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プロジェクトから役割へ



佐々木正悟 いわゆる「プロジェクト」から「手を引いた」代わりに私が強く意識するようにしているのが「役割」という概念です。

決してむずかしい事柄ではなく、事例一つでご理解いただけるくらい簡単な話です。
こういうことです。

●作家【役割】
└原稿執筆
└構成案の作成
└校正

●セミナー講師【役割】
└レクチャー
└会場手配


そして先月半ば当たりからずっと「役割」を中心に生活を記録してきた結果が、以下のようになりました。

どういう風に配分したいかではなく、どういう風に配分しているか

「自分」には食事と睡眠が含まれるから、このくらいの割合になっていて当然です。

「セルフケア」とは「自分のためにすること」ですが、「自分自身」とは分けています。どう分けているかというと、

  • 「自分自身」にはやらなくては済まされないことを入れている。睡眠と食事。
  • 「セルフケア」はやらなくても済ませられること。休憩やお風呂など。

この二つを取っ払うと

  • 「家族としての役割」
  • 「大橋さんのパートナーとしての役割」

が時間消費上の上位に来ています。

この一覧表を見て私が考えることは、どういう風に配分したいかではなく、どういう風に配分しているか、です。

というより「配分」ではなく「消費」ですね。配分は消費の結果に過ぎません。

私はこれを見てはっきり意識するようになったことがふたつあります。

一つは、「時間を多くかけていることだけが大事なことではない」ということ。

たとえば「作家」は仕事の最上位に来ていませんが、意識としての比重は大きい。

私は「作家として仕事をきっちりやりたい」と以前よりも強く思うようになっています。

しかしながら原稿を実際に書いている時間は、そこまで長くはないし、これを長くすることがすべてではないのです。

もう一つは、「個性」ということです。

どうもこの「個性」という言葉が私は苦手でした。「あなたらしく生きるべきだ」と言われると、「私らしくとはどういう意味だ?」となってしまうのです。正直に言って、全然わからない。ちんぷんかんぷんなのでした。

それが「役割の一覧」によって少し見えてきたのですが、私の個性とは「私の持つ役割の組み合わせ方、およびその果たし方に現れるもの」のような気がします。

家族だとか夫だとか父親だとか作家すらも、別に「個性的」な役割ではなく、至ってありきたりです。その組み合わせ方もありきたりです。実際私は自分という人間がいたってありがちな人間だと認識しています。

にもかかわらずこの組み合わせにこういう時間配分している人間は、ほかにまずいないでしょう。

その上私と同じように「父親」をして、「夫」をして、「セルフケア」している人間は、もはやいないでしょう。私と同じように「作家」をしている人間も、いそうにない。その上「大橋さんのパートナーとしての役割」にけっこう時間をかけている。

これはまったく「個性的」です。ちょっとほかに同じ(ような)ことをしている人を想像できないという意味で。

この上私として望むものは、そんなにはありません。むしろ、現状受け止めている役割に、もっと深く正確にコミットしていきたい、くらいです。

役割を果たすということは、これまでも決して容易なことではなかったし、これからも容易ではないでしょうから、それを果たしていけるようにタスク管理していきたいといったところです。

蛇足ながら、「ライフハック」とは多くの場合「セルフケア」です。大事ですし必須ですが、過剰にならないほうがいい、という気がします。