよい」と主張しています。

その理由として、一度登録すれば、あとは意識しなくても毎日のようにリマインダーで通知されるようになると、次第にその“刺激”に慣れてしまい、「リマインダー」と「タスクの実行」とのつながりが薄れてしまうからだ、としています。

つまり、他のタスクと同様に「今日やるべきタスク」として、手間を掛けてルーチンワークを「登録」することにより、そこに注意が向くようになり、「やらなくては」という気持ちが喚起されるというわけです。

ただし、例外として「毎週日曜日、コンタクトレンズを変える」といったリマインドを目的としたものであれば「予定の繰り返し」機能を使ってもよい、としています。これは「タスクの実行」が面倒になるというリスクより、「し忘れる」というリスクの方が高い場合、ということでしょう。

まとめると、

  1. わかっちゃいるけど先送り → 毎日手間を掛けてタスクリストに「登録」
  2. 気づかぬうちに先送り → 予定の繰り返し機能を活用

ということになります。

ちなみに、「今すぐ」や「あとで」というのは、本書でタスクを以下の4つのカテゴリーに分けるように書かれているうちの2つを指しています。

  1. 今すぐやるべきこと
  2. あとですぐやるべきこと
  3. いつかやればいいこと
  4. 自分がやらなくてもかまわないこと

※認知リソース(自分にとって「鮮やか」な方法を考える

  • 現代において、まず何よりも減じるべきは、ストレスである
  • そのためには「認知リソース」をできるだけ解放する必要がある
  • 「認知リソース」とは、目の前の仕事を実行するために消費されるもの
  • 例えば、文章を書いているときは、直前に書いたことと、
  • 次にどんなことを書こうとしているかと覚えておく必要がある
  • このようなことを「覚えておく」ために認知リソースが消費される
  • 記憶、注意、思考などのために活用できる脳のリソースには限界がある
  • この限界を超えると、作業のパフォーマンスは極端に低下する
  • 認知リソースを酷使する仕事を長時間続けると、ストレスになる


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